【感想・ネタバレ】新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング 【実践編】のレビュー

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Posted by ブクログ

・リスキリングして身につけるべきスキルが分からない場合は、副業・兼業制度を利用して、早いタイミングで自分の新たな可能性を模索する。
・これから多くの生産職・事務職が余剰人員になり、専門技術職が不足になる。
リスキリングを行い供給不足の分野に労働移動する必要がある。特にデジタル分野、グリーン分野、デスクレステクノロジー(机の前に座らない現場で仕事をする方たちを支援するテクノロジー、農業、医療、教育、建設、飲食、物流など)、生成AI

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

私自身が今人事に身を置くからこそ、声を大にして言いたい。「リスキリングは間違いなく必須」なのである。
テクノロジーの進化がすさまじい。
その進化に合わせて、ビジネスも急激な勢いで変化している。
「今までの常識は全く役に立たなくなる」と、まず自覚することが大事ではないだろうか。
新技術が台頭することによって、業界そのものが消失することは今現在でも起こっている。
その状況を対岸の火事と思って見ない振りをするのか、自分事として意識するのか。
変化は今までのように、何十年もかけて起こるものではない。
これからは、気を許したとたんに、一瞬で変化してしまうことがあり得るだろう。
いざその時に嘆いても、もう遅いのだ。
結局は今の時点から、まずは意識して、変化に対して覚悟を持つということなのだ。
人生100年時代だから、確かに1つのスキルだけで仕事を乗り切っていくのは難しいだろう。
だからこそリスキリングして、複数のキャリア選択をしていこうという考えも、確かに正しいと思う。
しかし本書では、「本質は技術的失業に備えること」と説いている。
テクノロジーの進化で、業界の変化もあり得る。
人生が延びることで、複数のキャリアが必要なのも確かだ。
しかし、身近な課題としてあり得るのが、この技術的失業なのではないだろうか。
一つ一つの仕事が、大きく変化していくという話だ。
分かりやすいのは、データ入力などの作業だ。
今までコツコツとやっていた、ルーティーンワークや事務系の仕事はドンドンとAIに置き換わっていくのは間違いない。
もし会社が存続できたとしても、自分自身が社内で失業状態になってしまうことがあり得るということ。
これは実はそんなに先の話ではない。
業界の消失や、人生100年時代よりも、先に来る眼に見える課題なのだ。
だからこそ、学び直しをして、新しいスキルを習得していかなければならないという話なのだ。
つまり我々には、実はそんなに時間が残されていない。
問題なのは、これを個人だけに委ねていても、結局はやらない人はやらないし、方法もバラバラとなるため、組織の力として蓄積されないということなのだ。
会社側が「リスキリング」と掛け声だけ発しても、それを社員任せにしている時点で、上手くいくはずがない。
企業が「意識の高い社員にお任せ」ではなく、積極的にルール化して、制度も整えて行う必要がある。
まずは「当社の戦略上でこういうスキルが必要なのだ」というメッセージを社員に対して発信し、腹落ちしてもらうことからだ。
納得すれば積極的にスキル獲得に動くと思うが、当然習得の暁には、その仕事に就いてもらう必要があるし、人事評価としても上げていくことが大事だろうと思う。
せっかくリスキリングしても、人事異動が出来なければ、何のための努力だったのかとなってしまう。
評価も上がらなければ「前の仕事の方が慣れているし、新しいことはやりたくない」という心理が蔓延してしまう。
「会社側がリスキリングに対しどういう環境を提供できるかが成功の鍵だ」という考え方には同感しかない。
この点こそ「実践編」ならではだと思う。
最初に行うべきことは、個人個人の現状のスキルマップ作り。
同時に、企業側で求めるスキルの可視化だ。
結局、会社が必要と思っているスキルが、社内にない場合、安易に考えると、中途採用で補充となってしまうが、それでは既存社員がいつまでも同じ仕事をすることになってしまう。
いざその業務が消失したときに、他の仕事に就いてもらおうとしても、そこからリスキリングしたのでは遅すぎる。
当然、日本の雇用条件では、その業務が無くなったからと言って、即退社を要求することはできない。
人材の有効活用を考えれば、当然に既存社員をリスキリングした方が良い訳であるが、ここはバランスとなるだろう。
本書内では、そもそも会社側の姿勢として、既存業務を効率化し、リスキリングの時間確保をさせられるかが成功の第一歩である、と説いている。
これには私も大いに賛成だ。
今忙しく業務をしている中で、+アルファで学習を強いるのは、相当に難しいだろう。
こういう点も会社側が積極的に業務改善を図り、社員が学ぶ時間を確保できるようにすることが、リスキリング施策では非常に重要だ。
時間確保によってメンバーに学習させ、新スキルを獲得できたならば、今度はそれを実践できる場を用意しなければならない。
これも当たり前の話であるが、せっかくスキル習得しても、実践の機会がなければ本人のモチベーションは下がってしまう。
これでは次に新たな学習をしようという気持ちが萎えてしまう。
リスキリングの好循環を生むためにも、「既存業務の効率化→実際の学習→スキル習得→実践」を欠けることなく全て整えることが大切だ。
人事としてこれらを整えたら、メンバーに実行までさせるのが、リーダー・マネージャーの責任となる。
全面的にサポートし、成長を促すことは、当然に本人にとっても、結果的に組織にとっても必ずプラスになるはずだ。
「学習が大事だ」と掛け声だけしても、実行するのは本当に難しい。
当然リーダー・マネージャーが率先して学ぶ姿勢を見せることも大切だと思う。
そうなると、一番忙しいリーダー・マネージャーこそが率先して業務改善し、学ぶ時間を確保する必要がある。
少しずつでも、これらを実践していくことから始める必要がある。
いずれにしても実行しなければ意味がない。
学習する組織を文化として作り上げられるかが大事ということ。
そのために制度も施策も整えるということなのだ。
(2024/1/5金)

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2024年01月29日

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