あらすじ
植物と話せる少女の冒険ミステリー!
<野いばら村>の端の小屋で、4年前までオーラは母と二人で住んでいた。オーラの母は植物と話す才能を持ち、植物から薬を作り、病気やケガの人たちを献身的に助けてきた。ところが、村のお屋敷の主がある病気にかかり、その病を治せなかったことで母とオーラは孤立してしまう。結局、母もその病気で亡くなり、オーラは村人に対して心を閉ざして暮らしていた。
そしていま、謎の病気が流行しはじめ、オーラの村にも迫ってくる。オーラは、お母さんの誇りを取りもどし、大好きな庭と愛馬を守るため、母の残した手帳を手がかりに、治療薬を探す旅に出ることに・・・・・・。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
書店で手にとって開いてみると、かわいい絵地図が見開きでどーんと目に入ってきて、これは絶対によい本だと思った。わたしのなかで、このような地図が描かれている本はまちがいなくおもしろいという思い込みがある。そして、やはりその思い込みは正しかった。章ごとに植物の素朴で美しい装画とメモを楽しめるのもよいし、装丁も素敵だ。カバーをはずせば、数々の草花が描かれている。
内容は、帯にあるとおり植物と話せる少女(と仲間たち)が壊れた世界を立て直すために旅に出る冒険ファンタジー。ドキドキもハラハラもできるし、少年少女たちの成長に胸が熱くもなる。ちなみに、わたしは終盤ボロボロ泣きながら読みました。
また、海外の児童文学ながら、物語の世界にスッと入り込めたのは、訳者である井上里さんの文章がとても心地よいことが大きい。思わず他の作品を探し、読みたい本のリストに入れてしまった。おもしろそうな本がたくさんあってわくわくしている。
本当は少しずつ読もうと思っていたのに、ページをめくる手を止められなかった。大好きな作品のひとつとして、これからもときどき本棚から取り出して読み返したいと思う。
Posted by ブクログ
オーラの他人に対する態度に腹立たしさを感じ他人を寄せ付けない態度の原因がわかると同情と共に自分は自分勝手な考えで他人を拒否しているし、オーラと性格が似ているので受け付けなかったのかと気づく。このまま大人になると私みたいになってしまうよ。と言いたいぐらいにオーラの行動が気になりそしてついつい諭したくなりながら読む。オーラの変わっていく姿に長編で細部まで変化を描いてほしかった気もするが児童書だから翻訳がすらすら読める事に気づきこのぐらいの長さだからオーラと共に戦えたのだろう。