【感想・ネタバレ】そして殺人者は野に放たれるのレビュー

あらすじ

無罪判決。その時、殺人者はニヤリと笑った――「テレビがうるさい」と近隣の5人を滅多刺しにした男が、泥酔し見知らぬ主婦を背後から殺傷した通り魔が、罪に問われず社会に戻ってくる!! 「心神喪失者の行為は罰しない」という法の下に――。ある殺人者は「やられたほうが悪い。自分は被害者」と開き直り、ある殺人者は「死んだ人間は運命だと思って諦めたほうがいい」と口にする……こうして彼らは、何度も何度も野に解き放たれる! 日本の無法ぶりを暴いた渾身の衝撃作。

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Posted by ブクログ

殺人を犯しても精神がやんでると思わせることができれば、刑が軽くなるどころか無罪放免となり何もなかったように生活することができる。被害者遺族無視の法律。

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2015年03月14日

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ネタバレ

刑法第39条「.心神喪失者の行為は罰しない。心身耗弱者の行為はその刑を減軽する。」を徹底的に批判した著作。タイトルからして随分攻撃的。
しかし、アルコールや薬物の過剰摂取により心神喪失・心身耗弱の状態で行われた犯行に対し、39条が適用され減刑の対象になってきた事。また鑑定人が公正さを欠く(誰を鑑定人とするかで事実上結果も決まってしまう)、という現実は驚き。

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2013年10月27日

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古本で購入。

「1.心神喪失者の行為は、罰しない。2.心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」(刑法39条)
「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは3年以上の懲役に処する」(同199条)

この2つの法、特に前者の39条をもって著者が指摘するのは、
「日本は真の意味での近代的法治国家ではない」
という、恐るべき実態である。

精神鑑定という茶番により「責任能力なし」と見なされ起訴すらされない、つまり無罪放免となる凶悪事件が後を絶たない。
「事件当時にいかなる精神状態であったか」というフィクション、しかも犯人の「わけがわからなくなった」「殺せという声が聞こえた」などという戯言により、「精神障害」の免罪符を与えるのである。

仮に起訴されたところで、「心神喪失=責任能力なし=無罪」を訴える弁護側と、「正常=責任能力あり=有罪」を訴える検察側の折衷案として、「心神耗弱=減軽」の判決が下される。もちろん、弁護側の主張が通って無罪になることも頻繁に起きる。
精神鑑定を行う精神医学者も検察も弁護士も裁判官も、39条という時代錯誤の法令の前に思考停止し、ヒューマニズムの欠片もない、流れ作業の如き処理がなされる。そこには被害者とその遺族に対する配慮など毛ほどもない。
「犯人は事件当時、心神喪失であったため無罪」と結論付けられ、事件そのものが「なかったこと」にされる。結果、犯人に殺された者は“勝手に”死んだことにされるのだ。
そんな馬鹿げたことがあるだろうか。

世界一犯罪者に優しく量刑が最も軽い国、日本。
犯罪者人格の殺人者が何の治療処遇も受けぬまま、今日も野に放たれる。

これほど胸糞の悪くなる本は読んだことがない。
「国民感情」という(良くも悪くも)「常識」から著しく乖離した、司法関係者の感性に怒りを覚える。引用される精神鑑定人の文章など、そのあまりの愚かさに吐き気すら感じる。
理不尽極まりなく人の命を奪った者がのうのうと生きているとはどういうことだ。本当に死ぬべき人間はそいつらじゃないのか。

この著者の本は初めて読んだが、信頼できるルポライターだと感じた。
日本の抱えるひとつの問題点を知る上で、読んでおくべき本。

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2013年08月16日

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刑法第39条の「心神喪失」「心神耗弱」の乱発により、常人には理解できない犯罪が不起訴/無罪/減軽となり、犯罪者はすぐさま娑婆に帰ってくる。2人殺せば死刑だが、5人殺すのは「異常」だから「心神喪失」で「無罪」になる。 また、アルコールや覚醒剤の摂取後の犯罪も、なぜか「心神喪失(耗弱)」が適用され、減軽される。常識的感覚では刑が重くなるはずなのに、日本では軽くなってしまう! この「異常」な「法治国家」日本の問題点を鋭く抉る日垣隆の秀逸なリポート。第3回新潮ドキュメント賞受賞作品。

