あらすじ
「縄紋時代、女は神であり男たちは種馬、奴隷でした」。校正者・興梠に届いた小説『縄紋黙示録』には先日貝塚で発見された人骨の秘密が隠されていた。やがて読み進めるうち身辺でも異変が起こり始めて......。烏、蛇、鳥居、鏡――。数々の暗号が繫がる時、破壊の神アラハバキが舞い降りる! 過去現在未来が絡み合う、世界まるごと大どんでん返しミステリ。
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Posted by ブクログ
縄文時代の諸説面白い
・女性信仰
・選ばれた男子達とその悲惨な最後
・選ばれなかった男子達の劣悪な待遇
・客人(荒巾着)を男系遺伝子とする
・氷川神社を縄文時代がルーツとする説
・縄文海進による岬の形成と女人のみ入ることが許された岬を神社として祀った説
・大宮氷川神社をはじめとして、3つの神社が太陽の昇る方向から沈む方向へと真っ直ぐに位置していることなど
ホントか嘘かは置いておいて面白かった。
Posted by ブクログ
真梨幸子さん、女同士のドロドロ系のイメージが強かったけれどこちらはまた全然違う読み味で面白かった。こういう参考文献がズラっと出てくる小説は勉強になる雑学も多くて好き。後半は誰が嘘をついているのかわからない、「信頼できない語り手」の要素もあってわくわくさせられる。
結局『縄紋黙示録』は出版されたのか、反響はあったのか、五十部靖子の裁判はどうなったのかなどわからないまま結末を迎えてしまうのがちょっと心残り。
Posted by ブクログ
縄文時代を調べたくなる話。
初めての真梨幸子さん。おもしろかった。最後の終わり方……新型コロナも何か関係あったんじゃ…?!とドキドキする文章でした。
つい最近サピエンス全史の最初だけ読んでいたからか、ネアンデルタール人の件はすんなり入ってきた。物事にタイミングってあるんだね。変なところで嬉しかったです。
Posted by ブクログ
面白かった。
この作家さんは#猫で認識していて、小説を読むのは初めてでしたが、とても読みやすくほぼ一気読み。『縄紋黙示録』という自費出版予定の小説原稿をめぐってSFファンタジーなのかなという小説内容と現実のミステリっぽい展開が螺旋のようにつながっていってちょっとメタ小説ぽい感じ。なぜか途中無性に怖い怖い。宇宙レベルでスケールが広がったかと思うとすとんと話が現実に落ち着いたり、読んでて不思議な浮遊感のある小説でした。
ハハとかカカとかアラハバキが出てくる段で何か吉野裕子っぽいな~と思ってたら参考文献の筆頭でした。「蛇」読後の衝撃を小説にした感じ?
Posted by ブクログ
『縄紋黙示録』なる自費出版のゲラを校正することになった興梠。
『縄紋黙示録』の古代と思わしき不可思議な世界と興梠の現実世界が交錯し、何を読まされているのかと前半は怪訝な状態が続く。
冒頭の死体発見の記事や千駄木一家殺人事件の一見無関係なパーツと最後に全て繋がるのはいつもながら快感。
日本史の圧倒的情報量に溺れつつたどり着いた『縄紋黙示録』誕生の真相は思いきり肩透かしだったけど、なーんだと思わせてからの追記の不穏な匂わしは安定の真梨さん節だった。
マロンちゃんがこれから見届ける未来も縄紋の渦の中なのだろうか…。
Posted by ブクログ
最近YouTubeで縄文時代の都市伝説の解説を観たばかりだったので、都市伝説的目線で読み進めた。
YouTubeで、この世は疫病戦争天災滅び、、そして再生、その繰り返しだと言っていた。アトランティスやムー大陸が例。まさにこのお話と被るところがあって興味深かった、、そして現実世界でもまさにコロナ、戦争、、その次は天災、、?
実際にお経にもこの滅亡と再生について書かれてあるとか、、。
神話と歴史と宗教について、殺人ミステリーとして楽しみながら学ぶことができて良かった!
Posted by ブクログ
作中に出てくる縄文時代、作中の表記に倣うなら「縄紋」時代の光景は興味深かった。
種馬でしかない少年たち、他の男性陣は去勢されて奴隷のような扱い、女性しかいない鳥居から先の集落、刻まれた入れ墨に込められたもの……教科書やジオラマなどで「植え付けられている」縄文時代の光景からするとびっくりすることだらけ。
絶対にそうではなかったと否定できない面白さがあるというか。
しかも、途中でSF的話も絡んできて、おおそうなるか!と、そのどんでん返しも面白かった。
一方で、現実の時間軸の話の方は、主役の視点が章ごとに切り替わるので、結局誰が主役なのか分からず混乱した。
殺人事件も起きるし、今の視点の人は犯人なの、犯人を追いつめる側なの、どっちなの。
そうなると誰に肩入れして読めばいいんだという感じで混乱した。
それでいて、いざ真相と動機があっさりしすぎていて、別の意味で混乱した。
縄紋時代の話と現実世界の落差が……