【感想・ネタバレ】霜月記のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

父、草壁藤右衛門の突然の失踪により、18歳で町奉行となった総次郎。無口な父とはほとんど会話もなかったため、失踪後、どこに行ったのか、原因は何か、さっぱりわからない。途方に暮れて、かつて名判官と言われた祖父の左太夫を訪ねたが、結局は、総次郎が町奉行をやるしかあるまい、と言われ、しおしおと帰っていく。
最初から、神山藩の世界に引き込まれる。総次郎が与力の喜兵衛や陰ながら見守る祖父や幼馴染の武四郎らに助けられながら、着々と仕事をこなして次第に奉行らしく成長していく様子が描かれていて、安心して読める。
それにしても武家でも四男となると、婿入りしなければ、肩身が狭いとは。いろいろなことに縛られて生きなければならなかった武士の暮らし。自由に生きたかった武士にはストレスも大きかっただろうと気の毒になってしまった。
主役は総次郎?左太夫?二人が交互に語り手となるので、どちらも主役か。個人的には武四郎が幸せをつかめそうでよかった(^^)

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2024年04月26日

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ネタバレ

自然を取り入れて季節を感じさせ、描写もきちんと読んでいないと何をしたのかわからない、何気ない動作などはぼかす事で柔らかい文章になっているのかなぁと読み返しをしないとわからない場面もあるがそれゆえこの本と長い時間一緒に生活を共にする作者の願望??思惑の一つで美しい文章だけで終わらない、繰り返し読ませる事でまた違う風景に出会う事ができるとこの作者の本を追いかけている自分はこの本で気づく。
まだ駆け出しな作者なのでもっと心に響く、美しい描写に出会うかも、そして一生物の本が今は別の作者の本なのだが、この作者の書いた本でも出会いたい。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

神山藩シリーズ、時系列順は、
「黛家の兄弟」→「霜月記」→「高瀬庄左衛門御留書」
これはまた時系列順に再読してみたいものだと思った。
読み終えるのが惜しいと思いながらも頁を捲る手が止まらない。砂原浩太朗は良いなあ。
贅沢な読書時間に感謝。

作品紹介・あらすじ
『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』に続く、「神山藩シリーズ」最新作。名判官だった祖父・失踪した父・重責に戸惑う息子――町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描く。18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を負うことになるが、果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。~「神山藩シリーズ」とは~架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。

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2024年02月04日

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このシリーズの第一作と比較すれば、謎解きの物語としての面白さはある。また、いつものこの藩ならではの人々のたたずまい。読む愉しさは本作もある。ただ、「高瀬」の独りであることのすがすがしい強さとどうしても比較してしまうから。
 

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2023年12月23日

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神山藩シリーズ第3作。
致仕して失踪した父親の跡を継ぎ、18歳で突然町奉行となった青年の成長記……というとちょっと違う気がする。成長はするんだけれども。

では捕物帳かというとそういうわけでもない。事件は起こるし、巨悪との対決もあるのだけれども。
不器用な3代にわたる父子関係というのも違う感じ。

視点人物である祖父と孫、それぞれが実に普通の人であり、ヒーローっぽくないのだ。父親に至っては、いつまですねてんだって思ってしまうくらい。孫に協力する親友も、目立った取り柄のない平凡な若者だし。

なのに、なんだかいいんだな~

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2023年11月25日

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