【感想・ネタバレ】郵便局の裏組織~「全特」――権力と支配構造~のレビュー

あらすじ

日本最強の集票マシン――。全国郵便局長会(全特)はそんなふうに呼ばれる。組織代表を国会に送り込む他の業界団体と比べれば、集票能力の高さはピカ一だ。強さの秘密はどこにあるのか。朝日新聞経済部の記者が、「郵政破綻」に突き進む巨大グループの本性を徹底検証。これまでベールに包まれてきた活動実態を内部資料や証言をもとに明らかにし、組織運営と会社経営の矛盾や限界も示す。

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Posted by ブクログ

郵便局の局長会。全特。任意団体のはずが、自民党を支持し、会社人事にも介入。

小泉改革により半官半民から民営化されたはずなのに、その実態は旧態依然。

公務員意識満載。もっと言えば、明治時代の名士のプライド?権利意識?満載。

そう、明治時代は日本に郵便制度を定着させるべく、地元の名士が資材を投げうって

郵便局を開いた。日本の近代化に必要だった。

しかしそれから150年。世の中は変わった。

大半の郵便はインターネットにとってかわられた。

郵便局の売り上げは激減。

銀行、生保が未発達時代とはゆうちょ、かんぽの役割も変わった。

それなのに過去にしがみつく局長会。

自分たちの権利を守る自民党の集票マシーンと化し、

勤務時間中でも選挙運動を行う局長。



もう明治時代ではないのだ。

社会の変化についていかなくてはいけないのだ。

それが過去のまま生き延びようとする。ゾンビだ。

しかしそれは局長会だけではない。今の官僚たちも似たようなもの。

明治時代の官僚は敗戦で消えたはずだが、しっかり生き残った。

自分のトップを天皇からアメリカに置き換えた。

そして高度経済成長を牽引し、いまは組織防衛、予算確保、天下先確保が優先課題。



やはり古い組織、変わらない組織はこわさなきゃいけないんだよ。

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2023年08月27日

Posted by ブクログ

全著を読んでいたのである程度は知識があるつもりではいたけれどもここまで酷い組織だったことに驚いた
失った信頼を取り戻し企業として今後も続けていけるのかどうかは誰にかかっているのか?そしてその答えを邪魔してくるであろう時代にそぐわない組織内組織をどう扱っていくのか、個人的にまだ諦めてはいない

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2023年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルのとおり、かなり衝撃的な内容 昭和の話ではなく、現在進行系という事に唖然とする。
雑誌記事等でよく見かける郵便局の不正の記事に本当か?
との疑念を少し抱いていたが、事実と確信する根拠が記載されている。元凶の全特を廃止しないと、組織が成長していく姿はイメージ出来ない。日本郵政の株主だったが応援する気は失せた。早めに売却したい。
・局長会土日どちらかを選挙応援のための個別宅訪問活動(ペア)がMUST 自民党員にならなければならない
・局長になると休日の選挙活動や年数十万円の活動費が自腹 不祥事のもみ消しに国会議員の価値が有ると幹部が発言
・郵便局の経費で購入したカレンダーを選挙活動用に持参 2018-2022経費10億円
・特定郵便局の発端は、地方の名士が資材を無償で自宅などを提供し郵便局網の拡大に人肌脱いだことから始まる。今は世襲で利権を守ることが最大のミッション
・小泉政権郵政民営化法案が否決されると衆議院解散にうってでる。小泉の圧勝で決着。
・安倍政権が局長会の復活を許し、選挙協力を強める
・日本郵便が表の顔 局長会が裏の顔 局長会の意向を無視して局長に就任できない。
・提言1選挙で候補者を立てて国会に送り込む政治団体の局長会 具体的なビジョンを示す必要があり 会員はただの金づる
・提言2一般企業の常識的なガバナンスの取り入れ 局長会が郵便局のブランドを傷つけ続けている。
・提言3 利用者にとっての価値の創造
 利便性圧倒的にコンビニに負けている。
・年間200億円が郵便局数の維持のために使われている

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2025年11月23日

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