【感想・ネタバレ】記憶書店 殺人者を待つ空間のレビュー

あらすじ

残忍な男によって、目の前で妻と娘の命を奪われたユ・ミョンウ。犯人は捕まらず、未解決のまま15年を迎えた。犯人が古書に異常な執着を持っていることを見抜いたユ・ミョンウは、犯人をおびき出すために古書だけを扱う〈記憶書店〉を開店した。そこに現れた4人の怪しい客。「この中に犯人がいる」と確信し、調査をはじめるが……。
家族を失った怒れる男のかつてない復讐劇が、いま始まる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

古書愛好家による殺人、復讐劇ということで、耽美なサイコサスペンスみたいな感じかなと思いきや、意外にも耽美さとか風情は皆無のイケイケドンドンな作風で、個人的には結構ツボでした。

クライマックスの決闘シーンin古書店では、もはや主人公が殺人鬼のヤバさをやすやすと凌駕しており唖然。

リモコン操作で書架やら床やらを動かしまくり、仕掛け満載の迷路に殺人鬼をおびき寄せる!(それって大体悪役側がすることじゃない。。。?)
この迷路がなかなかにチャーミング…というか古書店の風情とかはガン無視な仕様になっているのがすばらしい。釘まみれの床コーナーにはじまり、四方八方から飛んでくる木槌やナイフ、動物用の罠、感電する突起物、有刺鉄線製の網といった非常に原始的な代物が続々と登場。
殺人鬼は「ゆけ!ゆけ!川口浩!」みたいなノリとテンションで、こうした罠と格闘しながら古書店をズンズン進んでいき血まみれに。そして、その様子を嬉しそうに眺める主人公…。

ラストは、なななんと、2トンの塩酸が登場!あわれ、殺人鬼は溶けて排水溝へと流れていきましたとさ。というビックリドッキリな結末には、不思議と爽快な気分に。

描写力とか整合性とか緻密さとかさぁ、そういう細かいことはおかまいなしでいいじゃん!というタイプの読書を楽しめました。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

海外でもアジア圏だからか読みやすい。違和感のない文章に比喩も気にならない。15年かけて犯人に復讐する準備をした教授は犯人と思しき人物の特定をし、疑いのあるyoutubeに犯人特定するための尾行をお願いする。そこから教授ではなくyoutubeの尾行録となる。
どんでん返しを読むのが初だと驚きもあるが読み慣れてくると感動はなくなってしまう。
YouTubeが犯人と思しき人は児童虐待と殺人愉快犯、いずれも法を犯している人で同時に逮捕されてしまう。

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2023年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・ミステリーのなかでも、謎解きというよりはスリラー要素が強い
・韓国文化に関心があり読んだ。

■韓国っぽさを感じたところ
・冒頭から、「女性安心帰宅サービス」。日本で検索するとALSOK=企業のサービスが一番上にヒットする。日本の夜道の方が安全!とまでは言えないが、公的サービスが求められるレベルなんだな。
・「半地下」。日本なら、珍しい物件だね〜倉庫があってイイネ〜とポジティブな捉え方をされるのではないかしら。映画『パラサイト』でもあったように、韓国だと狭くて暗い、怪しさの象徴なんだなあ
・「脱北傭兵」。日本の小説では、公安だのFBIだのの方が頻出のような。
それ以外は日本に置き換えても読めそう。「水原ならまあ今からでも行けるか…」「ソウル言葉」などのキーワードに対して解像度が上がったら、もう少し楽しめたかしら。

■みんなこわすぎる
(そもそも自分は、「怒ってる人」が苦手なので、登場人物が怒っているだけで描写以上のこわさを受け取る節があります)
・ハンターがオンナをころすシーン、こわすぎる。肉屋用の機器…?踵を切って血を抜く…?なに…?
・15年前の事件、こわすぎる。いらいらして他人に当たる教授も、妻と娘をころすハンターも、みんなこわすぎる。
・ハンター父、屋根裏おじさん、こわすぎる。
・アッパとその子どもの不穏な空気、子どもによる追跡、YouTuberに煽られて衆目のなか手をあげるアッパ、こわすぎる。
・傭兵探偵チームの暗躍、釘撒菱、有刺鉄線の雨、硫酸シャワー、こわすぎる。
予約客の中から、教授が候補を絞り込んだ時点で、アッパ以外の人々がどう怪しいのか あまりピンときていなかった。教授にしか分からない、歩き方や眼光にハンターっぽさがあったようだが、これだけの情報から、(あくまで一般文化人の教授が、)どうやって犯人を特定するんだ?…と思っていた。そんな解決方法とは。やはりお金isパワーなのか。
・最終的に探偵チームは、木工職人(悪人)とハンター(悪人)とDVアッパ(悪人)を始末して、「正義」かのように幕引きとなるが、やってることはハンターと変わらないよなあ。

■ハンター
・ハンターが、オンナをころすときは冷静に監視カメラの死角を選んで歩けるのに、教授に対しては感情を抑えられず無防備に姿を曝してしまうというのも、オンナはただゲームの装置で、人間だと思っていないんだな〜と深読みしてしまった。
作者がその点を意図して書いたのか、単に事件への執着心を表現したつもりかは不明です。教授が「自分より弱い者を〜」と言っているので前者も含まれているのかな?
・地下迷宮に飛び込むハンター、あまりにも幼稚で オンナをころしていたひとと同一人物とは思えない。教授が常に一枚上手で、痛快どころか哀しくなってしまった。
こんなやつが15年も逃げおおせるなんて信じ難い。
・YouTuber一人称の描写は、結局どこまで真実なんだろう?木工職人のくだりが偽装だとすると、特に気になる。

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2023年09月03日

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