あらすじ
35歳、デザイナーの麻由美は都内に新築マンションを3800万円で購入する。ローンの繰り上げ返済のためにルームメイトを募り、添乗員・乃理子との同居生活がスタートした。しかし、お互いに「秘密」を抱えているために、ぎくしゃくしはじめる2人の関係。ある日乃理子が部屋に呼び入れた女性が、2人の生活を崩壊へと向かわせた――。嫉妬、虚栄心、独占欲……。女性心理の名手が紡ぎ出す、渾身のホラー・サスペンス。
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Posted by ブクログ
久しぶりの読書。先が気になって二日で読み切ってしまった。
女の怖さという部分は少し物足りなかったけど、すれ違いが悲しくはあった。あと虫とか気持ち悪い描写がいい意味で気持ち悪くて、顔をゆがめながら読んでしまった。気持ち悪かった。
Posted by ブクログ
出先での時間潰しに軽く読めるものとおもって選んだ一冊。
読みやすくて先が気になるから一気に読んじゃった。
これは二人の30代独身女性が同額の家賃で新築マンションをルームシェアするお話。
麻由美さんはこのマンションをじぶんが買ったことを内緒にして、ローンの半分を負担させるルームメイトを探す。
乃理子さんは不倫してた相手の妻を自殺に追いやった秘密をかかえて、ひとりぐらしをやめてルームシェアという暮らし方を選択する。
それぞれが利己的な隠し事をかかえての同居は、やっぱりいろいろとうまくいかなくなって破綻していく、ってストーリーなんだけど。
どっちの女性もなーんか魅力なくて、どっちかに感情移入することもできなくて。
でも、いろいろふたりの関係がギクシャクしてく過程の心理描写はうまくて、なんとなくずるずる読み進めちゃって、途中のホームレス女性の登場あたりからはホラーっぽい怖さがじわじわ。
いちばん怖いのはやっぱりお化けとか死んだ人より生きてるニンゲンだよねー。
だから、冷蔵庫の怨念より、見知らぬ女性に勝手にマンションのシャワーを使われたことのほうがわたしは怖かった。
このふたりのルームシェアは、暮らしの負担を均等に分けあうっていうシェアじゃなくて、実際はじぶんが負いたくないものを相手に負わせてじぶんがラクになりたいって目的だから、つまりは相手からの搾取にすぎないんだよね。
それでどっちの女性にも共感や感情移入が出来なくて、いろいろトラブルが出てきた展開でも、ふたりに対して「どっちもどっちだよねー」って冷めたきぶんになって、彼女たちのハッピーエンドへの期待がなかなか持てないのがちょっと残念だった気がする。
いちばんギモンにおもったのは、一生オトコなんていらない、ひとりでいい、っておもってじぶんひとり用のマイホームを買ったのに、なーんでそのマイホームでさいしょから赤の他人と一緒に暮らすこと考えるのかなー、って麻由美さんの心理。
折角長期ローンで買ったマンションで、少しもひとりぐらしを楽しまないまま繰り上げ返済のためにルームシェアなんてするなら、やっすいシェアハウス暮らしでもしてお金をたーくさん貯めてから買えばよかったのに。
そしたらじぶんで買ったマンションはさいしょからじぶんひとりのもの。
他人に入り込まれて暮らしを崩壊させられることもない、のにね。
それかダブルワークでもしてじぶんの稼ぎを増やして、マイホームでひとりぐらし楽しんだほうがしあわせじゃんー。
わざわざ他人というストレスを持ち込むようなルームシェアを、なぜ買ったばかりのマイホームでやるのか、その動機にわたしはさいしょから納得が出来なかった。
でも映画にしたらおもしろそうなストーリーだったから、ドラマか映画にならないかなー。
初版が平成15年の本だけど。