【感想・ネタバレ】スウェーデンと日本発!非認知能力を伸ばす実践アイディアブックのレビュー

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Posted by ブクログ

非認知能力研究第一人者の岡山大学准教授の中山芳一先生と、スウェーデンの就学前学校校長の田中麻衣先生、元大阪の中学教師であり現在フィンランドの高校に勤務する徳留宏紀先生の3人による共書です。「認知能力と非認知能力は、双方を切り離して相対するものではなくて、認知能力と非認知能力とは、一体的な関係を築いていく必要がある。」「人格を形成する上でも、自己実現する上でも、幸福を追求していくためにも必要不可欠な力であり、教育の本質から見てもなくてはならない力。」そうした非認知能力の育成が、3ヵ国でどのように取り組まれているかが、実践例と共に紹介されています。
スウェーデンでは、プロジェクト・ベースト・ラーニングにおいての実践の中にうまく非認知能力の育成が組み込まれていること、評価とは「子どもたちを認め励まし、教員自身が省みるためにある」こと、など、どれも興味深い内容でした。特に、スウェーデンの学習指導要領に書かれている文言、「教育とは、生涯学び続けたいという気持ちが促進されるものでなくてはならない」「…子どもたちが自分の考えやアイデアを言葉にすることを奨励し、それができるような環境づくりをしなければならない。…」「…教育は学習指導要領や子どもが興味を示すもの、これまで培ってきた能力や経験を起点とする。新しい発見や知識へと導くことで継続的に子どもたちを(さらなる学びへ)挑戦させていかなければならない。」という言葉は、そのまま日本でも大事にしていきたい内容だと思いました。日本の教育にも日本の教育ならではの良さがありますし、全てを北欧並みにするべきとは思いませんが、良いと思えることは取り入れて実践してみることに価値はあると思います。国民性や時代、環境、成長段階に合ったものに柔軟に変化させながら、子どもたちの可能性を伸ばしていける教育環境が整うように、我々大人は責任をもって努力していかなくてはならないと感じます。

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2024年02月14日

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