あらすじ
カリスマだけに頼らない!
組織としての優秀企業の強みを徹底解剖
園芸用品→ペット用品→家電→コメ→マスク→法人ビジネスと次々と新分野に参入し、成功してきたアイリスオーヤマ。
その成長は大山健太郎氏の経営力に負うところが大きいのは確かだが、実動部隊としての組織/会社の強みが語られることはほとんどなかった。
本書では「人事の力」「共有の力」「地方の力」「失敗の力」「変化の力」の5つの視点から、経営の秘密を立体的に描き出す。
◎5つの力とは
1 人事の力……人材を多面的に評価し、力を引き出す人事制度
2 共有の力……部門を超えた全社での情報共有の仕組み
3 地方の力……東日本大震災でさらに強くなった、地域密着の力
4 失敗の力……失敗を恐れず実行し、他社に先駆けて不具合を改善
5 変化の力……常に新しいジャンルに挑戦し続けるチャレンジ精神
◎本書の主な内容
・業績や実績だけで社員を評価してはいけない
・評価結果は社内の順位で知らせる
・昇進は「追い越し車線」もある3車線で
・「アイリスグループ内のSNS」の効能
・アイリスの意思決定「4つの速さ」の仕組みとは?
・ユーザーと顧客は違う
・商品開発は「映画スタイル」
・管理職の「情報の独占」を防ぐ
・東日本大震災の教訓を生かす
・震災が家電参入のきっかけに
・「被災者特別枠」で人材を採用
・人材育成道場で若手経営者を育てる
・他社製品を使い倒し、100個の不満を挙げる
・消費者の意表を突く「なるほど」家電
・アイリスの社内会議で話されていること
・引き算の商品開発
・なぜ、次々業態を拡大するのか
・成長の理由は「運」ではない ほか
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Posted by ブクログ
【目次】
第1章 人事の力(「運」を排除する評価の仕組み、原点は石油危機 ほか)
第2章 共有の力(「一人ひとりがジャーナリストに」、開発スピードよりジャッジスピード ほか)
第3章 地方の力(東日本大震災という転換点、震災が変えた会社の姿 ほか)
第4章 失敗の力(リスクなくしてリターンなし、他社製品の失敗も生かす ほか)
第5章 変化の力(法人ビジネス企業の顔、「一歩一歩」の流れ ほか)
【メモ】※生成AIによる要約
1. 人事の力
・360度評価や論文・プレゼンテーションを通じて社員を多面的に評価
・運や配属による偏りを排除し、真の実力を見極める仕組みを構築
2. 共有の力
・社内SNSや日報、週次の社長プレゼンなどを活用
・情報の透明性とスピード感ある意思決定を実現
・部門間の壁を越えた連携が強み
3. 地方の力
・本社を宮城県に置き、地域密着型の経営を展開
・東日本大震災を契機に、被災地との結びつきや「被災者特別枠」の採用など
・地方の力を企業の成長に活かす
4. 失敗の力
・他社製品を徹底的に使い倒し、100個の不満点を洗い出す
・失敗や不満を次の製品開発に活かす姿勢を徹底
5. 変化の力
・園芸用品から家電、マスク、法人向けビジネスまで、常に新しい分野に挑戦
・変化を恐れず、ピンチをチャンスに変える柔軟性が企業の成長を支える
【感想】
本書は、日経新聞の編集者がアイリスオーヤマへの取材を経て書かれたもの。アイリスオーヤマという企業がどのようにして多角的な事業展開と急成長を実現してきたのかを、「5つの力」という視点でまとめている。取材のため、アイリスオーヤマの深層にまで入り込めているわけではないと思うが、組織としての強さと仕組みの力に焦点を当てていて、興味深く読むことができた。会長本人が書かれた本があれば、ぜひ読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
いまをときめくアイリスオーヤマを取り上げその強さの秘密に迫る。
社長との距離の近さ、毎週社長向けのプレゼン、社長からのメッセージが定期的に配信されること、日々新しいもの、改善を求めて考えることが毎週のプレゼンなどを通じて仕組み化されていて、強い理由がわかる。事業が失敗しても悪い評価はつかないといい、それよりむしろ改善もせずにのほほんと過ごす方が評価は低くなる。
とはいえ、中にいる社員はそれなりにしんどいと思われ、ついていけない人もいるだろう。
ただ、強い会社でいるためには必要な仕組みだろうから、多くの企業にとって参考にはなるだろう。