あらすじ
中村明日美子初のサイコ・サスペンス、戦慄の第1巻!謎の死を遂げた美少女「藤乃朱」。入れ替わるように、「朱」の双子の妹と名乗る少女「桜」が、作家・溝呂木の前に現れるも、彼女の正体は一切不明。二人の点をつなぐ作家・溝呂木は、盗作に手を染め深い闇に追い詰められていく。そして事件の謎を追う編集者と刑事たち。彼らの間を蠢く謎は深まるばかり--。顔のない死体とひとつの小説をめぐる、謎の物語。
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Posted by ブクログ
中村先生の絵の色気についてはもう万人が万人言及していることと思うが、えろいよう…和服小説家ちょび髭ナイスミドル!!
台詞の一言と、次の一コマの絵で、暗示的に重大な秘密を明かす。そういう描き方をするマンガが好きだ。だから市川春子を何度も読むのだ。全部明かしてくれなくていい。謎のままで終わる話、ぜんぜんオッケー。
さらに、人の情を感じたい。というと昭和歌謡だな。つまり、無機物や数式にロマンを見出す学者を素敵だと思うことはあれど、お話の構造自体とか、トリックとか、筋書きのためだけのキャラクターとかには、興奮しない。「おもしろいなー」「よくできてるなー」と思いはしても、好きにならない。
「それはあなたがしたかったことですね。先生はああいったことはなさりませんでした」
そして見下ろしたベッドの絵。
そこで初めてわかる先生とあの子の関係、立ち上がる先生という人物像、前頁に戻ってみて気づく彼女の気持ち…一気にいろいろなものが交錯する。人が、感情が浮かび上がる。それが見たくて、フィクションを読むのだ。
ぜんぜんウツボラの感想が出てこない。
たぶんまだ話の筋をちゃんとわかってない。結局どっちがどっちだったのか。でもいいや、今はもう、すべて愛ゆえに!と叫んで終わらせたい気持ち。