あらすじ
良いと思うものだけを刊行してきた、ひとり出版社・夏葉社の代表が、これまでに読んできたなかから、自分の体験をまじえつつ、珠玉の49冊を紹介します。著者は、鬱屈としていた20代、すがるように本を読みました。本のなかには、自分と同じように、思い通りにいかない人生にもがいている人がいたり、自分の狭い考えを広げてくれる先達がいました。本書は、高知新聞別刷り「K+(ケープラス)」に連載された選りすぐりの寄稿文を加筆・修正し、さらに書き下ろしを3編加えました。「ぼくは電車のなかでは原則、スマホを見ずに、本を読んでいました。そうすると、だいたい1週間で1冊本が読めて、年間で50冊本が読めました。10年電車で本を読めば500冊もの本が読めます。それは間違いなく、人生を豊かにしてくれます」(著者)。誰かの人生を支える本を作りたいと願う著者が、読書の素晴らしさを伝えます。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
買うと、活かすために読んでしまうため、本屋に戻す。
優しく道標になる本。
本の新しい楽しみ方に出会うことが出来る。
おばちゃん達とお気に入りをおすすめし合うような穏やかな気分になる。
また読みたい。
Posted by ブクログ
読んでいる間、時間の流れがゆっくりに感じられる本だった。
「大切なのは粘り強く考えること。そのためにこそ本があります。自分の頭では考えられないことを誰かの頭、つまり誰かの言葉と文章で長い時間考える続けるための本。ぼくは自分の頭をすこしも信頼していませんが、本という物の存在をすごく頼りにしています。」という文章が強く心に残った。
わたしにとって、すごく頼りになる本になった。
Posted by ブクログ
本について、読書について書かれたものだが、実は「生きる」ということについてのエッセイだという印象。初めて読む著者だったが、その文章や思考がとても自分にしっくりきて魅了された。
読み手に自分の考えを伝える本って、独善的だったり説教くさかったり、自分アピールだったりしてうんざりするものが多くあるが、この著書の本はまた読みたいと思った。
高知の話も大変印象深い。
Posted by ブクログ
電車の中で全員がスマホを触る中
本を読んでる自分!ってなんか素敵ですよね笑
何かするときは、これは自分にどんな意味があるかな?何かためになるかな?なんて視点がいつもあるのは良くないんだろうなと思う、、
でも読書するのもどうせなら意味があるものにしたい!って気持ちで手に取った本
読書がどんなことをもたらしてくれるのか
知っていた方がもっともっと身になる気がするし!
ただ、本1冊読んだだけで 全てを知ったつもりになってはいけないなと思った
"本を読んでいる時よりも、本を選び、買って帰るときのほうがうれしい"にすごく共感した
良い時も悪い時も いろんな本を読んで いろんな言葉を浴びたいな!
Posted by ブクログ
心に響くエッセイが至る箇所にあって、読む本に迷った時にまた手に取りたくなるような本だった。
学生なので、子育てに関する章ではまだ想像力に欠ける部分があり全てを理解することは難しかったから、
手元に長く置いておいて、ぱらっと見れるようにしておきたいと思うような、本でした。
Posted by ブクログ
p67 「いまはコンピュータで検索すると、何でも答えが出てきて、インターネット書店で本を注文すると次の日には届きます。でも、ネット書店では買えない本がある。それは、自分が全く知らない本。ネットの検索では、自分が全く知らない概念を調べることはできません。でもそれは、本屋さんに行くと出会うことができたりするんですね」
p78 書評集と銘打っていなくても、本にかんする文章がとても多い本もあります。そういう本を読むと、読みたい本が次から次へと増えて、ほんとうに困ります。
p118 ふだんの友人や家族との会話だけでは消化できない、個人的な悩みや、抽象的な疑問。解消するのにとにかく時間がかかるたくさんのこと。
そういうことをひとりで考えるのには、本というものの存在がとても便利です。
作者の言葉に耳を澄ませるようにしてページをめくり、長時間、活字を読むことによって、自分ではとうてい考えることができない領域のことまでをも考える。
すばらしい本を読み終えたあとには、見える景色までもが変わってきます。
Posted by ブクログ
何の為に本を読む?