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2011年01月21日

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常におかしいと思っていながら、一般人にはどうにもならない問題である、「重罪を犯した人間が、『心神喪失』あるいは『心神耗弱』を認められ、刑が減軽されたり、無罪になったりすること」について、多くの事例を挙げながら具体的に踏み込んで検証している、日本のタブーに挑戦した快著。

本書を読んで初めて知ったのだが、検察は起訴前に被疑者の精神鑑定(本来は違法であるそうだ)を行い、心神喪失が認められそうだと判断した場合、被疑者を不起訴とするそうで、その数は年間数百例に上るという。しかも、中にはきわめて残忍で凶悪な殺人犯も多く含まれているというのである。このような事態が起こる理由は、なんと起訴した事件について無罪判決が出たとき、担当検事の出世に響くから、ということだというからあきれる。そのようなくだらない理由で犯罪被害者の人権を踏みにじり、時には命までも奪った者を何のお咎めもなしで世の中に返しているのである。この点で司法は社会秩序を守るためのその機能をまったく果たしておらず、また、加害者の「裁判を受ける権利」すら認めていないことを著者は激しく指弾する。

さて、心神喪失、心神耗弱と認められる状態についてであるが、知的障害、精神障害等が当てはまるものであるということは一般に認知されているところである。ところが驚くべきことに、日本においては心神喪失状態を、加害者自らが招くような積極的な行為、覚せい剤の使用や飲酒による酩酊状態についても認めているというのである。さらに、例えば5人を殺した殺人者について、裁判所が「5人も殺す合理的理由が考えられない」と判断すると「理解不能な犯罪を犯したのであるから、犯行当時は心神喪失状態であった可能性が否定できない」などという、その言こそ理解不能な判断をされるという。まったく恐ろしい国に生まれたものだと、背筋が寒くなる思いがする。

著者はこうした問題を、犯罪加害者の処遇施設が刑務所しかないところに帰結させて考えている。つまり、責任能力がないと判断され、しかし重大な犯罪を犯した者を例えば医療福祉的なアプローチから矯正、処遇できる施設がないということである。そのために、「殺人者は野に放たれ」てしまうのであると。

殺人とは被害者の人権を最大限に踏みにじる行為であるから、人を殺した人間には、基本的に人権はないと私は考えている。昨今増えている言われる老老介護や認認介護などといったような特別な事情がない限り、人を殺す人間は障害があろうとなかろうと、社会において危険分子にほかならない。重罰主義が一部の人権派知識人によって非難される風潮もあるが、彼ら知識人が、例えば通り魔殺人の被害者家族となったら同じことが言えるだろうか。

著者は精神障害者を兄に持ち、弟は少年事件によって不条理に殺害されている。まさに、この点においてただのインテリではなく、精神障害者家族として、また犯罪被害者家族としての当事者そのものなのである。当事者の言葉は重い。本書中でも紹介されているように、世界的にみても異質な日本の刑法は、即刻改められるべきであろう。もちろん、多角的な議論は必要となる。別の角度から障害者の犯罪について考えられている『累犯障害者―獄の中の不条理』(山本譲司著)なども合わせて読まれたい。

私も一国民として、また人の親として、安心・安全に暮らせる国を願う一人である。

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2010年09月13日

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重い刑法ってどうなってるの?難しそう、よくわからない…という方に!!
提起された問題を通じて、殺人や強姦などの刑罰の仕組みについて、知ることができます。

…悲しいことに、それらがどれほどアバウトなものであるかということを!

