【感想・ネタバレ】殿といっしょ 10のレビュー

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Posted by ブクログ

ついに、この『殿といっしょ』も二ケタに乗ったか
何気に凄いと思うんだが、あまり注目されていない。何でだろう?
正直なトコ、私の中で、歴史系の四コマ漫画でトップは重野なおき先生の『信長の忍び』だ。美少女(笑)忍者を主役に据え、織田信長の華々しい活躍、人間らしい葛藤の末の決断がメインに、時代の流れが描かれている、この『信長の忍び』は、確実に中高生に日本史って教科に興味を持たせるだけのパワーがある。是非、図書室の歴史コーナーに置いて欲しい漫画だ
画の上手さでは、大羽先生よりかは、『軍神ちゃんとよばないで』の柳原満月先生の方が上だろう。また、上杉謙信女性説にダメっ娘属性を付け加えているので、インパクトがある
しかし、誤解しないでおきたい
散々、他作品に負けてしまっていると書いたが、この『殿といっしょ』にだって勝っている部分はちゃんとある
この『殿といっしょ』の武器、それは、戦国の英雄らに対して、私らが持っていた既存のイメージを、勇気を持ってブチ壊しているトコだ
辛うじて、原形を留めているのは、焼き討ちが大好きな織田信長くらいじゃないだろうか
この10巻の表紙を飾っているのは、真田一賊なのだが、彼らもまた、これまでの真田とはまるっきり異なる。某ゲームで知名度が上がり、戦国武将屈指のイケメン扱いされている真田幸村のカッコ良さは、この『殿といっしょ』で大暴れする真田幸村にはない、と断言できる
一人の武将の生まれてから死ぬまでを面白可笑しく描くのでなく、人物も時代もヒョイヒョイ変えて描かれているので、飽きないで済む
ホントに、こんなメチャクチャだったのか、気になるから調べてみよう、と個人に対しての興味を持たせる、その点では、『信長の忍び』にも決して負けてない
また、押さえておくべき歴史の事象は事細かに描いてくれてあるので、勉強の下地にもしっかりなる
どの殿も個性豊かで強烈な印象を残し、さすが、戦国時代で名を挙げただけある、と思わせるだけの「何か」を持ってる
個人的に動向にハラハラさせられるのは、やはり、長曾我部家のお家問題だ
ついに堪忍袋の緒も切れてしまったのか、それとも、己の行く末を予期しているからこそ、最後の兄孝行、一族の更なる強化を目論んでいるのか、吉良親貞の反逆劇は、一条兼定が用済みになってからが見どころだ
織田信長や伊達政宗、他のシリーズも、こっから盛り上がりそうで、次巻が楽しみになる
この台詞を引用に選んだのは、長曾我部元親を見直したからだ。どんなに可愛い格好をしていようが、萌えオーラを振り撒こうが、カワイイぬいぐるみが大好きだろうが、彼の中にも、譲りたくない男の意地、勝利への執念があったんだ。彼が固めた決意が、(変態)弟を筆頭に仲間の士気を上げる。やっぱ、長曾我部元親は王の器だわ

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2015年12月24日

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