【感想・ネタバレ】パルタイ・紅葉狩り 倉橋由美子短篇小説集のレビュー

あらすじ

前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた〈反世界〉が現れる。プロメテウスの罰を再現した「囚人」、白昼夢にたゆとう「夢のなかの街」等、初期作品から怪奇掌篇、寓意譚に至る9篇を収録し、著者の孤高なる文学的歩みをたどる。

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Posted by ブクログ

徹底的に観念で言葉を操っているように感じた。虚構が凝縮されて、現実の模倣というよりも、もうひとつの世界を実現させているように思う。しかしこうした倉橋の作風は短編ごとで同じように結実しているわけではなく、解説でも書かれている通り、さまざまな手法が用いられ、ストーリーやテーマのタイプも異なる。だが彼女がやっていることは、小説という言葉の津波で、現実をさらってやろうということなのだろう。特に「囚人」に関しては、戦後社会を見事に神話化させ、鋭利な、磨き上げられた、見事な作品に仕上がっているように思えた。

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2023年02月07日

Posted by ブクログ

この短編に熱狂的だったという伝説。
そんなもんかねぇ、
なぜかと問いたくなるような時代だったということでしょうか。
不思議な時代もあったもんですね。

冷めたまなざしにあこがれる気持ちは、わかりますけどね。
クールで寡黙な先輩像ってあこがれ。
(でももう無理とわかってます)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

学生運動かぁ・・・と思いきや、ホラー?オカルト?そしてエロティック・・・なかなか興味深く、面白く読ませていただきました♪

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2011年09月17日

Posted by ブクログ

佐藤優氏おすすめのパルタイ。
1人の人が、組織の価値観に巻き込まれようとするところ、自分の素直な価値観を保ち、貫こうとする。
いまの時代なら普通だが、書かれた当時、学生運動最盛期の中で、自分を保つのは大変であっただろうと想像する。

革命は外から動機を与えられて参画するものではなくて、自分の中にその理由があって自らの意思で入るもの。自分にはその理由がない、というようなことを主人公が言っていたが、これは会社の改革にも通じる。周りに流される人は多いが、人は自分の危機感に基づいてのみ、人は動く。

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2024年08月24日

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