【感想・ネタバレ】運転士のレビュー

あらすじ

時刻ヨーシ、方向切替ヨーシ、発車。電車はスピードを急速に上げ、間もなく軌道が緩やかに下り始め、徐々に傾斜がきつくなっていく。傾斜角1000分の35。都市と都市生活者の様々な貌(かお)をトンネルの闇と駅の輝きが妖しく繋ぐ。カミソリのように光る二本のレールの上に現代を官能的に描く。第107回芥川賞受賞。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

相当前に読んだ。芥川賞受賞作。
ので、色々あいまいだが印象に残る本である。

この世の中で、何があっても規則正しく動いているものは案外少ない。
人間というものは、
気分やら自然の気まぐれやら様々な不確定要素に左右されている。
だから、世の中のほとんどの事柄は規則正しくは進んでいかない。
決めた通りに動く数少ない例としては、時の流れくらいか(は、言い過ぎですかねw)。

そういう観点でみると、
いつも規則正しくレールの上を走る電車というのは、
作者がメタファーの多用により指摘するように、
極めて非人間的な存在でありまたレアな存在ともいえる。
そんな電車というある意味異常な存在との対比で、
人間性とは何か、というものを考えさせられる。

ただ、こういう地味な切り口の本は判りにくさもあり、
残念ながら売れはしないだろう。

でも芥川賞受賞作の中では好きな部類に入りますw

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2011年06月20日

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