あらすじ
生きながらにして臓器を摘出された死体が発見された。東弘樹警部補らは懸命に捜査にあたるが、二ヶ月が経っても被害者の身元さえ割れずにいた。一方、陣内陽一の店「エポ」に奇妙な客が集団で訪れた。緊張感漂う店内で、歌舞伎町封鎖事件を起こした「新世界秩序」について一人の女が話し始める。「いろいろな誤解が、あったと思うんです」――。各所で続出する不気味な事件。そして「歌舞伎町セブン」に、かつてない危機が迫る……。
シリーズ累計300万部突破!〈ジウ〉サーガ、待望の最新長篇。
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Posted by ブクログ
紐解き始めると、頁を繰る手が停められなくなってしまった。「続き?!」と気になってドンドンと読み進めた。本作は作者のよく知られているシリーズである「<ジウ>サーガ」の一作である。現在時点での最新作だ。『ジウI』で2人のヒロインと東警部補が初登場して以来、明確に「<ジウ>サーガ」の位置付けとなっている作品は10作目である。それが題名の「X」ということなのであろう。
視点人物が適宜切り替わりながら、スピーディーに展開する映像コンテンツのような雰囲気で物語が進む。狂気を帯びたかのような思惑が、残酷に形にされようというような様子で、何か憑かれるかのように作中世界に引き込まれる。
本作は「警察の側」と「街の“裏”の側」と舞台が動きながら、大きな波濤のように展開する物語であると思う。警察官が恐ろしい犯罪事件の真相に迫って問題を解決するというような物語というのとも少し違う。逆に“裏”の側の者は、何やら暗躍しているという感ではあるが、と言って「100%の悪事」ということでもなく、「許し難い極悪」を何とか誅するというような様子である。こういう両者の一部が「一寸、知り合っていて、面識が在る者達も見受けられる」という様子だが、その背後に密かに蠢く巨悪のようなモノの脅威、恐怖が在って、示唆されるそれらと闘う様が描かれる感であると思う。
本作の最初では、助教として勤める場所が決まった大学院生が交際相手の女性にプロポーズをした夕べに異変が起こったこと、連立与党の代表である大物議員が或る議員との面談に出てみればその秘書が現れて妙な話しになったというような、後からの展開に繋がる出来事が描かれる。
そして実質的な物語の冒頭に入って行く。
東警部補は、発生した事件の捜査本部に参加して活動を続けていた。取組んでいる事件は「殺人と見受けられる状況」ではあるが、詳しいことが判明していないという事件だ。
公園に設置された公衆トイレで女性が発見された。死亡していたのだが、身体の一部が切られていた。調べると、麻酔等を施した痕跡も無い状態で、恐らく生きたまま、外科医等の専門家ということでもない者が家庭で使う調理器具の類のような刃物で臓器の一部を切り取るようなことをしていた。そういう状態で、女性が遺棄されていたのだった。
死亡した女性が何者なのか、その身元を知るということで事件発覚直後から捜査員達が走り回っていて、既に2ヶ月にもなろうとしていたが、依然として女性の身元は不明であった。
他方、歌舞伎町では小さなバーを営む陣内が、色々と因縁の在る女性である土屋に用事を頼まれ、仲間のジロウに土屋の用事を足すことを依頼した。
こうして物語は起こる。難航していた東達の捜査は、小さな切っ掛けから被害女性の身元が判明して少し動き始める。陣内がジロウに頼んだ一件は、何か奇妙な展開になって行く。そして陣内の店にも妙な連中が現れるというような出来事も在った。そういうような展開から眼が離せない。
「<ジウ>サーガ」の最初の3部作では「新世界秩序」なる概念を説こうとする者が現れ、新宿歌舞伎町で騒乱を起こしており、騒乱を起こした者達の代表と目される者が「NWO」(New World Order)なるグループ名を名乗った。3部作の事件でこの「NWO」(New World Order)なるグループは消えたと思われている。が、実は「NWO」(New World Order)なるグループの最高指導部や様々な構成員は健在で、「<ジウ>サーガ」の各作品でその存在が示唆され続けている。そして蠢く「NWO」(New World Order)なるグループは、本作で「牙を剥く」という感でもある。何やら「恐ろしい…」ということを「当然であろう!」というようにやってしまう、酷く不気味な存在であるように思った。
「そして如何なる?」というのを少し含むような最終盤で、「続き」も登場しそうな感じだと思う。と言うより「続き」を「待ちたい!」というようにも感じた。
なかなかに愉しめた長篇だった。御薦めしたい。
Posted by ブクログ
歌舞伎町セブンと新世界秩序が再び絡み合ってくる最高に面白いジウシリーズ。テーマが日本の外交政策とも関係してくる大きな展開は、そこまでいくのかという驚きもあるけど、ノンストップで流れる展開に気持ちよく身を委ねられる。セブンのメンバーもこれからどうなるのか、まだまだ続いて欲しい。
Posted by ブクログ
えーと、次回作はいつですか?
