あらすじ
人はまちがえる.それは,どんなにがんばっても,脳がまちがいを生み出すような情報処理を行っているから.しかし脳がまちがえるからこそ,わたしたちは新たなアイデアを創造し,高次機能を実現し,損傷から回復する.そのような脳の実態と特性を,最新の研究成果をふまえて解説.心とは何か,人間とは何かに迫る.
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Posted by ブクログ
脳の機能やしくみがまだわかっていないことが、よく理解できた。「AIが、心を持つ日が来るのか」と考えることがあるが、そもそも心って何なのかがまだはっきりしていないのだと思う。
脳について、これまでの研究でわかっていることの中にも、実は実験条件のおかしいものがあることもわかった。
いい本でした。難しいところもあった。線を引きながら読んだので、後で読み返そう。
Posted by ブクログ
AI持ち上げの批判がすごくわかりやすかった。結構わかっていないのに比喩で何とかするのは認識法としてわかりやすいからであろう。もうちょっと丁寧にやってね、というところか。実用化できそうなところが結構危うい・怪しいという話は読みごたえがある。
Posted by ブクログ
思っていたより専門的な内容の本だった。説明は易しく、脳科学素人でも理解しやすい。脳の正確なしくみはまだまだ解明されていない、というのが筆者の伝えたいことだと感じた。
脳のメカニズムは、現在の科学を持ってしてもほとんど解明されていない。正確無比なコンピュータと異なり、神経回路は確率的なゆらぎをもつ。ゆえに間違い、その間違いが時にひらめきを生む。
特定の部位が特定の機能をもつ、あるいはある脳機能には特定の原因物質が作用しているといった、分類という方法論では脳を正しく理解することは難しい。実際には極めて多様な働きが、多くの部位の相互作用のなかで生まれているのであり、その複雑さを無視して単純に理解しようとすれば、誤った風説を助長しかねない。