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2010年09月08日

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ズシリ、と重たい。
それは著者の思いだけでなく、取材を重ねた中で得た事実にある当事者の現実や歴史があるからだ。

感情的にならずに淡々と書いて欲しいとは思わない。
冷静に整理しても僕には理解できないかもしれないから。
そんな冷静さは出来損ないの法律で十分だ。

被害者の悲痛な思いよりも、加害者の息づかいが静かに伝わってくる。それは何よりも知っておくべき現実なのだ。

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2010年03月10日

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心神喪失者および心神耗弱者の責任能力について規定された刑法第39条。よく精神障害者は罪を問われないとかって聞くけど、これほどまでとは。。。
この本は、精神障害犯罪者が罪を問われず、すぐにシャバに解放され、そして犯罪を繰り返す、という日本法曹界の闇の部分を明白にした筆者の執念のリポートだ。

正直なところ、精神障害犯罪者は病院で服役するみといった間違った知識を自分は持っていた。場所が精神病院というだけで、あくまでも服役しているのだと。ところが、この本を読んで分かったのは、入院は純粋に治療のためであり、服役でも何でもない。だから数ヶ月もすれば退院(釈放でない)して、普通に社会に戻ってくる。そもそも無罪なので刑に服す必要もないし、もっとすごいのは犯罪事態がなかったも同然に扱われることすらあるという。これには本当に驚いた。

加害者側が手厚く扱われる一方で、被害者側が全く救われていない理不尽さは、『心にナイフをしのばせて』とかぶるものがある。こちらは加害者が精神障害者ではなく未成年者という違いはあるが理不尽さは類似する。

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2009年10月27日

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昨今、尋常ではない殺人事件や犯罪の加害者が心神喪失や責任能力の皆無、などと言った精神鑑定の名できちんと法に罰せられず社会に復帰してしまう、と言う問題が色々な場で問題提起されていることは良く知ってはおりました。ただ、こんな現状なのか。びっくりしたし、背筋が寒くなる思いでした。

誰でも知っているハムラビ法典の『目には目を、歯には歯を』と言う一文があります。これを教わったとき、目には目をだから目の被害者は加害者に対して目を攻撃できる。けれども目以外の例えば歯を攻撃することはしてはいけない。そういう法律なのだと教えていただきそうだよなあ〜と感心した思い出があります。人を殺した人は自分も法によって殺される、とそう言う報復があるのだと言う事を覚悟したほうがよいのではないかな、と思うのです。重たい問題です。こんな一文ではとても言い切れない問題ですが自分はそう、思うのです。だって人を殺したのだから。自分も殺されたって仕方が無いのではないかな、と。ただ加害者の側に立った場合そんなに簡単に言い切れるのか。薬や諸事情で犯行に及んだのではないか。そう思うだろうなあ。難しい問題です。

ただ精神鑑定と言う鑑定にそんなにお金がかかっているとは思いませんでした。これも税金ですよね… 鑑定ってもう少し科学的なものかと思ってました。各個人で鑑定結果に開きが出てしまうのは精神と言う難しい問題だから仕方が無いのかもしれませんがもう少しきちんとした指針等は無いのでしょうか。

著者も提案している通り、心神喪失の犯罪者にはその犯罪者を受け止める司法施設が必要なのだと思います。そして責任能力が認められたら改めてその罪を償う。そういう形にしたほうがよいのではないか、と言う案に賛同します。自分が知らないうちに犯罪を行ってしまった犯罪者が居るとして、その犯行を本人が自覚しなくては又同じことを繰り返してしまう恐れがあるのですから。きちんとした治療もせず病院に閉じ込めてしまうのも問題ですし、罪の自覚がないまま世間に戻ってしまうのも問題があると思うのです。

この頃の状況は変わってきたのでしょうか。そう願いたいです。死刑執行が大臣が変わると執行されたりされなかったりするという状況もおかしいですよね。死刑が執行されることに対しておかしい、と言うのであれば死刑制度撤廃の運動を行うべきだと思うのです。死刑判決はそのまま報道して、いざ執行されると通例より早いとか執行された人数が多いなどと言う報道もどうなのかなあと思います。

