あらすじ
落語専門誌「季刊落語」の編集部に配属された当初は大いに困惑した間宮緑だったが、徐々に馴染み、牧大路編集長との掛け合いも板についてきた。前座を卒業、そろそろ二つ目編集者というところか。総員二名の編集部には、なぜかしら校了前の忙しい時を狙ったように落語がらみの騒動が持ち込まれる。過去幾度も名探偵の横顔を見せてきた牧だが、平素は携帯電話の電源も入れずに寄席を回るばかり、仕事はそっちのけで全く当てにならない。そのあおりで緑のサービス残業と休日出勤は着実に増えていく。そして、山と積まれたゲラを前にした今日も……。
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Posted by ブクログ
やはりこのシリーズは短編の方が面白かった。こう書いてしまうと申し訳ないが、長い怪談話よりも「子別れ」のような人情話のほうがミステリーと合うのではないか。洟を啜り上げたのは寒いから?買いに行ったタキシードは?と続きを想像したくなるエンディング、共通するのは弟子を見る師匠の温かい目。ストーリーのスパイスになり、忘れがたい印象を残す。次の題目は何だろう。少しお休みになっているこのシリーズ、楽しみだ。そこつ長屋で一度読んでみたい。