あらすじ
今日の日本人は明治時代にくらべ7~10倍の数の人とつき合い、江戸時代にくらべ2~3倍もしゃべっているという。話の面白い人、うまい人はもてる、有名人にもなれる。といって、誰もが流暢、能弁である必要はない。それは軽薄、饒舌と紙一重だ。大切なのは話のルールを守り、誠実に自己を表現することだ。「心が開けば口も開く」「紋切り型も悪くない」「悪口の言い方、聞き方」などなど、筆者とともに「面白い話とはなにか」を考えてみよう。
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Posted by ブクログ
実例を多く採って解説した、話をするためのノウハウ本である。
その手の本はありふれているが、この本の真価はこれが書かれた当時の文物が説明されている点と、案外この頃も現代と大差ないんだなと思わせる社会評論であると思う。
面白い話がいくつもあったが、個人的には最後の二章の据わりが悪く、やや読後の印象が悪い。タイトルが内容をうまく表していない点も微妙である。
話をするためのノウハウを語るエッセイとして考えるくらいが適切な立ち位置の本だろうと思う。