陰惨な事件はあまり覚えておきたくないし忘れてしまいたいのが本音ですが事件が起こった時だけではなく、報道を受け取る側もきちんと判決まで事件を追いかけなくてはいけないのだな、と思うのです。

読み終わって暗くなりましたが読んでよかったと思います。色々と考えさせられました。

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2009年10月07日

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「心身喪失的事件のうち八割が不起訴、二割が裁判で心身耗弱が認められて刑の減刑が図られる日本の不条理」
ミステリ小説やドラマでは冷血な殺人犯が警察に捕まると一件落着あぁよかった、である。しかし実際には日本では、凶悪な殺人が、その犯罪が異常であればあるほど心身耗弱のせいにされ、不起訴となったり減刑されたりし、収容施設もないため野放しにされ……そして再犯を犯している。レクター博士は日本に来たらやりたい放題である。しかもその事実はマスコミも報道を自粛するため、国民に知られないまま。最近は被害者・遺族の声により状況は少しずつ変わってきているようだが…。読んでいてホラー以上に怖くてつらい本だが、裁判員制度も導入されようという今、必読の一冊だと思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

刑法39条という司法システムの穴、精神鑑定という証拠としてはただ曖昧に過去を推定下に過ぎない不十分と思われるものによって、凶悪犯罪が不起訴に終わっている、もしくは無罪、軽罪で済んでいる事実について、徹底して被害者サイドから書き進めたリポート。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「心神喪失」「心神耗弱」
そもそも、殺人事件にこれらが伴わないことがありえるのか。
通常の精神状態で、人を殺せるのか。

「精神鑑定」
その信憑性、標準性、信頼性に対する危うさ。

事あるごとに悶々と感じていた。

概ね、筆者に賛同。

殺人者の多くが精神疾患を有するという結果に繋がる司法の判断が、精神障害者を何よりも蔑視していることに他ならない。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

刑法39条・・・怖いな。
背筋がぞっとした本です。
みんなに読んでほしい。
このままじゃいけないですよね、日本

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前にこの人のエッセイ読んで、すごい攻撃的な人だなあ、毎日疲れるだろうなあ、とか思ったんだけど、こういう理不尽なことを許さない姿勢(許せない性格?)がジャーナリストとしては不可欠なんだろうな。怒りが原動力という感じで、行間から憤りが伝わってくる。

しかしホントびっくりした。衝撃。
覚醒剤の使用下で犯した罪が、心神耗弱で軽減されるとか。嘘だろー?誰かに無理矢理打たれたんじゃなくて、自分の意志で打ったんだろー?
こんな判決がおかしいなんて小学生でもわかるはずなのに。
光市の事件のときもものすごい理不尽さを感じたけど、日本の裁判制度がここまでひどいとは思わなかった・・・。
こわいよ。

それまで普通に社会生活を送ってた人間が、犯罪後にはじめて実は精神障害でしたと鑑定されたり、犯行時は心神耗弱でしたと鑑定されたり。
そりゃ人殺してるくらいだから異常な精神状態なのは当たり前じゃんって思うんだけど。
でも、「精神鑑定」の仕組みがよくわからないだけに、私たちは「専門家」の判断の前に黙ってしまう。
だって精神障害の分野でも法律の分野でも素人なんだもん。
でも、やっぱり普通の感覚でおかしいと思うことをおかしいと言っていいんだよな。

罪はどうやったって罪なんだから、どんな人間だろうと同じように償うべきなんだと思う。
殺した事実、殺された事実がある以上。
犯罪者の事情とか、被害者になんか関係ある?