待って、待って、ようやく読んだのに
一気読みで終わってしまった。
ジウから歌舞伎町セブンと
ずっと追いかけてきた自分にとって
ジウと門倉とか、名前が出るだけで
きゃーーとかうぉーーとか。
こんな読み方してたっけ?自分は?
というくらい大好きな本です。
内容は…ちょっと話が大きくなってきたけど
許す。なんでも許す笑
なのでずーっと続けてください、誉田先生。
またみんなに会えるのを楽しみしてます。
続きが早く読みたい!
最後まで一気に読み切ってしまいました。
新メンバーは誰になるのか、ジロウは*を失ってどうなるのか、NWO、CATとの対決はジウ同様、3部作位の長編になることを期待します!
Posted by ブクログ
ジウシリーズ 歌舞伎町セブンシリーズ
痛い場面は顔を顰めたくなるけどやっぱりこのシリーズは
面白い。
主義主張が強いところは気になるけど陣内さんやミサキなど歌舞伎町セブンの躍動はわくわくする。
東さんは仲間に加わるのかな。
Posted by ブクログ
『ジウ』『歌舞伎町セブン』の続きー。
以下、メモ。
「新世界秩序」の実行部隊CATが登場。
経団連やら日本学術会議やらで「脱中国」宣言。
中国共産党幹部の息子が行方不明。
ジロウは目をつぶされ、ミサキ(基子)ジロウの目になる宣言。
ジンさん、色気あるイケオジ公式認定。好き。
東さーん頑張ってー!思わず応援したくなる。終わり方切なッ。
このシリーズ、ずっとよんでるけど、どこに向かってくんだろう?
いつ誰が死んじゃうか分かんない怖さがあってやだ。緊張する。もちろん、そこが面白いんだけども。
Posted by ブクログ
久しぶりのジウ。人的構成をなんとなく思い出しながら。今回は特に政治的色が濃かったですかねー。なんか暗〜い気分になってきました。スキッと感も少ないかなぁ。東さんも弱気になってきて。この先、どうなることやら。。。とは言いつつ、やっぱ一気読みの一冊でした。
Posted by ブクログ
面白かった。ジウサーガ10作目。
NWOが本格的暴れまわってかなりスリリングだった。またまたサクッと読めて、誉田哲也作品最高だな〜。少し政治要素強いかな。
Posted by ブクログ
いやー面白かった。
グロくて容赦なくて不穏な空気が漂う中で、ひさびさにNWOががっつり登場。
新たにでてきたCATと呼ばれるNWOの実行部隊と歌舞伎町セブンとの抗争。
そこからラストの東の孤独と切なさ。
次作も絶対に読む。
気になった点としては少し話を広げすぎちゃったんじゃないかと。NWOのトップだと思ってたミヤジが下っ端みたいな言い方されてて、今さらそれはないでしょと。
あと、姫川玲子シリーズもジウシリーズもそうだけど、最近の本は著者の思想をモロにだしてて、それに対して反抗心などはないんだけれど、ちょっと突き抜けすぎじゃないかとは、やっぱり思った。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだジウサーガシリーズは
これまでのおさらいのような
もうこんなに経ったのねと
感慨深いような、
いつも通りあっという間に読んでしまった。
ネタバレになるから書かないけど
ここにきて東さん…!
信念が揺らぐとは…!
陣内&セブンと交わる未来が
近いのではと期待高まる…!
