あらすじ
専業主婦の涼子は、冷え切った夫との関係や言うことをきかない二人の子どもとの生活に、疲労感と閉塞感を覚えていた。45歳の誕生日を明日に控えた深夜、書籍編集者の夫に女性から一本の電話がかかってきた。「小説家の重原宗助先生からの仕事が入った」と家を出てしまう夫。我慢の限界に達した涼子は、家を飛び出す……。涼子が向かった先は、夫の愛人ホステスが勤めるクラブの入ったビル。1階のBAR「マーキームーン」に入ると、文学好きの美しいママが話しかけてくる。性別は男だというママは、涼子の悩みや素性を鋭い洞察力と推理力で言い当ててしまう。涼子がママに夫の愚痴を話すと、唯一の「良い思い出」である大学時代の彼氏・カズトにもう一度会おうと、旅に出ることになる。
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Posted by ブクログ
ラスト30ページは涙で文字が見えなくなりながら、読みました
読みはじめたときには、想像していなかったラスト
読み終えたあと、この小説を読めてよかったぁ~と心から思えました
銀座クラブ『マーキームーン』のルナママがすっごく魅力的で素敵!!
銀座に行ったら会えないかなって本気で思うんだけど、どうしたらいいですか?
ルナママにまた会いたいって思うけど、続編は期待するのが、野暮な気がするくらいストーリーとしてまとまっているし
素敵なカバーイラストにそっと手を添えて、元気をくれてありがとう。と思いを胸に人生を楽しもうと思ったのでした
Posted by ブクログ
忘れられない恋愛。有名文学作品ネタのミステリ。細かい話が多いけど、よくできてる。見方によって変わるのも面白い。主人公の性格はあんまりだけど、ルナはとても魅力的。ルナの正体も安易だけど泣ける。大阪旅行が楽しみ
Posted by ブクログ
本を閉じてもなお、この余韻に涙が溢れている。
皆それぞれ、誰かの夢を叶えている存在って、ほんとそうだよなぁとしみじみ感じつつ、主人公が最後に気づいた真実に色んなことが逆再生されていくような感じになった。
当たり前になり過ぎて見えなくなっている、今ある幸せに改めて気づかせてもらえた。
文学者たちのことは詳しくないので、文学碑めぐりに関してのところは流し読み状態になってしまったけど、読み始めてすぐの段階から、きっとこの本面白い!と感じた直感は間違いなかった一冊。
ここまで書いている今もまだなお余韻に浸りながら本の世界を感じられている。
Posted by ブクログ
大阪の文豪の聖地巡礼マップを見ながら読む。バーのママと大阪へ元恋人を探す旅にでる主婦。大阪で様々な事件に巻き込まれるがママの活躍で解決。最後はハッピーエンド。心が暖かかくなり楽しく読めました。秋吉さんこういう作品も書くのですね。「暗夜行路」早速読みました。
Posted by ブクログ
たまげた! 傑作だ!
夫の裏切りから逃げ出すように女は夜の街で知り合ったママと旅に出る。かつて好きだった男に会うためにーー。
読み終えて涙が零れるような本が何冊あるだろうか。これは間違いなくその一冊だ。
人生とは上手くいかないものである。平坦だと思って歩いていれば落とし穴やその辺の石に引っかかって転ぶ。デコボコだと思っていると意外と上手く歩ける。何とも意地の悪いイタズラの連続に我々は死ぬまで付き合わなくてはならない。
日常の謎を描きながら、様々な伏線が、謎が、一本の線に収束していく様は見事としか言えない。今、必死で涙を堪えてこれを書いている。この拙い言葉がどうか大勢の人に届きますように。
Posted by ブクログ
面白かった
まさかの重原先生が…!?という驚きもあってよかった
でもあんな電話と証拠があったらそりゃ浮気疑うよねと思った
読書初めて半年程度で最近のミステリや最近の受賞作あたりを読んでいたけど、いわゆる昔の文学は触れてないから有名どころから読んでみようかと思った
Posted by ブクログ
夫の浮気を疑い、所持品やスマホ履歴から確信に近いものを得、誕生日なのにそれを家族に忘れられ、昔別れた男が忘れられず勢いで乗りこんだ浮気相手の高級バーには入れず、その下の階のそれでも一流のバーのママと昔の男探しの旅にでる。大阪に向かうのだが、文学の聖地巡りと、予想外の事件との遭遇が頻回に起こるのと、何でママは涼子にこんなにやってあげるんだろう?というようなとこも最後に回収されていき、ママの謎解きが鮮やかで面白かった。
殺人や男女の関係の話が沢山でてくるので、中学校以上。
Posted by ブクログ
一つずつのエピソードはとても良かった。
文学と大阪がこんなに縁深いことも初めて知った。
最後のママの正体も良かった。
涼子と子供達のわだかまりとか、ママの本当の気持ちとか、そこらへんは消化不良。
2025.5.1
83
Posted by ブクログ
3~4日で、事件起きすぎ!って思っちゃうけど、ミステリー楽しめたし、ルナママ の言葉に色々とジーンとしちゃいました。またルナママに会いたいな。
Posted by ブクログ
思ってた展開と違かったり、「事件に遭遇しすぎじゃない?」って思ったりもしながら。
でも、楽しく読めたな。
もうね、ルナママの名言集出しても良いと思うwww
あと、この本に出てくる作品が読みたくなったのはアタシだけじゃないはずよね?