そんでもって不起訴にしたはいいけど、あとはほったらかしなの?こわすぎる。

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2012年06月26日

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なかなか激しい人の様だけど、タブーに切り込む姿勢はステキだね。
んーここまで司法が閉じられた世界になっているのはもともと被告のためなのか、被害者のためなのか……でも今の一番は司法関係者のためだと思うけど(怒)知れば激怒するような事がたくさん書いてあるね。ごく一例…
■医師に精神鑑定書作成を依頼した時に裁判所から支払われる対価は給与1ヶ月分が相場!もちろん税金!高すぎ!高名なある医師に依頼した場合、3回の面接と検査を行い、100ページの鑑定書を作成して67万の報酬。らしい。
■刑法39条心神喪失者を責任無能力として罰しないとか、自分で覚せい剤打ったり酒飲んで酩酊状態での犯罪の場合心神耗弱が認められれば罪が軽くなるとか。とても書ききれない。
子供の頃は弁護士って「法の下の平等」とか弱いものを守る正義の味方ってイメージで憧れる存在だったのになぁ…今じゃ何でもかんでもどんな汚い手段使って屁理屈こねてでも罪軽くして儲けるってイメージだなぁ…
いい人の弁護士もいるだろうけどきっとそれじゃ儲からないんだろうな…
いつもこの手の本読んでる訳じゃないからいささか疲れたな…実はもう一冊同じようなテーマの本買ってあるんだけど間に違う本読もうかなー

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2012年01月14日

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重大事件や異常な事件の犯人が逮捕されると、次に必ず報道される「精神鑑定」。

以前から「心神喪失で無罪」という裁判の結果に疑問を抱いていたのでこの本を手に取り、同様のことをたくさんの人が考えていること、この問題をつきつめて徹底的に調べている人がいることに力づけられた。

ただ、「心神喪失」や「心神耗弱」の理不尽さに怒りを感じるあまり、過激な表現が頻出するのにちょっと閉口した。そこまで書かなくても著者の怒りは十分にわかります。
これについては解説を書いている人とはちょっと意見が異なります。

ちなみに、解説は以前読んだ「戦闘美少女の精神分析」の斎藤環さん。著作を読んだことがある人の解説と意外なところで出会うと、何となく知識が一層広がった気がしてうれしく思います。

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2017年09月25日

Posted by ブクログ

刑法39条に関する批判本。何ともやりきれないというか、一般感覚からはこうもはっきりずれているのに改正されないのは何とも。不幸は常に世間に蔓延していて、自分がそれに巻き込まれないのは運がいいだけなんだろうな、と改めて。

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2011年08月23日

Posted by ブクログ

若かろうと年を取っていようと、いかなる状況であろうと、よその人を殺したら死刑というルールがどうして確立されないのだろう。
こんなに分かりやすいことはないのに。なにがことを分かりにくくしているのだろう。

司法は心神喪失による犯罪者に対して「自分で自分のケツは拭かなくていいよ」として無罪を与える。
分のケツも拭けない犯罪者が野に放たれる。
そして同じことを繰り返す。

市井の人は巻き込まれないよう、自衛するのみ。

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2009年10月07日

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 憲法第39条、精神障害、精神鑑定、人権問題等を題材にしている。
 人を殺すとすぐ精神鑑定というが、正常な状態で人を殺す人間なんかいないわけだから、必要ないと思うんだけどなー、なんて。

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2009年10月04日

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このルポルタージュ、の内容は冷静に書かれているが、記憶に新しい事件を軸に、やりきれない司法と精神鑑定、人格障害の問題 精神鑑定の思考停止問題、やりきれない 日本の司法精神の課題に天を仰ぎ見る

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2009年10月04日

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精神科医の診断、刑法39条に辛辣な見解を吐露する。心身喪失で無罪になった凶悪犯罪者を処遇する施設がない、容疑者を起訴して無罪になるとキャリアに傷がつくので検事は危険を避けようとする。野に放たれた犯人は再び暴れる。危険極まりない事実に悪寒が走る。2014.10.10

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2014年10月10日

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 日本の裁判制度とは、事件の結果に対して刑を行うのではなく、事件を起す動機に焦点を当てるものである。なので事件当日、精神疾患がみとめられた場合はたとえ殺人者であったとしても不起訴となる可能性があるのだ。しかし、精神疾患だと認定されるための偽装を装う行為や、過剰に加害者を養護しようとする団体などにより、殺人者は野に放たれることになる。この現実を著者は世に問う。

