あらすじ
「ソニーが本格派のカメラだって?
電機屋さんにそんなものがつくれるの?」
縮小が続くデジタルカメラの市場で唯一伸びている、レンズ交換式カメラ「ミラーレス一眼」。ソニーは2013年に「α7」シリーズを投入し、当時圧倒的に性能差があったキヤノン、ニコンの「デジタル一眼レフ」に「電機屋のカメラ」と嘲られながら戦いを挑んだ。そして5年後、ソニーはレンズ交換式カメラで世界シェアトップを達成、高付加価値路線への「ものづくり」の転換を果たす。
この「ソニーの逆襲」のシナリオ「アルファ・ナンバーワン・プロジェクト」を書いたのが、元・ソニーグループ副会長の石塚茂樹氏(23年3月末退職)。
石塚氏はソニーのデジカメ「サイバーショット」の草創期からこの分野を担当し、開発の現場、マーケティング、役員として経営資源のミラーレス集中投入決断と、成長・挫折・逆襲のすべてを見てきた。
90年代の懐かしいガジェットとしての数々のコンパクトデジカメの裏話から、ソニーの製品開発の内幕、コニカミノルタとの統合の秘話、そして「逆境で粘り、仕事を面白くする工夫」まで、これまで語られなかったソニーのデジカメを巡るインサイド・ストーリーを、石塚さんへの超ロングインタビュー形式でお送りします。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今やソニーのミラーレスはブランド力もあって人気だが、こんなにも苦しい時期があったのかと思い知った。鳴かず飛ばすの時期も色々あったけどどれも無駄ではなく、全て今に繋がっているのだと感じた。また石塚さんの『自分の強みを自覚するために、修羅場経験と異動の経験はすべき』という言葉が身に沁みた。
Posted by ブクログ
ミノルタのα7000を使っていた身からすると、ソニーのαは常に気になる存在であった。ミノルタも偉大なカメラメーカーだったが常にキヤノンとニコンの双璧に食い込むことはかなわなかった。それがソニーに継承されてついに…。これらの商品の裏にこんな刺激的な人がいたとは。
Posted by ブクログ
「こだわり・わりきり・おもいきり」
P1 2000年 単独ナンバーワン
メモリースティック採用、1.5インチLCDで背の低い横長 バッテリー問題
U10「スシ」 2002年
ハワイのビーチでも撮れるカメラ 後に防水モデル
T1 2003年
カシオのEXILIMを意識 専任の開発部隊 部品の60%新規デバイス社内開発
ズームレンズ OVFの代わりに2.5インチLCD 三脚ネジ穴は割り切り
本格派カメラへ
NEX 2010年 困ったときは王道へ ど真ん中のヒットモデルを
αに集中 2013年 5年でトップを目指す
写真を撮るための王道を歩む 正統派の見た目
逆転の準備が整うまでは謙虚に
無理をするうちに工場側も設計側も技術が進み、性能が良くて歩留まりも上がる
レンズの品ぞろえ フルサイズセンサー用
ZAF 像面位相差AFセンサー+裏面照射CMOSセンサー
スポーツ写真カメラマンに随行「カスタマーマーケティング」
α7Ⅲ 2018年 シェア拡大
「デジタルならではのカメラ」より「写真を撮る」広さと深さのほうが全然大きい
写真文化の継続発展
決定的瞬間 空間を切り取る一瞬のためのもの
カメラを作る人が写真を好きになる