あらすじ
算数で「平行」を習ったときから、ひとには見えない黄色いレインコートに身をつつむことになったホラウチリカ。ある日、大学の恩師から紹介された仕事は古代ローマの女神像のおしゃべり相手だった――。誰もがコミュニケーション不全を抱える世界で、有機物と無機物の境界すら越えて、わたしとヴィーナスは手に手を取り合い駆け出していく。新しい関係性の扉をひらく無敵のシスターフッド小説!!
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Posted by ブクログ
芦田愛菜さんで映画化してほしい。
博物館で休館日にヴィーナスの話し相手のアルバイトをする、ただし会話はラテン語で。というちょっと不思議なお話。
最初のうちは少し読みづらく感じたけれど、少しずつ世界に引き込まれて最後はホッとできる、そんなお話だった。
主人公の、人との関わり合いを避けがちな不器用さだったり、休みの日はYouTubeのライブカメラを見ているのが好き、という部分に共感していた分、ヴィーナスと出会って、勇気を出してインナーカラーを入れたり背筋を伸ばして歩くようになったあたりの主人公の多幸感が伝わってきて、自分まで変われそうな気持ちになった。
自分は何色のどんなものを纏っているのか、トウマに聞いてみたくなったし、ゆくゆくはセリコさんみたいな正体不明の大家さんになりたいし、アテナのモーニングルーティンすごく興味ある。
Posted by ブクログ
新しいアルバイトの場所は美術館、仕事内容は話し相手、アルトよりの声を持つ女神の彫像の。
落ち着いた美術館で彫像とお話ができるなんて夢のまた夢、を味わうことができて本当に楽しかったです。著者さんは本作が二作目ということですが「すごい人が出てきた」というのが率直な感想です。
不自由さを身に纏っているのは自分だけ、それに合わせて生きているし生きていくと思っていた女の子たち。彼女たちの友情と愛情ができるかぎり続きますように。
#休館日の彼女たち #NetGalleyJP
Posted by ブクログ
表現が詩的だからか、表現は美しいのだけど、ストーリーが掴みにくかった。
週に一度、古代ラテン語が話せるアフロディーテの彫刻の相手になるバイトというほんのりSF設定(他の方の感想読むと、マジックリアリズムというのか…)なので、逆にその文体が丁度いいのかもしれないけど。
なので私にとってはあまり響かず、雰囲気を楽しむだけに留まってしまった感覚は拭えない。
人とのコミュニケーションが苦手な主人公が、その気持ちを強めると、レインコートが厚くなったり鬱陶しくなるのだというのは感じ。それがテーマな訳でもなさそうだし、かといって他にこれといった主軸が分からなかったので、ハマらなかったかな。