あらすじ
借金で浜名湖に入水しようとしていた浅井久平は、同じく自殺を図る不思議な子どもヒカリと出会った。ヒカリは最先端科学センターから逃げ出してきた天才だという。半信半疑ながらも一緒に逃避行を始めた久平。一方、内閣官房から指令を受けた警察はヒカリの捜索を開始。だが、ヒカリはネットを駆使して逆にみずから誘拐を装い、100億円を要求した。果たしてヒカリたちは現金を奪取し、偽装誘拐を完遂できるのか?
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「お前はいい子だよ。天才だとか遺伝子がどうのとか、そんなの関係なく、かわいい、いい子だ。」
星屑のダンスをするシーンがとても印象的で好き。久平とヒカリの関係性がいい。
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ドラマを見てから、読んでみたかった。印象が変わるといやだなと思いながら読みましたが、良かったです。もっと感情を揺さぶられるようなお話が好きな方には、物足りないと思うが、私にはちょうど良かった。
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ストーリーとしてはちょっと強引な感はあるものの、ヒカリと久平の逃亡、クセのある登場人物や身代金受け取りのプロセス、非常に面白く読めました。藤十郎と義男の車での脱走劇はニコニコしながら読めました。もう少し長編でプロセスが細かいともっとよかったです。
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既にドラマ化されて内容は知っていても、十分楽しんで読めました!
ある特別な研究所から逃げ出した少女。彼女は超天才児。彼女自身が誘拐事件を作り出し、まんまと出し抜く発想の面白さ!!面白く楽しいミステリーでした。
誰かが死んだり、ネガティブな空気感が多くなりがちなミステリーに、こういった雰囲気のミステリーはすごくいいと思う。
そしてこの天才児ヒカリが時々語る宇宙論も面白いです。
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借金で自殺に追い込まれたおっさんと、同じく入水自殺をしようとしていた子供。
2人のふれあい、お互いの足りない部分を補うように近付いていく心情の変化がよかったです。
ただ、主人公のおじさんの方は家族がいるので、そのあたりももう少し描かれても良かったかも。
子供とか家族をもっと思い出したり、出したりしないと、いい人っていうなら不自然だし、ここまで不器用なら、天涯孤独みたいな設定のほうがあっていたような気もします。
誘拐ミステリーの肝である身代金の受け渡し方法などは、すごくよく練られていて、ワクワクするというか、面白かった。
もう少しあの部分を広げてもよかったかもしれません。
登場人物はみんないい人っぽかった。一人悪役っぽい人がいて、もっと悪っぽくてもよかったかな。。。という気もしないでもないけど。
ダークな部分、政治やお金をめぐるドロドロ感があまり出ていない。
子供でも読めそうな、性善説をベースにした感じの仕上がりで、でも読後感がほんわかするので、それもいいかなと思います。
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ミステリーだけど、借金で自殺を考えていた40代のおじさんと天才すぎて孤独な子供の二人の心の交流に重点をおいたハートフルな物語。
あまりミステリー部分は詳しくはなかったけど、発想は十分面白かったし何より悪人らしい悪人がいなくて救われる明るさが後味もよくしてます。
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浜松が舞台ということで、買ってみました。
天才少女ヒカリと偶然出会った久平の、偽装誘拐事件。
身代金の要求の仕方や、最後、身代金の受け渡しの場面は、
意表をついていて面白かったです。
天才ヒカリの宇宙の話は、正直半分も理解できないけど、
地球も人間も、星が爆発して出来たゴミで出来ている。だから、宇宙も人間も海も月もみんなゴミで、みんな規則的に動いてる。。。だから、僕たちもゴミのような存在だけど、踊ろう~(ちょっと違ったかなぁ)僕ら星屑のダンス・・・楽しければいい。みたいなダンスのシーン、ずごく好きでした。
そして、日々の自分の悩みもちっぽけだな~って思うことが出来て、いいタイミングでこの本に出会えたなって思いました。
読んで良かったです。
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weサービスを使った現代的な誘拐のトリック、危うさが可愛いヒカリのキャラクターはお気に入り。
ただしあとがきの選評にもあったように、善人しか出てこないストーリーはちょっと残念。
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文体爽やかな
心が温かくなるミステリと言いましょうか…
ミステリ小説としては
少し緩い気もするけれど
読み終えた時の気分は
かなり爽快、でした。
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品川で買って新幹線の中で読んで帰ってきた一冊。
評価通り、突っ込みどころはあったけど
私はすごく好き。
可愛かったし、あったかくなったし!
擬似親子万歳!
