あらすじ
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量子コンピューターは、とても微細な「量子」をつかって計算を行う装置です。そんな量子は、「0」と「1」を同時に表す「重ね合わせ」や、1つの量子の動きが離れたところにある別の量子に影響する「もつれ」といった、わたしたちの日常世界では起こらない不思議な性質をもっています。本書では、これらの性質から丁寧にひもときながら、量子コンピューターが計算を行う仕組みや、活用が期待されるビジネス領域、今後の課題などを幅広く噛み砕いて解説しています。第一人者に質問しながら深く掘り下げていく形式の本なので、知識ゼロの状態から読み始めて、全体像がつかめるのも本書の特徴です。
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Posted by ブクログ
2023年出版。「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」の著者である湊雄一郎氏を話し手、ITライターの酒井麻里子氏を聞き手とした対話形式の入門書。
対話形式のため、技術詳細は深堀しておらず、「いちばんやさしい」よりもさらに初学者向けで読みやすい。
これまでの量子コンピューターの歴史にも触れられている点が嬉しい。
「いちばんやさしい」の時点では「実用レベルのものは量子アニーリング型」だったのに、その後4年で「量子コンピューターといったらゲート型」の様になっているのに無常さを感じた。
【メモ】
p.78 量子アニーリング型に高い期待が掛けられていた時期もありましたが、特定の計算にしか使えないなど難点も多く、現状では量子ゲート型の開発を進めていく方向にあります。
p.109 実は2010年台後半には、「あと数年で量子コンピューターが実用レベルになる」と期待されていた時期がありました。しかし、当時期待されていた計算方法では想定していたような結果を出すことが出来ず、新たな方法を模索する必要が生じているのです。
p.133 量子コンピューターと従来型のコンピューターで交互に計算しなくてはならないので、結局あまりスピードが上がらないことがわかりました。
p.134 量子コンピューターだけで計算を行えるレベルに達するのは、超電導方式の場合およそ20年後といわれています。
Posted by ブクログ
量子コンピューターの基礎部分についてざっくりわかりやすく解説されている。専門的な知識も必要無いが、とりあえず基本だけ押さえておきたい人向けかも
Posted by ブクログ
分かりやすくはあるけれど、結局「そういうものと思ってください」というのが多くて消化不良。
・重ね合わせ(0と1の両方を表せること)ともつれ(初めが1だったら次も1にすることができる)が結局なぜ計算の効率化になるのかが腑に落ちなかったし、量子コンピューターで計算した答えが毎回違うということに混乱した…。
・最後の計算してみようのところで、4つの計算が一度でできるというのはわかったけれど、回転させるHは毎回裏か表か分からないなら、出てきた答えがどの組み合わせによるものかわからないのでは????
とはいえ、量子コンピューターの歴史とこれから期待されることは分かった。
AIと組み合わせて爆速でAIが発達するみたいなイメージがあったけれど、それは間違い。
材料化学計算(これもあんまりピンとこなかったが、EVのバッテリーの性能向上が期待できるらしい)や大量の経路最適化計算(自動運転)に使われることが期待される。
温暖化対策の全体最適化計算したら、量子コンピューターみたいに大量の電力を食いそうなものはやめた方がいいって出るのでは?といじわるなことを思った。