きっとその答えはずっと探し続けるのだろうけど、その答えに近付く手助けをしてくれるであろう一冊。
本に救いを求め、本から学び、本に癒される。
歳を重ねるごとに感じ方も考え方も変わるけど、本は変わらずにずっとそこにあって、昔から今、今から未来に残っていくもの。
本を読む時間、探す時間、眺める時間、どれも好きなんだよなぁ。
著者の考え方に共感しっぱなしのうちに読破してしまう。
Posted by ブクログ
私は本を読むのが好きだから、こういう本は好き。文章もあたたかく、どんどんと読める。読書で得られる気付きを深めさせてくれる。読書する経験を積み重ねていきたい、とまた思った。
Posted by ブクログ
すごくいい本だった。
日記のように本を1冊紹介しつつも、島田さんの日常の中での考え方が綴られている。
優しく温かい文章で。
気持ちのいい1冊です。
Posted by ブクログ
神戸の球場で息子と野球を見た翌日、三宮の街で息子がお勧めしてくれた本屋さん『1003』に立寄った。お店のカラーが色濃く出ている、新古書両方扱っている本屋さんで、家の蔵書とも数冊被っている。
各々の家庭には各々の価値観があり、読む本にそれは反映されると思っている。この『1003』という書店を勧めてくれる息子は、我が家の価値観を共有してくれていると思うと、少しうれしい。
タイトルの『電車の中で本を読む』は、僕と同世代であれば、まあ、まだいるだろう。私も電車に乗るときは本を読む派だ。本書は、電車の中で本を読む著者島田さんが勧めるエッセイ+ブックレビューだ。すべてのレビューに島田さんの優しさがにじみ出ている。第3章『子どもと本』を読んでいる間はずっと涙が止まらなかった。
僕は昭和の時代に育ってよかったと思う。人間の活動範囲や処理するスピードが、まさに、昭和的だから。そして現代の美味しいところをつまみ喰いしながら、便利に充実した還暦後生活を送りたいと思う。
Posted by ブクログ
島田さんの文章好きだ。
本との関わり方って、人それぞれで、それを知るのも最近楽しい。
私の場合は、昔は「隙間を埋める読書」と称して、満たされないものを埋めるように読んでた時もあったけど、今は逆で豊かさを求めるものになった。
スマホからは、溢れるばかりの情報が飛びかっているけど、著者の心の温度みたいのが感じられる本の方がやっぱり好きだ。
だから私も今日も電車で本を読もうと思う。
Posted by ブクログ
素敵なエッセイでまさに電車の中で、車窓を時々眺めながら丁寧に読むのにぴったりな作品だった。
高知県の話、本の話、家族の話…どれも読んでいて心がほかほかして、本読みたいなあという気持ちにさせてくれる。本を買うという行為は、本を読む時間を買うということ、という言葉や筆者がスマホをやめてみたという話がとても印象に残っている。またいつか読み直したい。
Posted by ブクログ
こちらの作品は、高知新聞社のフリーペーパーに連載されていた寄稿文を選りすぐってまとめたものだそうです。書き下ろしも少しあります。
作者が紹介してくださった本の中に気になる作家や作品がいくつかあったので、書店で探してみようと思いました。短く区切られているので、ちょっとした息抜きの時間(仕事の休憩時間など)にも読みやすいです。
Posted by ブクログ
島田潤一郎さんは通勤電車の中で本を読み、その世界に没頭する。
本作に書かれている紹介文に惹かれる。
「おわりに」から
〈すべての文章は本を読む習慣のない、高知の親戚たちに向けて書かれています〉
自然体で読みやすいのはそれもあるのか。
P68 『まちの本屋』田口幹人 著
〈本屋さんをより魅力的な場所にする。
そういう豊かな循環がこの本のなかには描かれています。
しばらく本屋に寄っていないという方、
ちょっとだけ本屋さんを覗いてみませんか?〉
(↑この本、おすすめです)
ピンときた本があったので読んでみました。
絲山秋子さんの『夢も見ずに眠った。』
このあと、感想をまとめます。
自然体で、でも伝わるように。
Posted by ブクログ
世代が同じで共感できるところが多い。
子供の頃からもっと本を読んでおけば良かったと思っていたが、漫画や雑誌はたくさん読んでいてそれで良かったんだと勇気づけられる。
選書が素晴らしく読みながら何冊も買ってしまう。
Posted by ブクログ
読みたい本がたくさん。
点と点が繋がるような、好奇心はこうやって広がっていくのだなと思いました。
私も電車ではスマホはできるだけ見ず、読書を心がけたいです。
Posted by ブクログ
大人になって本を読むことにたくさん時間をつかうようになって、ふと罪悪感を抱く瞬間がある。そんな自分を肯定してくれるような優しい文章がたくさん。癒されました。本棚に置いておきたい一冊。
Posted by ブクログ
エピソードを含めた選書は言わずもがな、著者自身の生き方に興味が惹かれる。
『ぼくにはこれしかなかった』
『気がついたらいつも本ばかり読んでいた』
『べらぼうくん』
『ニワトリと卵と、息子の思春期』
ここら辺は読んでみたいな。
”こころの底から絶望したとき、救ってくれるのは、だれかの言葉でしょう。それは指針としてではなく、座右の銘でもなく、自分の言葉がだれかの言葉のなかに溶けてしまうという経験において読者を救います”
”年をとり、好奇心が以前より衰え、あたらしいものを拒否する。そういう姿勢を老いとするなら、棚に並ぶ本を端から端まで眺め、それまで読んだことのない分野を知りたいと願う気持ちこそが若さだと思います”
