あらすじ
1970年代、普通の高校生だった私たち
定年退職しシェアハウスに越してきた独身の乾明子。
借りたままの本や名簿から、映画を見ているかのように地方の共学の公立高時代が蘇る。胸キュンもスマホもなく地味なだけ。でもなぜあんなにオカシかったのだろう。
これまでの青春小説がとりこぼしてきた部分を掬った、すべての大人に贈る青春小説。
解説・タカザワケンジ
※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この話の舞台は1970年代の日本の女子高校生、
主人公の乾明子視点での高校生活が繰り広げられる青春小説。
今の10代が知らないような芸能人の名前や、テレビ番組が沢山あり、次に読み返すときは一つ一つ調べながら読み返したいなぁと思いました。
話の内容は平凡な高校生活を過ごす日々とそれを懐かしむ現在を交互に話が進むのですが
途中でとても驚いたエピソードがいくつかあり、
ギャップに驚きました。
男の人ってこういうものなのか...など。。
また、
人の一生は思ったより短いということ、時間を大事にし今を楽しく生きよう等、色々考えました。
あまりにもリアルに書かれているので、本当にあったのかと思いましたがそのリアルさがまさに"青春時代"を表すものだと気づきました。
(あの頃の思い出って良い思い出も苦い思い出も妙にリアルに覚えてますよね
昔を懐かしみたい方、昭和のの高校生活を味わいたい方にぴったりな一冊です。
Posted by ブクログ
どストレートなタイトルに惹かれたのもさることながら、最近こういう表紙からいかにもな雰囲気が漂う瑞々しい青春小説を読んでない!今の若い子達は何を考えて何を感じてるんだ!教えてくれ!という勢いで手に取っていざ開いてみたら、自分よりもだいぶ先に学生時代を謳歌した大先輩が綴ってくれた青春が詰まっていた。こっちが勝手に「ラーメン屋に違いない!ラーメン食べたい!」と勘違いして入ったら熟練のナポリタンが出てきて、なんか少し申し訳なくなってしまったような。
半分私小説、みたいな扱いでいいのかな。時代を超えても等しく共感覚を得られる部分もあることを楽しみつつも、散りばめられた小ネタの数々を見る度に浮かぶ「この時代に生まれた人たちが読んだらもっとこの小説を楽しめるんだろうな…」みたいな考えに終始邪魔されてしまったかもしれない。帯に書かれていた「羨ましい」も、そういう意味では羨ましい。
章仕立てで進んで行く内容のなかで、とにもかくにも最後の章に全てが込められている気がした。皆が笑った記憶がふと蘇るところがとても好きです。