☆序章 「暗夜行路」
☆第一話 「曽根崎心中」
☆第二話 「春琴抄」
☆第三話 「黒蜥蜴」
☆最終話 「月夜行路」
Posted by ブクログ
夫の不倫疑惑の真相をつかもうと家を飛び出す涼子。その途中で出会ったバーのママ野宮ルナと、元彼の所在を探しに大阪へ行くことに。
文学話、めちゃめちゃ面白かった。そして道中巻き込まれる事件も、文学の知識を参考に解きつつ、結末が切ないというか。ルナが素敵すぎる。
Posted by ブクログ
専業主婦の涼子がBARのママと元彼に会うために大阪まで旅に出る話。めちゃくちゃ好き!大阪にこんなに文学スポットがあったとはという驚き、これは文学スポット巡りと小説読まないと!そして旅の結末、2人の結末が胸に響いた。全然気付いてなかったけど優しさが沁みた
Posted by ブクログ
かつて愛した元彼をさ探しにいく、道中でのミステリー
専業主婦の涼子は、家族に認められない生活を送っていた。誕生日すら忘れられ、帰ってこない夫への気持ちも爆発させた涼子は、家を飛び出す。迷い込んだバーで、ジェンダーレスのママと一緒に、かつて愛した元彼を探すたびに出ることを決意。
道中でのミステリー、ママの鋭い洞察力が旅の行方を飽きさせなかった。
結末には、どんなに強い人でも、なんでも手に入るわけではなく、今の人生って、本当は幸せで溢れてることを気づかせてくれる。切ないミステリーだった。
Posted by ブクログ
日々の寂しい生活に嫌気がさしていた専業主婦の涼子。20年以上前に別れたカズトを探しに、バーのママと大阪へ…
やさしいウソが何層にも重なった物語。いまある生活が自分ではない誰かの望む生活なのかもしれない、と考えさせられました。
Posted by ブクログ
とっても愛を感じるお話しでした。通天閣には行ったことがありますが、2台目とは知りませんでした。たくさん作家さんの作品に出会えた一冊でした。ママと涼子の良い関係が続いたらいいなと思いました。と言うか、読書っていいですね、また会いましょうって言いたかったのです。
Posted by ブクログ
物語のページはどんどん進んでいくし、
肝心の元彼の手がかりは?と思っていたら。。
大阪はこんなに文学で溢れていたのと初めて知り、
この作品には感動した。
Posted by ブクログ
イヤミスの旗手と言われる秋吉理香子さん。
これまで読んだのは
『絶対主義』と『終活中毒』
私、”イヤミス”はちょっと苦手なはずなのに
既読の2冊は☆4をつけていて、なかなかに面白かった。
『月夜行路』は
フォローしているインスタグラマーさんおススメ。
手にしてみたら
これまでの”イヤミス”とは違って
ちょっと考えさせられて心に沁みるミステリだった。
『月夜行路』は大阪で涼子の元彼を探す旅。
大阪人には馴染みの深い町の描写があって
思わず「おぉー!」と声をあげたくなる。
大阪人で読書好きと公言している私だが
文中で二人が言う
「大阪を歩けば文学に当たる」だとか
「大阪の街って、文学で編まれてるんじゃないの」
なんてことは、これまで一度たりとも思ったことがない。
大阪にこれほど多くの文学碑などがあるとさえ知らなかった。
大阪を舞台にした小説が数多くあることは知っていたけれど
「えっ?! そんなに?」と本当にびっくりしたのが正直なところ。
ルナと涼子は『月夜行路』の中で
なんと14か所もの文学ゆかりの地を訪れたののですよ。
14か所!そう14か所!
(と、なぜだかちょっと興奮しておりまする)
大阪を舞台にした文学と言えば~
私が思い浮かべるのは
「曽根崎心中」「夫婦善哉」・・・
昭和も昭和、昭和のど真ん中生まれだが
なぜだか、思い浮かぶのはこの二つ。
でも、私、この二作品は読んだことがない
なのに何故この二作品?
実はどちらも舞台を観たことがあるのだ。
ちなみに「曽根崎心中」は蜷川幸雄さんの演出で、主演は坂東八十助さんと関根恵子さん。
「夫婦善哉」は藤田まことさんと宮本信子さんが主演。
(この時は母と祖母と三人での観劇だったなぁ…)
どちらももう30年近くまえのこと。
あら、私、すごい記憶力?
