あらすじ
反芻者続出の話題作。待望の単行本化!
大ボリューム本編212Pに加え特別描き下ろし16Pを収録。
「このえり巻
先に特攻で逝った人から貰ったんです」
1945年3月、徳島。
報道の為、特攻隊の写真を撮影に来ていたカメラマンの淀野は、田中志津摩一飛曹の朗らかな笑顔に惹かれながらも、彼の運命を思い、うしろめたさを覚えてしまう。
ある晩。
不意に淀野のもとを訪れた志津摩。
話し込むうちに、レンズ越しには見えなかった深淵が――。(『田中志津摩一飛曹編』)
時は第二次世界大戦末期。苛烈な争いのなか、國の為、自らの命を武器に闘うべく募られた特別部隊。“神風特別攻撃隊”――……。
焦燥、憧憬、苦慮、希望、そして慕情。
生命の灯が揺らぐ日常で、魂をぶつけあう漢たちの秘められた夜6編に加え、
特別描き下ろしを1編収録。
濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、劣情の上巻。
感情タグBEST3
最高
最高だった…切なくも、すごく良い作品。じめっとする展開の話もある。読み応えもあって買って良かったとすごく感じる作品だった。上だけでも読めて完結してるのでぜひぜひ読んで欲しい!ほんとうに最高だったーーーーー!!!
この方の他の作品もすごく心に響く言葉が多くて大好きですが、BL漫画になっても心に刺さる部分が多くてすごく良かったです。他ではあまり読めないようなお話でした。
SNSのおすすめから
SNSのおすすめで流れていて、気になったので試し読み。そこからさらに気になって即購入しました。オムニバス形式になっているのですが、どのエピソードも読みごたえがあります。何度も読み返すほどお気に入りの1冊になりました。下巻も待ち遠しいです。
Posted by ブクログ
最初は絵があまり好みじゃないと思ったのですが、試し読みしてみたら、よくあるBLとは違った味わい深いものを感じて惹きつけられました。
美化しすぎない、生々しい人間くささが、本人たちや周りのほんの少ししか知らない儚くて切ないロマンスはあったんだろうなと思わせる。もう胸がギュッとなりしゃくりあげて泣いてしまった。
先に特攻していった愛しい人に天国で会えたねで綺麗に終わらず、そのあとに八木が実は生き残ってて子供もいて、というのがリアル感があった。一見、結婚し子供もいて今は穏やかに暮らしてる生き残り特攻兵にこういう過去があった。八木が助かっていたとは知らずに八木からもらった襟巻をして特攻していった志津摩。志津摩のことを聞いて泣く八木がたまらなかった。戦争とともに消えたもの、自分の胸の内にのみ残る大切なもの。
濃厚なシーンもありBLではあるのですが、恋愛もの、人間模様を描いた作品だと感じました。(BLのレーベルではないですもんね)
志津摩の性志向は家族にばれてて頭おかしい扱いされて自虐的になっているのも胸が痛んだ。
八木は志津摩の遺族に会いにいくのでしょうか。淀野は?
橋内と塚本の方の話も良かったです。触れ合えた短かったけど(しかも貴重な時間なのに懲罰房に入れられるし)その分、濃密だった。隣の後家さんに鍛えられてたのが功を奏したというのがまたリアル感あり、コメディちっくでおもしろかった。
最初は苦手だと感じてた絵柄も可愛く感じてきて好きになってました。
いずれしても、まだこの作品しか読んだことのない作者さんですが、下巻も素晴らしいものだろうなという確信させる力のある方だと思いました。
Posted by ブクログ
露骨な性描写が不謹慎なのかなぁ。それを抜きにしたら戦時下、特攻隊の青年の生活の息づかいなど普通の人間としての彼らを感じとれる良作。作者さんのコメントで彼らに一秒でも気持ちいい経験をみたいなこと書かれていてその具現化したのが2話目のカプって。切なくなった。
続きもぜひ手に取りたい
Posted by ブクログ
舞台が戦中の日本、特攻隊に選ばれる若き青年たちが交わる話、そんなので収まりがつかないです!確かにセックスはします。BLだと言われれば否定はできない。けど考えてみてほしい!同性愛という愛が実らない、認められない世界で病気だと言われた青年を、これから死ぬと言われた人の葛藤を、男がつらい性暴力を、耐えられますか?
僕はこの話を読んで今の時代、特に多様性(LGBT)が認められつつあるこの時代は決して当たり前でないことがわかると思います。不謹慎だなんだと思われるなら読んでほしい。少なくとも僕はそんな彼らを性的な目で見ることはできなかった。もちろんフィクションですよ、だからこそ表現の自由があっていいじゃないですか!この本が読めること、書けること、今この時代に感謝したい。そんな強い思いがこの作品には込められているのではないかと思います。
匿名
たまらん
たまらん。こんな神作品があるから生きるのをやめられない。読むと不思議な気持ちになれる作品です。うれしいような悲しいような、でもこの終わり方が正しいと思わせられるような作品。命をかけて生きる男たちの心の機微は私にはわからないけどきっと幸せだったんだろうなと思いたい。ハァ〜〜〜尊い。
Posted by ブクログ
雨瀬シオリ先生のBLー!
電子で途中まで待ていたけどやっぱり紙で見たくて待ってましたー!
読みにくいっちゃ読みにくいけどぐっとくるよね〜
不謹慎
とも言われていたみたいだけどあとがきにある
「しんどい事を送る彼らに1分でも気持ちいい事を…」と書いてあって腑に落ちた。
嫌悪感なく最後まで読んであげて欲しい。
素晴らしい作品です
独特の絵柄と雰囲気に読むのを躊躇してました。早く読めばよかったと後悔、とても素晴らしい作品でした。
作中に出て来る人がみんな魅力的で、情熱的でした。戦時中だから余計にでしょうか。。
特攻隊の話なので、胸がグッとくるシーンがいくつもあります。そして何度も読み返してしまいます。
下巻がとても楽しみです。
Posted by ブクログ
正直に言うと絵柄がすごく読みづらくて
最初戸惑っていたのだけど
これは間違いなく読んで良かった作品。
オムニバス形式で
1話目の前談が4、5、6話。
3話目が独立したお話。
そして描き下ろしが1話目のその後。
すごく重厚感があって読後もズシンと
胸が重くなるような感覚だったのだけど、
ラストに作者のコメント
"一見、人でなしの所業に思えるこんな内容の漫画を
描いた理由はただひとつ。
しんどい事の多い生活を送る彼らに
1分でも1秒でもいい「気持ちいい」と思って貰いたかった。"
このコメントを読んでさらにズシンときた。
言葉がうまく出てこないもどかしい苦しさ。
面白いとか感動したとかそういう感情が
私には当てはまらなくて
どんな言葉にしたらよいのかはまだわからないんだけど
とにかくこの作品に出会えて良かったなと思う。