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ジャケ買い。
宇宙規模でみれば地球も人間もただの星屑のカス。
世界に絶望した天才少女と
人生に絶望したダメ人間が出会い、
話してるうちに利害一致→同意のうえ誘拐→
逃避行の過程で少しずつ心を通わせて成長していく話。
最後きれいにまとまる感じがいい。
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第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作。
月明かりの夜、借金を苦に入水自殺を図ろうとしていた浅井久平の前に、同じことをしようとする小さな影があった。ヒカリと名乗るその少年(のちに少女だと判明)は、言葉遣いも考え方も知能指数も他の子どもとは大きく異なるようだった。なんとか自殺をやめさせたい久平は、「自分も自殺を諦めるからお前も諦めろ」と約束。そして、最先端科学センターから逃げてきたというヒカリは、久平の自殺したくなる原因を解決するため、自らを誘拐したことにして10億の身代金を要求する計画を提案する。
天才的な頭脳を持って産まれてながらも、自分の価値が見いだせず、何のために生きているのか何のために生まれてきたのかを悩み続けるわずか10歳のヒカリ。それをほおっておけない久平らとのやりとりは優しく、そして誘拐計画は規模が大きく突飛。オークションを使っての身代金要求はどう動いていくのかわくわくしたが、ヒカリが元気を取り戻す星屑ダンスの描写がそこまで響いてこなかったため、自分はこの本の良さ堪能できていない気がしてならない。巻末の選評ではみんな、そこを褒めてるんだけどなぁ。
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誘拐を扱った傑作ミステリ、天藤真氏の「大誘拐」にも似た読後感。爽快だ。恐らく、ヒカリの心の開放と久平との擬似親子の描写が丁寧だったからでしょう。
けど、その分、生み出された天才少年・少女が自分のアイデンティティに悩む展開は、手垢がつき過ぎていて面白みを感じられなかった。
そろそろ明晰な頭脳で自分のアイデンティティにも回答を見出す、天才を読んでみたいかも。
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地元、浜松が舞台だったのでリアルに楽しめるかと思ったけれど、中途半端に情景が浮かんで入り込めなかった(*_*)
物語は、優しい話。天才児のヒカリ。人生のアウトサイダーな人たち。
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こういうハートウォーミング系の物語はとても好きです。
ストーリー展開が重要なんじゃなくて、ヒカリという天才児と主人公の心の動きが一番大事だというのはわかるんです。でもなぁ・・・選評にもあるように、突っ込みどころが多すぎるというか、とにかく都合よく展開しすぎ。そういう部分のひっかかりに、物語世界に没頭するのを妨げられてしまったのがつくづく残念。いろんな立場のいろんな人がいるけれど、結局はみんな「いい人(悪くない人)」ですし。
「多すぎる身代金」の扱いの部分はとても楽しく読めました。基本、あったかくって元気をくれる系の楽しい物語だと思います。ドラマがどんな風に作られているのかわからないけれど、映像で見せるのには良い物語であると思う。
が、スルーできなかった引っかかりは、唯さんです。この人、ヒカリの周囲にいた中で、一番「普通の感覚」の人のように描かれているけれど、ヒカリがいなくなる前は、彼女のことをどう思って日々過ごしてきたのでしょう? なんにも考えてなかったんじゃ?と思えてしまってなりません。
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借金で浜名湖に入水しようとしていた浅井久平は、同じく自殺を図る不思議な子どもヒカリと出会った。ヒカリは最先端科学センターから逃げ出してきた天才だという。半身半疑ながらも一緒に逃避行を始めた久平。一方、内閣官房から指令を受けた警察はヒカリの捜索を開始。だが、ヒカリはネットを駆使して逆にみずから誘拐を装い、100億円を要求した。果たしてヒカリたちは現金を奪取し、偽装誘拐を完遂できるのか?第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作。
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地元出身の作家の作品で、かつ内容も地元色たっぷりのようだったので購入してみた。
なるほどご当地小説だった。
馴染み深い地名や施設が出てくるたび、非常に具体的に風景を思い浮かべられるなどいうことは、東京などよく現代小説の舞台になる大都市圏とは違って田舎で暮らす人間には滅多にない経験なので、嬉しかった。
内容については、人質の価値を最大限に利用した身代金の金額設定や受け取りの方法がユニークであったが、全体的にぱっとしなかった。
スリルが足りないとか行動範囲が狭すぎるとかいうのではないが、とにかくぱっとしいのだ。
せっかくのご当地小説なので、もっと面白い作品だったらよかったのにと、残念に思う。
ご当地なので評価は甘く星3つ。
今後の活躍に期待したい。