あらすじ
1949年、終戦から4年が経った東京。陸軍中野学校出身でかつて破壊工作員だった藤堂直樹は、歴史学者の守屋と物理学者の和久田から過去に時間を遡る手段を発見したと聞かされる。さらに二人は直樹に思いがけない依頼をしてきた――「過去に戻って、戦争を始めた者たちを排除して欲しい」。目指すは満州事変の阻止。未来は、それで本当に変わるのか? 2人の男女を仲間にした直樹の、時を遡る決死行が始まる!
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Posted by ブクログ
小説宝石の連載にて
これまでに自分はあまり読んだことのない設定のタイムスリップストーリーで興味深く連載を読んだ
『高い城の男』は日本側が勝利するSFだったな
もし、第二次世界対戦が起こらなければ。
日本が敗戦国になっていなければ。
しかし、主人公達3人が洞穴に潜って戦前の満州まで旅し、キーの人物を暗殺してきたものの、まさか、より悪いほうに歴史を修正してしまうとは。。
ままならぬものよ
Posted by ブクログ
過去に戻って太平洋戦争を阻止する。奇想天外な題材。
しかも現代からではなく、戦後まもなくのチャレンジ。
3名のチームは山奥の洞窟を辿って戦前に戻る。しかもいつに戻るかはわからない。想定よりも戻った時間が遅かったために予定外の活動をしないと戦争は止められない。
満州に渡った彼らには様々な想定外の問題が起きるが、逆に彼らを信用する組織も現れ、果たしてそのチャレンジは想定通りになるのか?
普通に映画にでもしてもらうと面白そうだ。中国での関東軍の行いや中心人物をしっかり調べないと描けない小説。もう少し中国側のリーダークラスが表に出てくるとスリルもあって面白かったかも。でも十分に楽しめる内容でした。
Posted by ブクログ
119戦後が変わってるシリーズ3作目。いやこれは変えるために行動した人たちの物語でパラドックスの謎は解明できないままだが、懸命に生きて奮闘の結果一ミリくらい変わってるかもしれない歴史もあるのか?と思う。ストーリー文体共に良い作品です。
Posted by ブクログ
太平洋戦争で敗戦を喫した4年後の1949年、GHQの統治が続く東京を舞台にして物語は始まる。
主人公の藤堂真樹は、陸軍中野学校出身の元破壊工作員、俗に云うところのスパイだった。
その真樹は、勤め先の労働争議の場で暴力を振るったとして現行犯逮捕され、警察に留置されていた。
そこに進駐軍の憲兵隊が現れ、真樹は身柄を引き取られる。
その真樹を、東京帝国大学の歴史学者である守屋淳一郎と理学部の和久田元教授がGHQから解放し、そして元工作員のキャリアを活かしての仕事を依頼する。
その仕事とは、満州事変が勃発する前の時代に遡り、関東軍の暴走を阻止して太平洋戦争に至らない工作を実行して欲しいと云う内容だった。
両氏の説明によると、九州の筑紫山地に過去と現在を行き来できる洞穴があるのだと言う。
その洞穴を使って過去に遡り、満州の制圧を目的として暴走寸前の将校たちを抹殺するというものだった。
その不可能とも云えるミッションに、直樹と彼に従う千秋、与志の男女二人が果敢に挑む物語だ。
Posted by ブクログ
1949年、終戦後4年経った東京で藤堂直樹は、以前講義を受けたことのある史学科の教授・守屋から過去に戻って、開戦を阻止して欲しいと言われる。
そもそも過去に戻って歴史を変えることができるのだろうか?
そのあとは今いるところへ戻れるのかどうなのか?も確証はない話であった。
一度は断ったが、職を失った与志と飲んでいる最中、助けを求められた千秋と事故に巻き込まれてしまい追われる羽目になる。
逃れる手立てとして、3人は守屋の言っていた過去に行くことにする。
守屋から戦争を回避するための歴史を変える工作の具体的な中身を教えられ、準備を整えて小倉にある洞穴へ潜り込んだ。
結末は思っていたのとは少し違っていて、二度も過去に行ったことだろうか。
それに守屋の熱のないあっさりとした対応に釈然とせず、これはある程度は予測できていたのでは…と思ったりした。
非現実な計画だったのかといえば、少なくとも過去には行ける。未来を変えれるかというところでは少し無理があったと感じた。
いつの時代を経験するかによって重みも深さも考え方も全て変わってくるんだろうな。
ラストに直樹が目を凝らしたわけは見るはずのない2人を見たからなのか…。
Posted by ブクログ
歴史のIF小説までは楽しく読めるが、タイムスリップまでしてしまうと途端に噓くさくなってしまう。暗殺を実行し、歴史を捻じ曲げた後の解釈も今一つ。歴史小説というより、陳腐なSF小説になってしまっている。