【感想・ネタバレ】経営組織のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

経営組織・リーダーシップ論の研究者であり、神戸大学経営学部の看板教授である著者による、経営組織論。日系文庫ということもあり、基本的な内容をわかりやすく解説することに主眼が置かれている。ちょうど、人的資源管理論~組織行動学を学んでいるところなので、その復習にぴったり。主に後者が中心だが、組織の制度設計等、人的資源管理論に関する内容も扱われている。

肝心の内容というと、組織というものの定義が非常にふわっとしていて、捉えどころがない不定形であるという認識を前提として、その多様性をいかに外部・内部環境の状況に応じて考えていくか、という視点で描かれている。
具体的な内容で引っかかったのは以下のポイント。

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・集団圧力は、その意見が1人だけの場合には強く働くが、2人に増えた途端にその効果が大きく減少するという実験結果がある。
⇒ということは、少数派であっても1人でも味方をつけることで、集団圧力を弱めることが可能。
・ミドルマネジャーの業務時間が恐ろしく断片化していることは、中長期的な問題を考える思考時間を失わせているデメリットの要因とも捉えられるし、同時に、自分の属する集団内外の人々との交流を通じたネットワーク化による思考の進化というメリットの要因にもなり得る。
・組織を政治システムとして捉える観点は「社の内ポリティクス」という言葉に結びつくイメージにもあるようマイナスとも見られがちだが、組織変革を行う際にはこの政治システムへの対応力が大きな成功要因になっている場合が多い。変革を支えるミドル・マネジャーに求められる能力の1つ。
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ところで、日系文庫は各章の扉に、その章の内容を要約してビジュアル化した図が書かれていることが多く、これが非常にわかりやすい。これ、他の本も真似したらよいと思うんだけど。

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2013年07月15日

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