あらすじ
「その昔この広い北海道は,私たちの先祖の自由の天地でありました」.一〇〇年前,一人のアイヌの少女がこの一文から始まる一冊の本を残した.一度は忘れ去られた知里幸恵はなぜ復活し,アイヌの魂の象徴的存在となったのか.『神謡集』ノートや日記など未公開や新資料をもとに,「生の限りを書かねばならぬ」との誓いに殉じたその生涯を描く.
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Posted by ブクログ
「アイヌ神謡集」で知られる知里幸恵の短い生涯、アイヌ民族としての葛藤とユカラを文字で残そうとする格闘、アイヌ神謡集誕生までの経緯をさまざまな資料等を活用して、描き出す好著です。
我が家にはギリシャ神話などの本とともに、書棚に岩波文庫版の「アイヌ神謡集」があります。1984年第7刷なので、思春期のころに手にしたはず。
序文を一読して大きな衝撃を受け、最初のシマフクロウの神のユカラを読み始めて、いわば虜になったのを思い出します。以来、アイヌ民族、アイヌ語、アイヌ文化、アイヌ民族に対する日本政府の対応の歴史、法制の変遷に関心を寄せ続けてきました。本書を手にして、ふたたび、さまざまな勉強をしていこうと決意した次第です。
Posted by ブクログ
「アイヌ神謡集」を著した知里幸恵の評伝。新しい本だけに、最新の情報や研究成果が追加されている。例えば、2010年に開館した「知里幸恵 銀のしずく記念館」が生まれるまでの物語。1970年代の再評価から始まり、生誕百年を機会に一気に盛り上がり、全国の幸恵ファンが協力してお金を出し合って開館に至る感動のストーリーだ。知里幸恵は今も多くの人の心の中に生きている、そう思わせる著作である。
Posted by ブクログ
100分de名著に合わせて読みました。
(出版社紹介文より引用)→「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました」。一〇〇年前、一人のアイヌの少女がこの一文から始まる一冊の本を残した。一度は忘れ去られた知里幸恵はなぜ復活し、アイヌの魂の象徴的存在となったのか。『神謡集』ノートや日記など未公開や新資料をもとに、「生の限りを書かねばならぬ」との誓いに殉じたその生涯を描く。
Posted by ブクログ
タイトルと装丁に心惹かれ購入。
アイヌにはずっと興味があって、文化という言葉に包括される様々な想い、信仰、生活、儀式、歌、手から作り出されるもの達。
これまで、とっつきにくい本が多かったけれど、この本は、知里幸恵さんに焦点を絞っていて、入り込みやすい。
和人によるアイヌへの陵辱には、日本人として申し訳ない気持ちでいっぱいになる。そんな身で、アイヌに興味を持つことにも、何か罪悪感を覚えてしまう。
幸恵さんによるアイヌ神謡集だけでなく、日記や生活、人との関わりに関する内容も多い。幸恵さんをもっと知りたく、誇り高きアイヌをもっと知りたくなる。
アイヌ文化交流センター、そしてウポポイに行こう。
Posted by ブクログ
表紙がとても美しくて購入。
アイヌで語り継がれてきた神々と人間の歌を『アイヌ神謡集』という本にした一人のアイヌの少女について、こういう人でこういう人生で周囲の人達によるとこのときはこうで……と、人生を手探りで辿ってくような本。
意外とおもしろい。興味深い。と感じたのは私がアイヌについて神秘的な部族だなくらいの認識しか持っておらず、歴史的な背景を本書で初めて知ったことによるものと思われる。
アイヌについて全く知らない人も、読んでみてほしい本。