【感想・ネタバレ】アリス Alice in the right hemisphereのレビュー

あらすじ

九五年八月、東晃大学医学部の研究棟、通称「瞭命館」で六〇名を超す人間が同時に意識障害を起こす惨事が起こった。しかし、懸命の調査にもかかわらず、事故原因は掴めないままとなった。それから七年――。国立脳科学研究センターに核シェルター級の厳重警戒施設が建造されていた。そこは比室アリスという少女を監視・隔離するためのものだった。世界を簡単に崩壊させる彼女のサヴァン能力とは一体!? 前人未到のスケールで、最先端の脳科学の未来を紐解いた傑作長編。

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Posted by ブクログ

古書購入。

 ホラーというよりSF。現代。サヴァン能力と異次元。
 読んでいて、つい「夢の樹が接げたなら」を思い出してしまった。
 眠り続けさせられた比室アリス。十四歳の少女。7年前、六十人以上を精神障害に叩き落し、二人しかまともな生活に戻ってこれなかったという、惨事を引き起こした化け物。
 彼女が笑い、歌うとき、世界は滅び去る。
 通常世界が1次元と表される時、アリスが表現する世界は9.7次元。
 理解しきれない高次元の言語を押し付けられた者は、「わたし」や「世界」を見失ってしまう。
 ある日、アリスは起きだして、笑い、そしてSと呼ばれる現象を引き起こす。
 それは歌うこと。ただそれだけ。無限に増えつづける虹色の蝶。
 完全防音の巨大ドームから手違いから外へと運び出されたアリスは、夏休み中の住宅地に解き放たれてしまう。

 読みやすいけれど、わかりにくい(笑)
 でも好きだな、この話。
 アリスを閉じ込めておいた権藤という責任者は、かなり良い人。こういう話で、文部省の手先だったりすると、必ず嫌な人だったりするのだが。
 そう。嫌な奴、っていうのが出てこなかった。だから読みやすかったのかも。

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2011年05月28日

Posted by ブクログ

99年2月、千葉にある「潜在能力研究所」で「右脳開発セミナー」参加者に集団的な意識障害が発生する。現場に送られた、近くの総合病院の研修医・三國は、患者たちの症状を側頭葉癇癪と診断するが……。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

たしかにホラーなのだろうが、理解するのに必死で恐怖感がまったく伝わらなかった。私の頭が悪いだけかも。『9.7フラクタル次元で無限にアゲハ蝶を捕まえる』ん?『逐次処理を行わず法則性を一瞬で見抜いて一気に畳み込む』んん?一つ一つの単語の意味は解らんでもないが(いや、やっぱり解らん)、文章として(さらに)理解できない。しかしながら、理屈っぽい話が大好きな私は、訳が判らないまでも、面白いと感じてしまった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

15/02/20
期待してなかったけど面白かった。
難しい話とファンタジー。今まで考えたことない見方、捉え方に触れられて刺激的だった。

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2015年02月20日

Posted by ブクログ

95年8月、東晃大学医学部の研究棟、通称「瞭命館」で60名を超す人間が同時に意識障害を起こす惨事か起こった。しかし、懸命の調査にもかかわらず、事故の原因は掴めないままそれから7年。国立脳科学研究センターに核シェルター級の施設が建造されていた。そこはアリスという少女を監視・隔離するためのものだった。世界を簡単に崩壊させる彼女のサヴァン能力とは…。

青色サヴァンの誰かもビックリな能力を、脳科学の見地から紐解く壮大なスケールで描く。

アリスの持つ『世界をフラクタル次元で一括処理する能力』の意味とは一体。

後は読んでください。
これはかなり面白い。

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2010年12月08日

Posted by ブクログ

医学用語が多くて用語の意味が分からず読んでいる部分もあって難しかった。それでも、引き込まれてしまうくらいに面白かった。アリスの世界、大人は全く理解が出来ず死んでまったり混沌の世界から戻って来れないなか、子供は対応しアリスの能力を吸収してしまうという辺りに小さい子を持つ親として引き込まれてしまいました
子供ってすごい能力を秘めてますよね・・・。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

世界を笑顔ひとつで簡単に壊滅させてしまう能力を持った少女「アリス」(なんてやつだ!!)を巡って大人達が大慌て。

科学用語やらが出てくるので読後はちょっと頭良くなったような気がする作品。

全然ホラーっぽくない。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

久しぶりに中井さんのを読み直しました。彼の文章は、好き嫌いが分かれると思います。が、僕は大好きです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

角川ホラー文庫から出てるけどこりゃホラーじゃないよなあ(笑)。
でも話は面白いです。アリスという少女が開く全く異なる次元の世界。
目の前に広がる『世界』は同じなのに、それを『認識』する手法が違うと全く別のものになってしまうという不思議さ。
ちなみに電車の中で読んでいたらあまりにも疲れていてすごい睡魔に襲われ、読む側から文章が零れ落ちていくのに、思わず「ああっこれがアリスの異次元!?」とか思ったり(笑)。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

とにかく 何がなんだかわからない。
読んでいる最中も 読み終えた後も どことも知れぬ空間に裸で放り出されたような頼りなさ 心細さ のようなものに捕らえられ続けている。
それがすべて たった一人の生きているのかどうかさえも定かではない少女によって引き起こされたことなのだ。

文庫の要約の一部を__

――95年8月、東晃大学医学部の研究棟、通称「瞭命館」で60名を超す人間が
――同時に意識障害を起こす惨事が起こった。
――しかし、懸命の調査にもかかわらず、事故原因はつかめないままとなった。
――それから7年――。

