あらすじ
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私たちの体から地球、宇宙までを形作る、さまざまな物質の最小単位である元素。本書では、元素の謎を解き明かしてきた過去の偉人から、周期表の特徴、なかでもタテ読みにすることで見えてくる面白さ、そしてそれぞれの元素の主な用途や性質を、イラストや元素発見時のエピソードとともに紹介します。
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Posted by ブクログ
あらゆる元素について、一言コメント的に説明がなされているのが本書。一部を除き、聞いた事が無いような元素にも使い道があるのは驚きだ。技術の発展に必要な知識だという事がよく分かって、勉強になる良書だった。
ー ヘリウムの特徴は元素の中で最も沸点が低く、絶対零度(マイナス273.15°C)に近いマイナス268.934°Cで液体になること。そのため、液体へリウムは極低温の世界を作るための冷却材として、極めて重要だ。極低温の世界では、超伝導などの現象が起こる。超伝導とは、特殊な金属や化合物を冷やしていくと電気抵抗が突然ゼロになる現象のこと。電気抵抗がゼロで、電流を流しても熱が発生しないため、消費電力が少なくても強力な電磁石を作ることができる。この超伝導の技術を利用しているのが、リニア中央新幹線や医療用MRI(磁気共鳴画像)装置だ。このときヘリウムは循環させながら使用されている。
ー ホウ素の化合物であるホウ砂やホウ酸には防腐効果や殺菌作用があるため、目の洗浄剤として利用されてきた。防腐剤として目薬に配合されている場合もある。また、農産物の細胞壁を育てることから、農作物の肥料にも使われている。そのほか、ゴキブリを駆除するホウ酸団子としても昔から農家などで使われている。ゴキブリなどには強い毒として作用するとされ、ホウ酸が体内に入ると脱水症状を起こして死んでしまうという。
ー マグネシウムはリチウム、ナトリウムに次いで3番目に軽い金属だ。アルミニウムの3分の2の重さで、実用金属の中では最も軽い金属といえる。自然界には単体のマグネシウムは存在せず、化合物として岩石などに含まれ広く分布し、海水や動植物にも含まれる。
ー 硫黄は工業的にも有用な元素である。例えば、生ゴムに硫黄を添加するとゴムの弾力性が増す。ゴムに強度を与える炭素とともに硫黄を添加して作られるのが自動車のゴムタイヤだ。
ー 欧米では、食品の酸化防止を目的に、容器の中にアルゴンガスを充てんしている場合がある。これは、アルゴンの不活性という特徴を活かした利用法で、その1つにワインの酸化防止
ー パラジウムの大半はガソリン車の排ガスに含まれる大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)を分解するための触媒として白金、ロジウムとともに利用されてきた。
118種類の元素があって、その一つ一つに説明があるので、化学の基礎的な知識をある程度、一望できる。覚えられはしないが。