【感想・ネタバレ】昼下がりの恋人達のレビュー

赤川次郎

竹中秀治は景気のよくない文具メーカーの営業部員。ちょっと甘い二枚目だが、軽薄なのが玉にきず。その軽薄さで職場の女の子に手を出し、とうとう結婚する羽目に追いこまれた。新居の下見に行った帰り、二人は電車の中で老人が急に苦しみだすのを目撃した。必死の看病の甲斐もなく死亡した老人には莫大な遺産があり、親切にしてくれたお礼に、その一部五千万円が二人に贈られるが……。金にまつわる若い二人の喜怒哀楽を描く表題作他６編を収録。

[ブクログ · ★★★★☆]

先が気になる、七つの話。
いや、気になるものとこれで終わっているものがあるが。

説明文をよく読まずに本文に入ったもので、短編集とは知らず、同じ名前が出てくると漸く話が繋がったのか、と思っていた。

なんとも、形容しがたい不思議な気持ちになる話だった。
赤川次郎の書く話はやはり好ましい。

[ブクログ · ★★★☆☆]

表題含めて７つの短編集、その中で4作目『五分間の殺意』が面白い。定年間近の中年おやじが、駅のホームで女学生と束の間の擬似恋愛を楽しんでいる。本人はいたって純粋なのだが、正直薄気味悪い。その流れから～ある知り合いの男と女学生が旅館に出入りするところを目撃する。ここからサスペンス最後にホラーチックな終わり方でどんでん返し、いつもの適当な感じには終わらない。

[ブクログ · ★★★☆☆]

日常の中で起きた些細な出来事、事件を描写する7編からなる短編集

特に私の印象深かったのは、

「シルバーシートへの招待」

その席に座った者は近い将来必ず死ぬという、郊外電車のシルバーシートをめぐる因縁話です。
郊外から通勤に使う電車での冗談のような話・・
ミステリーといえばミステリなのでしょうが、淡々と進む話、そのちょっとしたインパクト

冗談でも座りたくないな。。と感じる1篇。