あらすじ
天才詩人の心の葛藤を読み解く画期的評伝
《みんなちがつて、みんないい》のフレーズで知られる「私と小鳥と鈴と」、東日本大震災で傷ついた日本人の心を癒した「こだまでせうか」……。512篇の詩を遺し、26歳で自らの命を絶った金子みすゞ。今もなお愛され続ける数々の詩の裏には、壮絶な心の葛藤があった。
かつて、ドキュメンタリー番組「こころの王国~童謡詩人・金子みすゞの世界」を手掛けた演出家が、当時謎として残された史実や、調査しきれなかった事実などを、もう一度徹底的に探り、父親の死に関する新事実などを発見。そして当時の習慣や複雑な家族構成など、童謡に詠われた背景を中心に調査することによって金子みすゞという夭折の天才詩人を読み解いていった画期的なノンフィクション。
天衣無縫に見える金子みすゞの童謡が、なぜに悲しみに包まれていて、人の心を打つのか。3冊の手帳に残された512編の童謡を、テーマ別に分けることによって、金子みすゞが表現したかったもの、それは西方浄土への憧れなのだが、見事に浮き彫りにしている。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
震災後にCMでよく流れていた「こだまでしょうか?いいえ誰でも」の詩人の生涯を追っかけたものです。
前に詩集を読んで、その感性というか世界観にとても感銘を受けてました。その詩人が若くして自殺したということで、どんな人生だったんだろうと気になってました。
作者はNHKで過去に同じテーマで番組を作成した人で、いくつかの疑念を持たれて再度足跡を調べまとめあげたのがこの作品になります。
あまりこういった本は読んだことがなかったんですけど、よく調べてるし、それだけでなく断片的な情報からよくまとめあげたなぁと感心しました。
いくつかの詩はこの本を読むことで解釈が大きく変わりました。これが真実を書いてあるのかは分かりませんが、ひとつの視点として彼女を知ることができ、興味のあるかたは一読の価値があると思います。