あらすじ
だれもが小学生の頃に習ったであろう「pH」。理科の授業でリトマス試験紙が赤色や青色に変化する実験をしたあの「pH」です。大人になると、「pH」のことなど気にも留めない生活を送っている人が大半だと思いますが、実は、私たちの身近なモノ・コトをはじめ、ありとあらゆるものに関係しています。たとえば、牛乳は「pH」がある値よりも小さくなると、牛乳に含まれるタンパク質の主成分が固まり、ヨーグルトになります。弱酸性に保たれているヒトの腸内の「pH」が変化すると、風邪をひきやすくなったり、新型コロナウイルスにも感染しやすくなったりします。髪も「pH」の影響を受けやすく、ヘアカラーは「pH」による髪の性質の変化を巧みに利用しています。深刻化する酸性雨は湖や海の「pH」低下にも関係し、海の酸性化は地球の温暖化にも影響を及ぼします。そして、2020年にパンデミック宣言がされ、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスも――。あれもこれも、それ全部「pH」のせいなんです。
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Posted by ブクログ
電離してH+を発生する物質を酸、OHーを発生する物質を塩基、またはアルカリと呼ぶ。
純水はわずかに電離していて、H+、OH-の濃度は、1の10-7乗。指数7をとって、PH=7を中性とする。
空気中の二酸化炭素は、微量だが水に溶けやすい。溶けると炭酸になる。炭酸になると、H+の濃度が増えて賛成になる。酸性雨の理由。炭酸飲料と同じ。
スティックのりの色つきはアルカリ性。空気中の二酸化炭素や紙の酸性の成分を吸収して、色が消える。
アルカリ性の物質は限られる。固形石けんは、灰汁はアルカリ性。
酸性食品、アルカリ性食品は、食べる前の酸、アルカリは関係ない。代謝の結果、最終酸化物がどちらの性質をもつかで決まる。金属元素を含むものはアルカリ性酸化物になる。植物にはミネラルが多く、金属元素だからアルカリ性食品になる。穀物、肉、魚は酸性食品。
ワラビは、毒があるので灰汁抜きをする=酸性の毒を中和させる。鍋のアクは別物。野菜の不溶性部分が集まったもので栄養分が含まれている。
酢飯は、PH4.6以下であれば病原菌の繁殖が防げる。なれ寿司、飯寿司はPH4くらいになる。ボツリヌス菌も4まで下がれば繁殖できない。
ライ麦は適応PHが広く耐寒性があるため北欧でも育てられた。アミラーゼが多く含まれ、デンプンが分解される。そのためサワー種という酵母を加える必要がある。PHが下がってアミラーゼの働きが抑制されて生焼けにならない。サワー種のため独特の酸味がある。
タンパク質は加熱すると水分が絞り出されて固くなる。ゆで卵も同じ状態。元には戻らない。火傷も同じ状態。水分を与えても元には戻らない。
毒蛇の毒はタンパク質。アルコールに漬けると毒性を失う。マムシ酒ができる。BSEはブリオンタンパクに毒性が現れた現象。
肉の等電点は5.5でこれに近いほど収縮で水分が絞り出されてパサつく。重曹などでphを5.5より高くすると収縮が起こりにくくなり水分が保たれる。マリネ処理で酸性にしても水分を保てる。
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