”本を買うのは、本を読む時間を買うことだ’
読書という技術の進歩に左右されず、興味がない人には非効率でタイパが悪い行為になぜ夢中になるのか、「本が好き」という共通項で繋がった人たち(だけ)が頷き合える文章がこの本にはたくさんある。
Posted by ブクログ
共感すること多し。ちょうど著者島田さんと同じ子育て奮闘中なので、子どもと本の項目は想いがとてもシンクロする部分。色んなジャンルの本が島田さんの想いや体験談も交えて紹介されている。 『いま生きてる時間とは違う時間を経験したいから、僕たちは本屋さんで本を買う……本を通して買っているのは、豊かな、たっぷりとした時間。』 なるほど、だからこうやって自分自身つい本をやたら買ってしまうのだなと。
Posted by ブクログ
読書、本に対する一貫して誠実な姿勢が窺われる著者による書評集。
「ぼくはすべての人が本を読む必要なんてないというふうに考えますし、ほんとうに豊かなものは、言葉のない世界にあるのではないか、とも思います。」とあとがきにある。色んな読書家のタイプがあるなかで、私は人生読書が全てはないと思っていて、読書数や知識量で測られがちななかで、この視点は決して忘れてはいけないと思っているので、同じく読書を愛する人が書評集を出版するうえでこの一文を入れてくれているところに、とても信頼できた。
Posted by ブクログ
著者は私とほぼ同世代。早生まれの方なのかどうか知らないけれど、たぶん1〜2歳しか離れてない。著者と私の読んできた(いる)本はことごとく重ならない。著者には著者の人生があり、私には私の人生があるんだから当たり前だ。この本の核は「ぼくはスマートフォンをやめることで、ずいぶんと自由になった気がします。」(p149)だと思う。
Posted by ブクログ
見開きにかいてある「人生を救ってくれるのは 本のなかの 何気ない言葉だったりする」という言葉だけで素敵な本と分かりました。あとがきまでもが優しく静かな本
Posted by ブクログ
本とエッセイ。筆者の生活と交わる本が興味深い。私も電車の中で読む派〜と思いながら知らない本に興味をくすぐられ、読んだ本はどう関わるのか楽しみになる。本を読むのは偉くないけど読む時間は豊かで道筋を助けてくれる、って共感でしかない。
Posted by ブクログ
高知の話題が多いなぁと思って読み進めていたら、大体の原稿が高知新聞社のフリーペーパーに連載されていたものが1冊の本になったとの事。
改めて、本を読む時間を取ることは現代では難しくなっていることを実感する。自分の子どもには、時間のある小学生時代に本をどんどん読んで欲しいと思った。
Posted by ブクログ
枝葉を広げた大きな木の下で
深呼吸した心地がした
言葉という深呼吸…
島田潤一郎さんの優しい言葉が
心に彩りを添えてくれる
多くの言葉をかけてもらうよりも
たった1行の何気ない言葉から
救われることがある!!
1行に込める言葉に とてつもない価値を感じる!!
小説の冒頭の1行目だったり
主人公のセリフだったり
本の中で出会った人や言葉に
今の自分の心情と重ね
じっくりとその言葉に想いを馳せることで
また心が繋がっていく…
私も本を読めば読むほど
個人的だった世界から 大きな世界へ
読書の幅が広がっていくところが好きだな…♡
タイトルがとにかく素敵…
私はほぼ毎日 電車のなかで本を読みます
明日はどんな本を 電車のなかで読もうかな…
そんなことを空想する時間も大好きです
Posted by ブクログ
著者は夏葉社という出版会社を一人で立ち上げたひとり出版社の先駆けといわれている方です。長い間就職浪人を続け、ひとり悩みもがいた時代から現在に至るまで、著者にさまざまな影響を与えた本が紹介されています。併せてその本を読んだ時の著者の日常も綴られていて短いエッセイを読んでいるようでした。本に対する愛情が伝わってきます。とてもソフトで優しい文章で、読んでいるだけで暖かい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
著者の本に対する思いが伝わってくる一冊。
親戚たちが大勢暮らす高知を故郷のように思い、好きなのがよくわかる。
素直で丁寧な優しい文章である。
第一章 高知から本を思う
第二章 本との出会い
第三章 子どもと本
第四丈 本から得られること
項目ごとにわかりやすく読みやすい。
どれも著者自身の生活や心情を上手く絡めて、思い入れの本を紹介している。
本との出会いのなかでも触れていたが、私にも家には「積ん読」があり、(著者の千冊近くには、比べるまでもない20数冊ほどだが)それらがいつでも「読み時」を待っている。
確かに次はこれを…と思っていた矢先に、いま読んでいる本に影響されて、まったく違う本を読みはじめることがある。
あるいは、いま読んでいる本に強く反撥して、別のジャンルの本を読みはじめようとする。
これも頷ける。
私の場合も短編が続くのは嫌だなと思ったり、長編は誰もいない休みの日にゆっくり読みたいから限られた日になる。
昔は、通勤時の電車で往復1時間でも楽しめたが、通勤が車になると、いつどこで時間を工面かするかによって、読むジャンルも厳選する。
偉そうにいうほど拘りもないのだが…。
みなさんのレビューを参考にしてると、読みたい本がたくさんになり、そしてまた懲りずにこのような本を読んでるという…。
この人いったい何が好きで何が読みたいの⁈と私の本棚を見てみなさん呆れているだろうな。