あらすじ
私はその頃、アルバイトの帰りなど、よく古本屋に寄った。そして、漠然と目についた本を手にとって時間を過ごした。ある時は背表紙だけを眺めながら、三十分、一時間と立ち尽した。そういう時、私は題名を読むよりは、むしろ、変色した紙や色あせた文字、手ずれやしみ、あるいはその本の持つ陰影といったもの、を見ていたのだった。(本文より)憂鬱ななかにも若々しい1960年代の大学の青春を描いた、この時代を象徴する歴史的青春小説。第51回芥川賞受賞作。
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Posted by ブクログ
1970年代は老い易い時代だった やぁ!21世紀の子供たち 君たちの時代はどうだい? いつの時代も困難から抜け出すのは、さぞかし大儀なことだろう
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学生運動の時代の大学生を描いた小説。学生運動への興味から読んでみた。芥川賞受賞作だったし。登場人物たちになーんとなくシンパシーを感じたりして。私やっぱ感覚古いのかな。
Posted by ブクログ
青春という言葉が堂々とまかり通って、そこを通る以上は自己にも他者にも闘わなければならなかった時代。私はその時代になかったけれども、ではそこにいて闘うことができたのだろうか。闘えた彼等と、ただ時間ばかりが無尽蔵にあって空虚な今の時代と果たしてどちらが幸せなのだろう。私がこれを読んだのは高校時代だっただろうか。その時もう私は挫折感を覚えた。あまりにも弱い自分を感じた。
Posted by ブクログ
時代感じることは否めないが、バイブルとなり得る要素を大いに秘めた作品。捉え方次第。若者におすすめの書。歳を重ねた今、過去の自分に投影できる部分もあり熱くなった。空虚の国では生者と死者との関係はないのである。そこでは生者は死物のように生き、死んで本当に死物になる。そしてそれをできるだけ目覚めさせないですむように粧われた静謐な場を日常的に仮構しようとするのだ。果たして自分はどうだろうか。
Posted by ブクログ
映画で見たいなーなんて思って読んでいたら、映画化もしていたみたい。是非見てみたいのだけれど、DVDでは出ていないっぽい?
【目次】
されどわれらが日々――
序章
第一の章
第二の章
第三の章
第四の章
第五の章
第六の章
終章
ロクタル管の話
解説 野崎守英
本文庫版のテキストについて