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2014年02月11日

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殺人者の類が世に何万も放たれている恐ろしい現状を改めて思い知らされる。被害者の悲痛な叫びをもっともっと発信していかなければならないことを痛感。責任能力とは一体何なのか。デスノートなど持ち出す必要のない公平公正な社会の到来を心から祈念する。

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2012年08月15日

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-凶悪犯罪は「なかったこと」にされ被害者家族を苦しめる「責任能力」とはいったい何か。その問いを発してから答えらしきものに辿りつくまで、私は、およそ10年の歳月を費やすことになる-

我が国の法廷がいかに被害者不在であるか。刑法三九条二項の削除を主張する著者が、心神喪失により無罪や減刑となった数々の実事件を、公判はもとより報道までも深く取材し、現行法の不条理を問う。
第三回新潮ドキュメント賞受賞作品。



刑法三九条といえば、ミステリー小説でも題材としているのをしばしば見かける。
以前から精神病と診断されているのならともかく、普段日常生活を問題なく送ってきた人間が犯行時のみ錯乱していたという理由で罪に問われないというのは納得できる話ではない。私も常々平常心で人が殺せるほうが恐いと思っている。さらには薬物や泥酔などでも適用されるなどというのは理解不能である。
しかも精神鑑定のなんと主観的なことか。自分の行為に責任を負う能力無と判断された人間が、その後何のホローもされない。このような現状は、かえって偏見を生むのではないだろうか。
本書が書かれてから年数がたっているし、世論も異を唱える人が増えてきているということもあり、今はここまで乱発はされていないように思える。もっともそれだけ理解不能な凶悪事件が増えているという憂慮すべき側面もあるのだが。

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2011年04月07日

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なんとなく記憶にある事件がたくさん出てくる。
そのときはすごくセンセーショナルにとりあげられても
尻すぼみになる事件が多いのには、いろんな理由があるんだな。

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2010年12月18日

Posted by ブクログ

読むに耐えなくなって後半は読み飛ばした。

内容がつまらないわけではなく。
犯罪の異常性が増せば増すほど、「常識では理解できないので、被告は心神耗弱の状態にあった」と判断され、却って罪が軽くなる傾向にあり、それが一部の人間にとっては、残虐性を増すインセンティブになることや、その被害者や遺族のどうしようもない怒りと諦めが気の毒で、途中で読むのが苦しくなった。ひどい。

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2010年04月14日

Posted by ブクログ

精神障害者が起こした犯罪や加害者被害者のその後などを、憲法第39条の是非などを絡めて書いたもの。著者自身が犯罪被害者の遺族であり、精神障害者を家族に持つことがあるためか、やや感情的に書かれる部分が目立つ。そこが気になってしまうが、精神鑑定のあり方や法制度などの問題点について考えさせられるところは多い。加害者事情、被害者事情のそれぞれの立場からこの問題について考えるために、佐藤幹夫氏、山本譲司氏の本と併せて読みたいと思った。

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2009年11月25日

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【第3回新潮ドキュメント賞受賞】刑法39条についてはなんとなく知っていたつもりでいたけれど「心身喪失」の場合、ここまでお咎めなしとは思っていなかった。著者の表現には少し過激だなあと思うところもあるけれど、知らなかったことをたくさん教えてくれた本ではあった。既に削除されているとはいえ刑法40条にはおどろいた。

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2011年08月06日

Posted by ブクログ

うーん、感想だけなら、恐ろしい事実がここに書いてあるっていうだけでしょうか。
いやはや、隣人がもしかしたらすると、殺人者かもしれません! という日本の裁判の実情を生々しく書かれています。
出来ればちょっとでも認識が広がれば、何らかの運動が拡大するかもしれませんねー。

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2009年10月04日

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