あらすじ
犯罪者として警察に追われる放蕩息子の身を案じ、別れた妻の家を訪れた男が見たものは睡眠薬の小瓶、大型の電気鋸、そして二つの大きなダンボール箱。一体なにが起こったのか、そしてあの箱の中身は……表題作『箱の中』。亡くなった女性のことをふと思い出し、なにげなく彼女の兄の店を訪ねると、彼女はいま裏の二階にいるという……『死んだ女』ほか、日常生活にひそむ“超日常”を綴ったホラー小説全十篇。秘密の箱のふたを、あなたもそっと開けてみて下さい。
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Posted by ブクログ
解説にもあるが、ミステリー好きからすると「箱-筺-匣」(はこ)というと開けずにはいられないような衝動があると思う。
この10編の短編集は全てが小さな箱のようなもので、一つ、また一つと開けていくのが辞められなくなる(次から次へと読まずにいられなくなる)ものでした。
物凄く怖い-理解が難しいというものはなく、どちらかというと世にも奇妙な物語のように「雰囲気ホラー」なイメージを受けました。
だからこそ、自分が主人公になったかのように、作品の世界に入り込んでいけたと思う。
ガツンと読み応えのあるものではないが、頭の片隅にいつまでも残る。そんな印象を受けた。