【感想・ネタバレ】さびしがり屋の死体のレビュー

あらすじ

「あのね、彼……死んだの、車にはねられて」遺書ともいえる言葉を残し、マリは恋人武夫のあとを追い自殺した。可哀相なマリ……。そういえばマリは、彼のいない人生なんて生きる価値がないって、いつも言ってたっけ……。だが、死んだ筈の武夫は生きていた。そして、天国へ行ったマリが一人では寂しいと招きよせるように、武夫のまわりで次々と起こる謎の殺人事件! 表題作「さびしがり屋の死体」ほか、実力派赤川次郎が、趣向をこらしたミステリー四編を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

推理小説の傑作選

さびしがり屋の死体
長き眠りの果てに
死が二人を分かつまで
できごと
三人家族の殺人学

どれも趣向を凝らした話。

「さびしがり屋の死体」は、真犯人が明確にならないまま当事者が別れ別れになる話。
「長き眠りの果てに」は、本当の殺人者は、本人だったという話。
死が二人を分かつまで」は、夫が殺人者だと分かって警察に突き出すが、夫の帰りを待とうという話。
「できごと」は、高校の修学旅行で起きた事件の犯人は、当初の疑いとは別にあったが、その真犯人を捜したのが最初に疑われたうちの一人。
「三人家族の殺人学」は、殺人者どおしの夫婦の娘が、一番殺人に長けているという話。

どれも短編にふさわしい複雑さで、重さもある暗い話が多い。
いつも明るい話を書いている反動だろう。

暗い話をときどき書くことにより、明るい話も書けるように均衡を保っている作者の努力か、投げやりさを感じる。

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2011年09月04日

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