あらすじ
幕末~明治初期、初めて「洋食」に出会ったサムライたち。「ボートル(バター)塗りつけ、油ばかり」、それでも開国のため、ひたすら我慢して食べ、挙句の果ては「いかなる事の報いか。神仏に祈るほかなかりけり」……。日本人と洋食との邂逅がこれほど劇的だったとは! 読み出したら止まらない面白歴史エッセイ!
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Posted by ブクログ
酒に酔ってペリーに抱きついたり、洋食に戸惑う侍たちの様子が純粋に面白かった。
当時は西洋諸国が日本に高圧的な態度をとっていたと勝手に思い込んでいたが、多額の負担で「おもてなし」をしていたことにイメージが改められた。
福沢諭吉を始めとした渡航日記から、どういう思いで幕末の歴史が刻まれていったかが目に浮かんでくる。
幕府が西洋諸国に対して弱腰な外交を続けた結果、倒幕・尊王攘夷の思想が強まっていくが、確かにこの体験をしたら弱腰外交にならざるを得ないかもしれない。
読み物として純粋に面白いし、当時の様子がより鮮明に頭に浮かぶようになる良書でした。
Posted by ブクログ
幕末に海外に渡った使節団の洋食苦節紀行です(笑)
醤油が切れた時の嘆きようが・・^m^
あと使節団と留学組が外国で再会とかのエピソードもあって
会津の横山主税と山川大蔵が再会してるのにテンションUPしました(笑)
Posted by ブクログ
ほかの国では食物は十分にあります。ところがここには美味しいものは何もないのです。いくら食べたいと思っても肉体を満足させるものは全然ありません。ここに住んでいる人々は決して鳥を殺して食べたりせず、常食は野菜と米で、小麦も、魚も、リンゴも、その他の果物も、ここでは全て贅沢品になっています。
��「ザビエルの見た日本」ピーター・ミルワード(著)/松本たま(訳)
あくまでも粗食を貫く私達の祖先のソウルが、そこには描かれているような気がします。
キリシタン弾圧と鎖国に至った理由は、キリスト教が日本を席巻することを恐れたからではなく、宣教師達を始めとする西洋人達の飽くなき「肉好き」に恐怖を感じたからかも…
※↑は、あくまでも私の私見です
とは言っても公平を期すために…
近江の牛や薩摩の豚が今でも一大ブランドになっているのは、その当時からそれらの食肉が流通しているからかもしれません。
それに…
「鹿は害獣なだけで肉も食えん…」と言う方がいらっしゃるのであれば、鹿や猪肉が密かに薬と称されて珍重されていた時代を振り返ってみるのも、貴方御自身を成人病から守るためにも効果的ではないかと思ったりもしますデス。
…
閑話休題
本書は、饗宴の献立やその感想を淡々と記すだけでしたが、何故かそれが非常に小気味良く感じられました。
また「支倉常長がマイ箸を持ち歩いた最初の日本人かもしれない」とか、どうしてもバター臭い料理に馴染めずに鰹節で凌いだエピソードなども随所にあり楽しめます。
ただ欲を言えば、慣れない洋食やテーブルマナーに悪戦苦闘した模様や珍事をもっと知りたかったのですが、まぁ元々見栄っ張りな私達なので、そういった体験を日記に残す人はそう多くなかったのでしょうね