次作が楽しみすぎる!!!!
Posted by ブクログ
ジウサーガシリーズ。歌舞伎町セブンのメンバーとNWO構成員が激突。まだ始まったばかりで何も終わっていないのに、終わりにさせられる。何が正しくて、何が間違っているのか…主義主張とは。
Posted by ブクログ
歌舞伎町セブンシリーズ
登場人物が多いが
スピード感があり、読みやすかった
いつもそうだが 殺人やリンチ場面がリアリティーがあり恐ろしい
今回は中国問題で かなりスケールが大きい
歌舞伎町とのギャップが面白い
Posted by ブクログ
グロテスクな描写は毎度のことながら思わず気持ち悪くなるほど… それなのに先が気になって読まずにはいられない 一気読みしました
優しさと物悲しさと、いつも同時に心に浮かぶ本シリーズ この先も読みたい
Posted by ブクログ
感想
歌舞伎町封鎖事件から11年がすぎて門倉美咲も40前後と聞いて小説でもそんなに時間が流れたのかと思うとびっくりする。
日本の弱腰外交もここまで無理矢理しないと治らないのかもしれないが、やり方がちょっと怖い。
あらすじ
新世界秩序が再び動き出した。渋谷管内で子宮が摘出された死体が見つかった。東警部補は遺体の身元を追うべく捜査する。新世界秩序は、中国資本を日本から追い出すべく、経団連、日本学術会議、政府とあらゆる要人を脅して、目には目をの相互関連法案を通そうと躍起になる。
歌舞伎町セブンのメンバーも中国要人の息子を預かったことで事件に巻き込まれて、NWOと戦闘になる。
Posted by ブクログ
ジウをお題に持ってくることもあり、久々にグロさ満載。の割には、なんだかカタルシスに欠ける展開は続編ありきとも考えられるからか。テーマはよくよく考えさせられるものであり、今後の日本外交の在り方を真正面から捉えたもの。
Posted by ブクログ
全編に蔓延る残虐さヘヴィさに疲労感が半端ないが、何よりイチオシキャラの東刑事の孤独と虚しさと無力感が想定外で切ない。これは今後の新たな展開への大いなる振りなのか? 続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
ジウシリーズは、ハズレがないというのが率直な感想です。本作も楽しませてもらいました。
裏切り、絆、歴史など大枠のキーワードがありますが、それぞれがどう向き合い折り合いをつけるのか、犯行の背景にあるメッセージ、そこの背景や肉付けがうまく描写されていると思います。
Posted by ブクログ
ジウ続編が読みたくて、改めてジウI〜Ⅲを読み返して準備(笑)
今回の続編は歌舞伎町ワールドを全て盛り込んだお腹一杯の作品でした。冒頭からグロさ満点で、展開が早く、とてもじゃないけど、追いつけないwww
もう上下左右に振られっぱなし^^;
生きたまま、麻酔なしで臓器が摘出された死体から始まる…杜撰なようにみえて、被害者の身元すら掴めない状態が数ヶ月…
どこで交わるのか、見えない中、突然の訪問が。
この集団は、何が目的なのか?分からない…
些細な仕事が、大きなウネリの入り口だったことは、あとから知ることに。
この続きを早く読みたい(笑)
生きながらにして臓器を摘出された死体が発見された。東弘樹警部補らは懸命に捜査にあたるが、二ヶ月が経っても被害者の身元さえ割れずにいた。一方、陣内陽一の店「エポ」に奇妙な客が集団で訪れた。緊張感漂う店内で、歌舞伎町封鎖事件を起こした「新世界秩序」について一人の女が話し始める。「いろいろな誤解が、あったと思うんです」――。各所で続出する不気味な事件。そして「歌舞伎町セブン」に、かつてない危機が迫る……。
Posted by ブクログ
作者の思想がもろに作品に出てる。
特亜が大キライなんだろうな。
急な幕切れとなって、実行グループのその後や少年の安否などは解らない。
最後の歩道橋のシーンも思わせぶりで、続編は必ずあると思わせる終わり方だったと思う。
相変わらずのグロいシーンで、被害者がただの生贄だったのがちょっとなぁ…