比室アリス。それがその少女の名である。
脳の左半球が萎縮した少女。
その萎縮の影響で重篤な精神発達遅滞に陥った少女。
何も「観察」しない少女。
世界を「無視」した少女。
にもかかわらず、突発的に人を惹きつけて離さない異常な「笑顔」を放つ少女。

彼女は 【9.7次元を舞う無限の蝶を捕まえる】 という この世界に生きていると思い込んでいる我々には到底理解し得ない世界観を持っているのだ。

一生懸命理解しようとすればするほど 理解から遠のいていく気分に陥る。
理解できなくてもいい。言葉を使って互いに理解し合えるという幻想に囚われたまま この世界に生きていられるなら 私にはそれでいい。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

夏の角川ホラーまつりはじめるよ。ということで、ハズレっぽいタイトルと表紙のを取り上げてみたら…あれ、結構まともだ。

東晃大病院で、医師看護師など68名が死亡または意識混濁し、そのまま回復しなかった事件の中心にいた少女アリス。事件の原因とされ、周囲を危険に陥れるため、房総半島に隔離されていたが、7年の年月を経て覚醒し、それを目にした職員が次々に倒れていく…。

ありがちなパニックSFではあるだけど、それなりに背景の積み上げを頑張って、原因不明で逃げたりしないのは評価できる。例えば以前の事件で効かなかった、または復活した人の脳の問題や、新たな犠牲者のうちで聞く人、効かない人の理由付けなどがされているのは、角川ホラー作品でも珍しい。

ただまあ、9Hz(低すぎない?)で癲癇が起こるから、抗てんかん剤で、とか、右脳左脳など、一応設定したが突っ込まれどころもたくさんある。

で、まあ、いい作品かと言われるとそうでもないわけで、理由の1つは作者の頭の中で作り上げたけど、読者まで伝わっていないメカニズムであろう。9.7次元というちょっと中途半端で想像のつかない世界観を、目で見るのか口から発される(9.7次元を表現する)言葉を聞くことで、その世界に取り込まれてしまって現世を失ってしまうのだが、9.7次元がフラクタルで成り立っているとか、そこにあるものが、モンシロチョウという陳腐なものであるとか、いろいろと疑問が生じる。また、見た目なのか音なのか、それらが次元を超えることによって、遮蔽された空間に届くのかなどなど、設定したは良いけれども、わからないものをわからないまま書いたというところは、読んでいて辛い。

また、人物の設定にも少なからず無理があり、結局誰を中心に読めばよいのかわからないのも辛い。

結局の所、本題が2/3程度で終わってしまい、最後の1/3は本間という、主人公違うんかい?という男を使っての作者の世界観の自問自答、あるいは言い訳がダラダラと続く。世界観の設定と人物の設定がうまく行っていなかったというところではないのか。

単純に、二次災害が起こったまま収束のほうが良かったのだろう。

美少女と千葉の片田舎で、「とあるところの大事件」というスケールの小ささや、出てくる人間が目の前の事件のこと以外はほとんど語れない、世界観の広がらなさが、海外SFと比べてしまって、これが日本SFのだめなとこなんだよなあと思ってしまう部分なのだろう。

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2018年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中井拓志氏の作品の中で最もパッとしないもの、というのが個人的な評価なのだが、他の方々の評価が総じて高めで少々驚いている。

サヴァン、フラクタル、てんかん、脳科学 (ただしこれには少々疑問符) といったトピックを混ぜ、幾何学的な世界観 (暗喩でもなんでもなく、本当に幾何学的!) を描いたという点で、極めてユニークな一作。虹色の光景、世界観を失った人々の描写などは妙にリアリティーがあった。

また「子供は化物」(少々表現が乱暴だが…) というのが一つのテーマだったのだと思うが、これは前作「クォータームーン」と共通して著者が表現したかったことなのかもしれないと感じた。

しかし物語の展開の起伏が少なく、登場人物の魅力もいまいちだったのが残念。結局、事件の前後で何か変わったのかといえば、ほとんど何も変わっていない気がするのだが…。

また後半の脳科学的 (?) 説明は蛇足かなと。もっともらしく理論武装するよりは、適当に流して書いたほうが良い気がする (適度にオカルト要素を混ぜて、フィクションとしての面白さに昇華させる鈴木光司みたいなアプローチの方が私は好きだ)。

ところで読んでいて大友克洋の「AKIRA」を思い出したのは私だけですかね。

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2014年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世界を崩壊に導く「サヴァン能力」を持ったアリス、彼女がかかわっていると思われる60人死亡の事件、そして彼女を隔離している厳重な装備の建物と研究組織。
色々緊迫感あふれる設定が、現代にうまくマッチしています。

なんだか難しい話かと思いましたが、意外とスラスラ読めました。
思ってたより、怖くはなかったです。
スケールは大きいのですが、少し現実味に欠けたからでしょうか。

事件の日数的には短いのですが、結構分厚い文庫ですし、描写や事例が事細かに書かれていて、想像するのがすごく容易でした。
文章もやや固めですが硬すぎず、場面転換もいいころあいであって、電車で読むのに困りませんでした。

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2012年05月16日

Posted by ブクログ

アリスという一人の少女を巡る物語。幽霊の出てこない科学的ホラー小説です。脳科学に基づく難しい言葉や概念がたくさん出てきますが、理解できないという程ではなく、心地よい程度の小難しさを感じながら読めました。自分が7歳のとき、そして14歳のときは、何を感じて生きていたであろうか・・・それがもううまく思い出せません。

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2010年07月09日

Posted by ブクログ

実はまだ読み終わっていません。
でも読み応えがあってなかなか面白いです。
評価は読み終えたあと、変更すると思います。

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2009年10月04日

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