あらすじ
いまスピリチュアルが大ブーム。「守護霊」「前世」「魂」の話題は、オウム真理教事件で徹底的に懲りたはずなのに、いままた軽く明るく普通に語られるようになったのはどうしてなのか?
そこには「人は死んでも生き返る」と信じる人たちの増加、「科学のお墨付き」を売りにした「脳トレ」「健康食品」ブーム、「自分の幸せ」だけが大事な内向き志向などとの隠れた共通点があった――。占い、パワースポット、神社仏閣めぐりなど、ブームの深層にひそむ、日本人のメンタリティの変化を解き明かす。
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Posted by ブクログ
昨今、占い全般、風水、パワースポット、パワーストーン等々、スピリチュアリズムに関する本が、ほぼ毎日刊行されている。
元々文化的にそういうモノを受け入れ易いのだろうが、それでもなぜこうも書籍やイベントが氾濫しているのか。
既存宗教や新興宗教や自己啓発セミナーとはどう違うのか。
ちょっと調べてみると、そこから見えてきたのは過去の流行や健康食品や美容法等との共通点、そして「幸」に対する捉え方……?
精神科医がスピリチュアリズムが好意的に受け入れられる背景を考察した、現代社会論。
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書籍でも言及されているが、昨今流通しているスピリチュアリズムに関する本の多くは、「持つだけ・行くだけ・やるだけ・続けるだけで幸せになれる・幸せを呼び込む」、要は『軽く、早く、マジカルに利益を得る方法』を謳っている。つまり、そういうものにのめり込むほど「幸」に飢えている人が多いということだ。
そしてそれはスピリチュアリズムに限らない。健康食品やダイエットやアンチエイジング。それらにのめり込む人もまた同様なのだ。
そして「幸」に飢えている人は、本物の能力者に対しても、自分の「幸」に反する答えは無条件に拒絶する。能力者の社会的発言を無視したり、能力者が提出した自分の意に反する回答に反発したり。そういうことに関する本を読んでいると、依頼者のそうした態度・エピソードに嘆く能力者が時々描かれている。
これからも幸せになれるスピリチュアルな方法が書かれた本が出たり、特集が組まれたりするだろう。そうしたことに夢中になるのは悪いことではない。
しかし、時々はスピリチュアリズムについて考えてみたり疑ってみたり、また、「幸」について考え抜いてみてはいかがだろうか。その時は、この本が参考になるだろう。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
いまスピリチュアルが大ブーム。
かつてはアヤシイと思われていた「守護霊」「前世」「魂」の話題が、軽く明るく普通に語られるようになったのはどうしてなのか?
そこには「人は死んでも生き返る」と信じる子どもの増加、「科学のお墨付き」を売りにした「脳トレ」「健康食品」ブーム、「自分の幸せ」だけが大事な内向き志向との隠れた共通点があった―。
時代の空気を読むスペシャリストが、ブームの深層にひそむ、日本人のメンタリティの変化を解き明かす。
[ 目次 ]
序章 私の前世を診てください
第1章 人は死んでも生き返る?
第2章 スピリチュアルのカリスマたち
第3章 江原啓之という現象
第4章 スピリチュアルで癒されたい
第5章 スピリチュアルちょい批判
第6章 あくなき内向き志向の果てに
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