あらすじ
10代の生活にすっかり溶け込んでいるSNSの利用をめぐるさまざまな現象――「ファボ」「黒歴史」「#MeToo運動」など――を哲学の視点から捉え直し、この世界と自分自身への新しい視点を提供する。若い読者に「物事を哲学によって考える」ことの面白さと大切さを実践的に示す一冊。(装画:モノ・ホーミー)
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Posted by ブクログ
『オシント新時代 ルポ・情報戦争』(毎日新聞取材班)を読んでいる時、自身がよく使うSNSが果たして何なのか、もう一度よく知ろうと思い手に取った『SNSの哲学: リアルとオンラインのあいだ』(戸谷洋志)。
これを読んで、承認欲求を得たいがために読書記録をインスタで行い、「いいね」の数チェックがメインとなってしまっていたここ最近の自分の行動がバカバカしくなった。
読書をする事は自分の生活レベルの質を上げるための行動を起こすキッカケを得る事であり、「いいね」を得る事じゃない。
読書を終えた後、どんなアクションを起こすのかを考えていく事に重きを置く事が重要だ。
という事で、やり方を変えて行く事にしようかと思う。
Posted by ブクログ
ついSNSを見てしまうのをやめたくて読んだ。
とても読みやすかった。偶然性を許容していきたい。
65 つぶやきは本音が表れてるように感じるから見たくなる
90 アルゴリズムによって表示されるニュースは、単にたくさんの人が見ているから。重要なニュースが漏れている可能性もある
93,97ハズレを選ぶ可能性は低くなっても、全く新しいものではない。賭けと責任を排除する
102 偶然に起こる、予測できないことはこの世にある。
105 明日の自分も新しいもの。昨日までの自分が好んだものを好まないこともある。
Posted by ブクログ
他者から承認されようとすることは、「他者から承認されるような自分」になろうとすることで、必然的に頑張ることを強要されてしまう。
SNSで他者から承認を得ようとすると、
①私の生きやすさが他者に依存する
②絶え間ない承認を求めることで、常に不安を喚起する
③承認を求めるほど自分自身を見失う(疎外)
ことにつながる。
SNSネイティブにとって、人間関係の開始はインスタの相互フォローなどを指し、リアルとSNS上の関係性の区別はできない。
自律性は他者に頼らないでいられることで、他律性は他者に頼らないではいられないことである。一般的に自律ばかり求められるが、アイデンティティの形成には他律(他者)も必要で、かつ自立は他律の中からしか生まれない。
ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」によると、問題に直面した時、「問題が難しい」のではなく、「問題を考えるために適した言葉を使えていない」だけ。この考えによると、相手のルールや文脈が読めないSNSは、ベリーハードな言語ゲームである。
アルゴリズムは偶然性を排除し、それはすなわち「賭け」(はずれ)と選択による「責任」の排除である。
Posted by ブクログ
・相手が自由ではない承認行為は自分の承認欲求を満たす事象ではなくなる
・SNSには時間の流れは起こっていない。液晶に表示されたときが閲覧者にとってそれが起こったとき
・投稿は劣化しないが紙で書き残した物理的なものは劣化する
・バズるは時間という概念がないからこそ生まれる現象
・SNSに投稿する際に炎上しないかと気をつけている行為は未来の視点
・ストーリーズは時間という概念がなかったSNSに人生特有の一回性を与えた
・Twitterは建前ではなく本音を表向きは演出できる場
・Twitterは生の声をアピールする道具にも使われる
・リツイートされることで言語ゲームのルールが変わる、それは炎上の要因