あらすじ
無罪判決。その時、殺人者はニヤリと笑った――「テレビがうるさい」と近隣の5人を滅多刺しにした男が、泥酔し見知らぬ主婦を背後から殺傷した通り魔が、罪に問われず社会に戻ってくる!! 「心神喪失者の行為は罰しない」という法の下に――。ある殺人者は「やられたほうが悪い。自分は被害者」と開き直り、ある殺人者は「死んだ人間は運命だと思って諦めたほうがいい」と口にする……こうして彼らは、何度も何度も野に解き放たれる! 日本の無法ぶりを暴いた渾身の衝撃作。
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Posted by ブクログ
刑法第39条「.心神喪失者の行為は罰しない。心身耗弱者の行為はその刑を減軽する。」を徹底的に批判した著作。タイトルからして随分攻撃的。
しかし、アルコールや薬物の過剰摂取により心神喪失・心身耗弱の状態で行われた犯行に対し、39条が適用され減刑の対象になってきた事。また鑑定人が公正さを欠く(誰を鑑定人とするかで事実上結果も決まってしまう)、という現実は驚き。
Posted by ブクログ
前にこの人のエッセイ読んで、すごい攻撃的な人だなあ、毎日疲れるだろうなあ、とか思ったんだけど、こういう理不尽なことを許さない姿勢(許せない性格?)がジャーナリストとしては不可欠なんだろうな。怒りが原動力という感じで、行間から憤りが伝わってくる。
しかしホントびっくりした。衝撃。
覚醒剤の使用下で犯した罪が、心神耗弱で軽減されるとか。嘘だろー?誰かに無理矢理打たれたんじゃなくて、自分の意志で打ったんだろー?
こんな判決がおかしいなんて小学生でもわかるはずなのに。
光市の事件のときもものすごい理不尽さを感じたけど、日本の裁判制度がここまでひどいとは思わなかった・・・。
こわいよ。
それまで普通に社会生活を送ってた人間が、犯罪後にはじめて実は精神障害でしたと鑑定されたり、犯行時は心神耗弱でしたと鑑定されたり。
そりゃ人殺してるくらいだから異常な精神状態なのは当たり前じゃんって思うんだけど。
でも、「精神鑑定」の仕組みがよくわからないだけに、私たちは「専門家」の判断の前に黙ってしまう。
だって精神障害の分野でも法律の分野でも素人なんだもん。
でも、やっぱり普通の感覚でおかしいと思うことをおかしいと言っていいんだよな。
罪はどうやったって罪なんだから、どんな人間だろうと同じように償うべきなんだと思う。
殺した事実、殺された事実がある以上。
犯罪者の事情とか、被害者になんか関係ある?
そんでもって不起訴にしたはいいけど、あとはほったらかしなの?こわすぎる。