あらすじ
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2000年に入る頃、数十年にわたる社会主義の失敗により、出版や流通、 書籍販売が疲弊しきっていたエジプト。書店を開くことなど不可能だと 思われた時代に、彼女は小さな書店「Diwan(ディーワーン)」を始めました。女性店主はあらゆる困難に直面しますが、それでもエジプトを代表する独立系書店チェーンへと成長を遂げます。
西欧と中東が出合うカイロで、それぞれの文化を共存させ、後世に伝えるということ、読書家や女性たちの心安らぐ場所であるということ。書店としての使命をまっとうすべく、彼女は闘います。分断されたこの世界を変え、希望をつなぐために。
これは、一冊分ず つ、世界を変えていこうとした、カイロの革新的な書店主の実話の物語です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
全くノーチェックだったのだけれど、本屋さんの棚で気になって手に取った。そういう出会いを作ってくれるのが、リアル本屋さんのいいところだよね、やっぱり。
エジプト・カイロで、女性が、モダンな本屋さんを作り経営する。もちろん知らないことがたくさんで面白いのだけれど、どこもそうなのねーと思うところもあり。うまくいったことも、失敗して苦悩したことも少なくないだろうけれど、そうだよ、次はもっとうまく失敗しよう、と思えたらいい。
Posted by ブクログ
この本は、性別や文化的背景など様々なハードルを乗り越えて、書店を根付かせることに成功した著者の記録である。単なる経済的成功を超えて、読書文化が希薄な地域で、読書の楽しみを浸透させたそのことが彼女達の真の成果ではないだろうか。
第一章の最後にジャネット・ウィンターソンの言葉が引用されている。「自分自身と自分の世界がちょうどよい大きさであること、そして自分も自分の世界もその範囲は決して固まっていないことを知っておくのは、人が生き方を考える時に貴重な手がかりになるだろう。」この言葉は、他者との関わりの中で主張し、妥協し、そして新しい何かを作っていくのに非常に大切なことだと、この本を通して実感することになった。
「失敗したら、もう一度失敗すればいい。ただし今度はうまく失敗するのだ。」と彼女は言う。そうすることで、1歩ずつ前に進むことは、人生における成功ではないだろうか。