あらすじ
前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた〈反世界〉が現れる。プロメテウスの罰を再現した「囚人」、白昼夢にたゆとう「夢のなかの街」等、初期作品から怪奇掌篇、寓意譚に至る9篇を収録し、著者の孤高なる文学的歩みをたどる。
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Posted by ブクログ
徹底的に観念で言葉を操っているように感じた。虚構が凝縮されて、現実の模倣というよりも、もうひとつの世界を実現させているように思う。しかしこうした倉橋の作風は短編ごとで同じように結実しているわけではなく、解説でも書かれている通り、さまざまな手法が用いられ、ストーリーやテーマのタイプも異なる。だが彼女がやっていることは、小説という言葉の津波で、現実をさらってやろうということなのだろう。特に「囚人」に関しては、戦後社会を見事に神話化させ、鋭利な、磨き上げられた、見事な作品に仕上がっているように思えた。
Posted by ブクログ
この短編に熱狂的だったという伝説。
そんなもんかねぇ、
なぜかと問いたくなるような時代だったということでしょうか。
不思議な時代もあったもんですね。
冷めたまなざしにあこがれる気持ちは、わかりますけどね。
クールで寡黙な先輩像ってあこがれ。
(でももう無理とわかってます)