あらすじ
郵便不正事件で無実の罪に問われながら、虚偽の調書にサインをせずに164日間拘留された著者。極限状態にありながら、なぜそれに耐え抜いて無罪を獲得することができたのか。その「あきらめない心」の秘密を、半生を振り返りながら解き明かします。
著者のメッセージは「どんな悪いことがあってもめあきらめない。人生に何が起こってもリカバリーできる」。
日経ウーマンの読者である働く女性をコアとなるターゲット層としながら、震災後も力強く生きるための今の日本の指針の書として、また、ビジネスパーソン向けの「生き方、働き方」の啓発本として男性にも訴求する内容です。
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Posted by ブクログ
大阪地検特捜部の証拠ねつ造事件として有名になった、郵便不正利用事件(「凜の会」汚職)の冤罪被害者である、元・厚生労働省児童家庭局長の村木厚子さんの手記。
仕事やプライベートに関する半生記と、郵便不正利用事件の冤罪事件に関する手記が、ちょうど二章ずつ半々に描かれている。
極めて普通の感覚の人のようで。大坪検事の手記を事前に読んでいたので拍子ぬけといったところ。
Posted by ブクログ
読み終えて非常に筋の通った意志の強い人と思った。郵便不正事件の内容は半分未満くらいで、生い立ちと仕事の話を中心に働く人、特に女性へのメッセージが込められている。非常に丁寧な文章で読みやすい。
仕事をする人ならば読む価値は十分だ。
だが、事件の話は凄い。淡々と書かれてるが一般の人では耐えれないものだ。精神的にどんなに強くても経済的に耐えれないだろう。
(映画「それでもボクはやっていない」を思い出した)
それにしても強い家族だ。最後に家族全員が2ページ投稿しているが、そこに絆の強さを感じた。
最後に、家宅捜索を受けた際に捜査員が15秒でここは無理ですと上司に報告された次女さんの部屋が今はキレイになっていることを祈りたい。
メモ)
・仕事はチーム。チームの中での自分の役割を果たす。それに気づけば気持ちのゆとりが生まれる
・人間関係を作るのは苦手だったが、勉強会で人脈が作られた
・やれるだけやって駄目なら辞めればよい。判断に迷うときはそう考える
・ミッションを言葉で表す。あうんの呼吸ではなく言葉で表現
共有できる言葉をさがす
・上司が「聞いていない」と発言する事は「聞かされないくらいの信頼度しかない」ということ
・ダメな上司は変わらない。やるべきことだけをみる
・言語化は重要。概念を共有できる。かつてセクハラという言葉はなかったが広まり、共有することで変わっていく
・昔は女性も仕事をしていた。サラリーマンが生まれた時に専業主婦が生まれた。昔の労働率は今より高かった。今だけをみるのではなく歴史を知ることで分かることがある
・仕事をしたことのない人の就業力を測ることはできない
・検事は真実を見つけるのではなく「証言を変える事」
・検事はしゃべる内容を自分のストーリーにあうように変更してサインさせようとする
・だが、元々価値観が違う人間の話を言語化するのは難しい。弁護士との間でもうまく表現できないこともあるそう
・仕事の人間関係は「また一緒に仕事をしたい人」と思われるところから始まる
・目標は低くする。取り調べは「やった」と言わないことだけ気をつけた。勝たなくていいから負けないようにする
・あきらめるという罪。マスコミに失望していた時期にうけた英字新聞の取材では喋った内容がキレイに表現され、新聞社が補足したところはそう分かるようになっていた。言い続ける大切さ