あらすじ
親がおらず、親戚の家に居候している小学生の暁。優しい叔母に守られて暮らしていたが、叔父の失業をきっかけに、穏やかだった日々は終わりを告げる。叔母の「嘘」で家を追い出された暁は、児童養護施設へ。大人を信用できない暁も、園長の諫早にだけは心を開くようになるが…。〈寂しくても一人がいい。誰にも裏切られない一人がいい。〉ほろ苦い少年時代、エンバーマーになった理由など、暁の過去が明らかになる人気シリーズ番外編! 大学時代の暁とパットの友情を描いたショートストーリーも収録!!
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Posted by ブクログ
完結の最終巻を読む前に、と読み返したが、読み返して本当に良かった。。
最終巻でなぜアキラがああいった選択をしたかが分かる子供時代。
ハイリスクハイリターンではなく、ローリスク、ローリターン。
物凄く嬉しい事を望まない代わりに、物凄く悲しい思いをせずに済む、という生き方。
一方で 情に厚いという二面性
呪術廻戦で主人公を陽キャな根暗 乙骨を陰キャな根明と表現した人がいたが アキラは後者で 海斗は前者だったのかもしれない
(園長 本当、お金、何に使っていたのだろう??ソファーとか備品だったのだとしたら、当時経営状態は最悪だったのか??)
海斗が園長が嫌いだと感じた理由はなんだったのだろう??同僚になってから?蝙蝠の件??敏い子だったのだろうか??
身長は、沢山食べる環境でも低いままだったかもしれないけれど、環境が人を変えるなぁ、と。。
笑顔満載のアキラだったら、また、蝙蝠を飼わなかったら、
忽滑谷との交友関係や、何よりアルとの関係性が無かったかもしれないけれど。
アルが、こういった背景を知らずにアキラを優しいと感じることが出来たのが凄い。
無条件に甘えられる存在がいるって、人格形成に大きく影響するのだなぁ。。
イングリットとはもう関係切れたのだろうか。。
正しく完璧な大人として
別れをアキラは選択したけれど 巻末短編でリチャードを頼る選択をしたわけだし
年賀状のやり取り位はしていてほしい。。
お互い心配かけまいとするけれど、何かあったら絶対助けてくれるような存在でいてほしい。
『売春なんて絶対に絶対に絶対に駄目。体だけって、思うだけかもしれないけど、ああいうのはちょっとずつ心も切り売りしてってるのよ!』
『…十代の子って頭が悪いの 馬鹿なのよ 猿山の猿よりお馬鹿なの…あたしはもういい大人だから 女の格好をしてても 良識はあるのよ だから猿山の猿が何を言ったって 気にしないことにしたわ』
嘘を付く人=弱い人 という見解はアキラと一致しなかったけれど
『…自分に対してだけでなく、どの子供にも平等に優しかった。…芸能人みたいだなと感じるようになった。…誰のものにもならない。』
『自分はいつも一人だった。誰かの特別にはなれなかったし、してもらえなかった。』
『猛烈に…欲しいと思った。この優しくて、暖かいひとに自分だけを見てほしい。本物の父親になってほしい。守ってほしい。』
『…には何も期待していないので、裏切られることもない。…は優しいから、それ以上を期待してしまう。』
『何もできないんだと気づいたとき、…報告をするのをやめた。せっかく話をしているのに、この人は何もしてくれないんだと思いたくなかった。』
『大人になることを考えなければいけない。』
『眠っているように美しく、けれど確実な死。それを感じ取ることで、自分の中で気持ちを整理することができた。…死んだ顔を見られていたら、自分の中で「終わり」をはっきりと感じることができたんだろうか。…美しく最期を迎えることは、残される人、死んでしまった人両方のためだ。』
『人の心なんてわからない。わからないけど、…自分から見えている部分と、そうでない部分の違いはない人だと思っていた。…怖い。…裏切られたくない。。。。信じているものに絶望させられたくない。…もう誰も信じられなくなる。』
『優しくされたい。気にかけてもらいたい。けど優しくされたくない。放っておいてほしい。一人は寂しい。でも優しいのは怖い。嬉しくて怖い。』
『人は人を裏切る。…優しくしても裏切る。…それなら頼りたくない。裏切られるのも、嘘をつかれるのも嫌だ。失望するくらいなら、最初から期待なんてしない方がいい。』
『早く大人になりたい。…自分が子供だから、他に居場所がないから、人を頼りにしてしまう。もし誰にも頼らず一人で生きていくことができたら、こんな思いはしなくてもいい。悔しいとも寂しいとも、悲しいとも思わなくていい。』
『けど見習うはずの大人が噓をつく。それじゃあ誰も信用なんてできない、自分の心の中は、怖くて誰にも見せられない。…あの人は…死んでいるから、もう何も言えない。だからどれだけ愛しても、あの美しい人は永遠に自分を裏切ることはない。…寂しくても一人がいい。誰にも裏切られない一人がいい。』
『自分はきっと ビーズの一粒だ …一つぐらい落ちてもわからない だから死んだって何も変わらない 世の中で生きるというのは そういうことなのかもしれなかった』