いえいえ、それだけ舞台がすばらしくて忘れられないのだ。
と、話があっちゃこっちゃ行ってしまったが…
『月夜行路』は小説として楽しめて
大阪文学旅としても楽しめて
”一粒で二度おいしい”、まるでアーモンドグリコのような…
ちなみにグリコの本社は大阪!
あっ、これは有名でしたね
Posted by ブクログ
専業主婦の主人公。子供が2人いるが、旦那は不倫しているのか全然帰ってこない。ある日ふらりと帰ってきたのに、すぐに仕事で呼び出されたと夜中に家を出る。電話の向こうから聞こえるのは女の声。ぷつりと切れた主人公は旦那を追って夜の街に出るが、目的の店の手前でゲイバーのキャッチに捕まってしまうが、ママと話しているうちに過去に悲しい別れをした彼氏にもう一度会いたいという話になり、じゃあ私も行くわとママとの大阪旅行が始まる。
文学好きのママが立ち寄る作者と縁のある土地や話、文学から解決する事件など読んでいて楽しかった。
Posted by ブクログ
主婦の沢辻涼子は、中学と高校になる子どもの世話とすれ違いで会話もない夫との生活に孤独感を募らせていた。
その矢先、久しぶりに帰ったきた夫の浮気を疑い、後をつけて家を飛び出し、BARのママ・野宮ルナと出会う。
愚痴をこぼしたところ、涼子の心の中まで見抜いていて、自分が抱える報われなさの正体が元彼であることを言い当てられ、元彼を探すために大阪へと2人旅が始まる。
元彼探しのなか、ルナの洞察力と推理力で道中に巻き込まれた事件を解決していくのも謎めいていて楽しめる。
そして、大阪にはたくさんの文学の石碑があることを今更ながら知った。
元彼の今を知ったとき、ルナはそれも想定していたことに何故か納得してしまう。
ルナの正体がわかるとなるほどね、となる。
やはり涼子自身が気づいてこそ、である。
どんなにままならなくても、もどかしくても、苦しくても、わたしも生きている限り、自分自身の物語を紡いでいかなくてはならない。
最後の句読点が打たれるその時まで、わたしは主役を張り続ける。
誰もが主人公。
Posted by ブクログ
エンタメ小説として
読みやすく、
一気に短時間で読めた。
専業主婦が元彼を探す旅をする。
偶然知り合った文学好きなママと。
展開は、あくまでも
エンタメとしての面白さで
全てが上手く出来過ぎなんだけど、
それはそれで
読んでいて
気持ちよく、ストレスなく楽しめた。
もしかしたら、
ドラマにして、
毎回ミステリーと
文学が繋がるテーマでやったら
面白そう!
ミステリという勿れ、みたいな感じで、ママの言葉が毎回刺さる!
ママは肉野小路ニクヨさんのイメージ!
最近の本の装丁は
なかなか
今風だなあ。
表紙と中味が
うまく繋がらないのは
私だけかな?
Posted by ブクログ
ストーリー自体好みではなかったけどママの話にでてくる小説が多く読みたくなった。
専業主婦の涼子が夫の浮気騒動からバーのママと知り合い大阪へ行く…
「全員が、誰かの夢を叶えた存在」そういう考え方をしたいな。
Posted by ブクログ
読みやすくサクサク読めた
本の感想とは関係ないが
他の方も書いてあるが大阪の印象が変わった
美味しい食べ物と楽しい街という
印象があったが知らない事が増えてよかった
視点を変えてみるのも大事だと思った
Posted by ブクログ
最後はそうきたかという終わり方で意外性はあった
ただ次から次と二人の周辺で事件が起こったり、文学のお話が入り込み…主人公の元恋人を探すのはどうなったの??と…
情報が多すぎて少し読みにくかった
秋吉理香子さんの作品好きなので イヤミスじゃなかったのが私的には残念だった
Posted by ブクログ
家庭に居場所が無くなりつつある中年女性が初恋の人を探しに大阪へ出かける物語。バディを組むのは銀座の高級バーのママ。バディものとしては王道の流れ。ママは自らも小説を書くため大阪でも文豪が書いた小説の舞台となった場所を訪れていく。そこで発生する事件もママの高い洞察力と推理力で解決していく。主人公は初恋の人に会えるのか。ストーリーの展開はよめるしミステリーとしては小粒である。ただ作者の秋吉理香子さんが文学が好きで大阪に思い入れがあるのがよく分かる。それが物語に綺麗に結びついて爽やかな後味を残す。心地よい作品だ。
Posted by ブクログ
女の逃亡記かと思っていたら、
そうではなく、ちょっと何日間か旅する話。
辛い描写は無く、サクッとあっという間に読み終えた。
私も谷崎潤一郎さんは若い頃に好んで数冊読んだが、文学好きな方なら楽しめるだろうなと感じた。
軽いミステリーを合間にちょこちょこと挟んだ、ほわっとハートフルなお話。