【感想・ネタバレ】ミチクサ先生(上)のレビュー

あらすじ

ミチクサが多いほうが、人生は面白い!
てっぺんには裏から登ったって、足を滑らせたっていい。あちこちぶつかったほうが道は拓ける。
夏目家の「恥かきっ子」金之助は生まれてすぐに里子に出されたり、年老いた父親にガラクタ扱いされながらも、
道楽者の祖父の影響で子供ながらに寄席や芝居小屋に入り浸る。学校では異例の飛び級で頭角をあらわし、
心のおもむくままにミチクサをして学校を転々とするように。その才能に気付いた兄に英語を仕込まれ、
東京大学予備門に一番で合格した金之助は、そこで生涯の友となる正岡子規と運命の出会いを果たす。

伊集院静がずっと共鳴し、いつか書きたかった夏目“漱石”金之助の青春。

日経新聞の人気連載小説を書籍化し、「日曜日の初耳学」はじめ朝日新聞や「週刊現代」各紙誌で取り上げられ
「ラジオ深夜便」「大竹まことゴールデンラジオ」でも話題になった注目作が文庫化。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

昨年亡くなられた伊集院静さんの作品。「大人の流儀」シリーズなど、彼のエッセイは多く読んだが、小説は久しぶり(名作「乳房」以来か?)。

夏目漱石の生涯を描いた作品。近代日本を代表する大秀才であることは言うまでもないが、本作で描かれる漱石は、人間に対して優しく、人生に対して真摯である。親友、正岡子規との友情を中心に描かれた青年時代に多くの紙幅が割かれている。漱石の人生において、子規との日々が精神的にも、仕事の面でも、ものすごく大切なものだったのだなと。「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」などの大名作が執筆された背景を読むと、あらためて読み返したくなる。

人間、漱石に出会える素晴らしい作品です。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

登場人物が、生き生きと描かれ人間模様がとても面白かった。夏目漱石と正岡子規が親友であったこと、高浜虚子、河東碧梧桐、森鴎外、寺田寅彦など、著名な人物との関わりなど、知らないこと多くびっくりだった。

夏目の兄の言葉が心に響いた。
「一冊の本を読むことは、舟で海に漕ぎ出すようなもの  一頁一頁をめくるのは舟の櫓を漕ぐようなもので、疲れたり、行き先が見えなくなる時もあるが、やがて今まで見たことのないような素晴らしい眺めが、世界があらわれる」

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

ノボさんとの関係がすごく良い。
学問をする、という事に凄く真剣で、これを高校生の時に読んだりしたら、思わず「私なんて大学に行く資格ない」って思ってしまっただろうな…

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2023年08月06日

Posted by ブクログ




夏目漱石の生い立ちてきなやーつ!
読みながら結構地味だなーとか思ってます(失礼)

有名だけど詳しいことは全然知らない世間知らずなので色々知れて面白いです。
時代背景も知れて物知りになった気分。

正岡子規とか高浜虚子などなど有名人たくさん登場!!!!

月が綺麗ですね。のくだりとか
俳句の奥ゆかしさとかなんだか心が温まります。

下巻もまったり読み進めます!

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2025年05月10日

Posted by ブクログ

夏目漱石の生涯。断片的に知っていたことが繋がる。恵まれない幼少期。一高、大学での友人との交流。
なかでも、正岡子規との出会いは奇跡のよう。
鏡子とのやりとりも微笑ましい。
それにしても、漱石が執筆し出すのは、相当遅かったのだなあ。

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2024年06月30日

Posted by ブクログ

夏目金之助と正岡子規の出逢いとその後の関係は、我々が思いもつかないような、深く鋭い関係であった。作者の伊集院さんの話づくりは素晴らしい。読みやすい、素敵な、作品です。

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2023年11月11日

Posted by ブクログ

新聞に連載されていた時から、まとめて読みたいと思っていたところ、文庫本が出たので夏休みに読んだ。

夏目漱石と正岡子規。学生時代に育まれた友情は、長く影響を与えるものなのだ。そして、時代に仕事を残す人は、見合う他人を惹きつけるものなのだと思う。11年の作家生活の中で一作一作新境地を切り開いた夏目の畏友こそが正岡であった。

また、夫人の入水を、よくあること、と揺るがない女中とくにも驚く一方、最後に抱き留めたのは夏目だった。そして入水せざるを得ない感受性を持った夫人が、夏目を教師から作家へと後押ししていく。

伊集院さんが正岡子規を描いた「ノボさん」という作品もあるので読んでみようと思う。伊予の松山を訪れてもみたいし、蕪村も読んでみたい。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

文豪金之助(漱石)と子規との友情物語。
まるで筆者の伊集院静が漱石とラップ
するように思えたのは私だけか。

漱石も筆者も肉親や友を亡くし、それで
も時と共に悲しみを癒し、後世に伝わる作品を残してゆく。
松山、伊予を旅してみたいと思った一冊だ。

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2023年08月24日

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