【感想・ネタバレ】いちばんやさしいオブジェクト指向の本【第二版】のレビュー

あらすじ

※本書は2009年に発行された書籍の電子版になります。
【技術が苦手でも、これならわかる。】
オブジェクト指向はなぜ難解なのか。わかったつもりになっても、実はよくわからないのはなぜか。その理由は、オブジェクト指向の持つ“二面性”にある。「理解」と「創造」の二面性を理解することで、いままで難しいと思っていたオブジェクト指向が、驚くほど簡単にわかるようになる。

豊富な具体例を用いてわかりやすく解説する、いちばんやさしいオブジェクト指向入門の決定版。


■こんな方におすすめ
・オブジェクト指向がわかるようになりたい人
・オブジェクト指向の本質をつかみたい人
・ソフトウェア開発でレベルアップしたい人


■目次
●第1章 それはシリコンバレーから始まった~オブジェクト指向の歴史
きっかけはアラン・ケイ/コンピューティング環境Smalltalk/シミュレーションのためのSimula/Smalltalk後のオブジェクト指向~C++/Javaの衝撃/UMLの登場/21世紀:オブジェクト指向の一般化/理解するのが難しい理由
●第2章 ケーキとDVDソフト~オブジェクト指向の概念を理解する
あるSEの日常/オブジェクト/メッセージ/オブジェクト指向/オブジェクト指向の使い道/メッセージとオブジェクトの振る舞い/属性/状態/属性と状態/オブジェクトと仕事/責務/クラス/クラスの定義/クラスがあると何が嬉しいのか/オブジェクト指向とクラス指向/クラスどうしの分類/オブジェクト指向の本質は二つだけ

●第3章 プログラミング言語進化論~オブジェクト指向プログラミングへの道
プログラミングの進化の歴史/抽象化へ至る道/手続き抽象/構造化プログラミング/データ抽象/大規模化の壁/機能分割の課題/課題1:大規模分割を最初に行うことの難しさ/課題2:仕様変更の影響範囲の広さ/課題3:類似性の散在/データに関する課題/課題4:データの定義と利用箇所の乖離/課題5:名前の衝突/課題6:アクセス違反/モジュール化/課題1の解決/課題2の解決/課題3の解決/課題4の解決/課題5の解決/課題6の解決/モジュール化を取り入れたプログラミング言語/モジュール化の課題/オブジェクト指向/モジュールを型にする/継承

●第4章 抽象化と分割の歴史がもたらしたもの~オブジェクト指向プログラミングの特徴
オブジェクト指向で作ったシステムの構造/オブジェクトの定義と生成/カプセル化とアクセス制御/オブジェクト指向システムの動作に関する特徴/オブジェクトの組み合わせ/メッセージの送信/イベントとメッセージ/継承による差分プログラミング/ポリモーフィズム(多態性)/オブジェクト指向プログラミングの七つの特徴

●第5章 ショートケーキはなぜショートケーキなのか~オブジェクト指向分析
「理解する」ということ/「内包」/特殊な概念と一般的な概念/概念の上下関係/「外延」/「属性」/人間の理解/人間の理解とオブジェクト指向の関係/オブジェクト指向分析の利点/(1)人間の理解の枠組みに対応した表現方法の存在/(2)メッセージの存在/(3)UMLという標準表記法の存在/オブジェクト指向分析の落とし穴/(4)必ずしも正解が手に入るとはかぎらない/(5)すべてを表現できるわけではない

●第6章 中央集権から地方分権へ~オブジェクト指向設計
オブジェクト指向設計の特徴/(1)結合度・凝縮度をコントロールする方法の増加/(2)設計思想の変化/【1】権限の委譲/【2】動くもののやり取り/【3】オブジェクト指向分析に基づく設計/オブジェクト指向らしさとは/(3)新しいメカニズム

●第7章 よくあるQ&A~オブジェクト指向への疑問とその解答
Q1 オブジェクト指向は「重くて使えない」と聞きましたが、本当ですか?/Q2 オブジェクト指向を使うと、生産性や品質が向上するのですか?/Q3 Javaを使えば、オブジェクト指向のメリットが得られるのですか?/Q4 オブジェクト指向で分析・設計をすると、何が嬉しいのですか?/Q5 本当に、現実世界をそのままモデル化できるのですか?/Q6 オブジェクト指向では「シームレスな開発ができる」と聞きましたが、これはどういう意味ですか?
参考文献

■著者プロフィール
井上樹(いのうえたつき):2000年より(株)豆蔵。現在は組込み系ソフトウェア開発を中心に、オブジェクト指向、プロセス、コンサルティング、セミナーを担当。著書に『オブジェクト嗜好度向上計画』(いずれも翔泳社)などがある。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

オブジェクト指向そのものについて説明してくれている。いつもごっちゃになる用語を解きほぐして書かれているのはとてもありがたい。

0
2015年12月26日

Posted by ブクログ

タイトルに偽り無し。「オブジェクト指向とは何か」という点にフォーカスしているため、概念や用語を学ぶのには最適かと。

ただし、コードや図説が少ない。これを読んだからといって、即実践に活かせるというレベルではない。あくまで基礎的な座学の範疇にとどまる。

より実践的な書籍を読みつつ、実務経験を積み重ねることで、オブジェクト指向で開発ができるようになっていくのではないかと思った。

0
2013年08月15日

Posted by ブクログ

 オブジェクト指向とは何か、ということがそもそもわからない人を対象に
オブジェクト指向プログラミング言語の淵源や、基礎的な考え
あるいはオブジェクト指向のメリット等が書かれている。

 個人的にはあまりおすすめできない。というのもオブジェクト指向を
わからない人を対象に説明するには、やや漠然としすぎているきらいがある。
また、オブジェクト指向をわからない人がこの本を読むと、
思考の迷路に陥る可能性が非常に高いと思う。
オブジェクト指向プログラミングは確かに従来の手続き型と比べると
発想・哲学の大きな転換が迫られているが、方法論が根本的に
変わった訳ではない。かなり便利になった、ぐらいのものである。
ただ、理解できていない人がこの手の本を読むと大げさに捉えて、
何かを作る、ということに対して非常にためらいを感じやすくなるだろう。
現に自分がそうだった。
C++でコーディング・分析する際、これは本当に正しい設計か?
オブジェクト指向的な発想にのっとっているか?といった
答えは初心者のうちでは絶対に導き出せない問題に悩まされる。

 初心者を対象にした読み物なのだが、初心者が読むには
あまりにも漠然としすぎているし、難題を植え付けてしまうと思う。
初心者のうちは方便でもいいので簡単に考えて、
まず、作るということに気持ちを向けたほうがいい。
その点からもこの本の内容は、作る、ということに
主眼を置いていないので、初心者が読むことをおすすめできない。
多少作れるようになった人間が、より理解を深めるためのもの、と
考えたほうがより内容を活かせるだろう。

0
2012年07月29日

「IT・コンピュータ」ランキング