あらすじ
アメリカ人の著者が全編日本語で書き上げた小説第二作。
少女時代から陶芸家を目指してきたカティアは、ある出来事をきっかけに、
師匠であり恋人でもあったライダーと決裂、偶然舞い込んだ
大阪の女子校の英語講師の椅子にとびつき、逃げるようにアメリカを離れた。
カティアの新地は、大阪の北摂。そこには、師ライダーとそっくりの顔をした
「太陽の塔」がそびえたち、あたりを睥睨している。
カティアにはひとに言えない悩みがあった。少女時代のある日、
ライダーに「伝承」されて以来、自分の手が師匠のものになってししまった。
ありえないことだが、腕先に、骨ばった長い指の「ライダーの手」がくっついているのだ……。
胸に傷を抱えながら、異国の地で未来を探して奮闘する、若きカティアの青春物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私は私、あなたはあなた、それでも仲良しって感じ。
この言葉が気に入りました。
ガイコクジンから見た日本の嫌なところがたくさん書いてあって面白かったです。最後はなんだか救われて良かったです。サイコパスが幻想だったのか本当にいたのかわからないけど、私も電車で何度も性犯罪にあってきたので日本は確かにこういう人多いよなあと思いました。職場のいじめも日本ぽくて笑えなかったです。日本ではみんなと同じようにできない人はだめな人とされるので、作者の方も日本に来たとき辛かったのかなとおもいました。
Posted by ブクログ
性的虐待についてそしてグルーミングについてリアルに描かれていて、気分が悪くなりましたが、とても勉強になりました。また、日本で暮らす外国人の思いも。作者に感謝します。
ハッピーエンドでほっとしました。
Posted by ブクログ
前作と同じく、独特の世界観にはとまどいも感じましたが、翻訳よりは、日本語が多少不自然でも、「ガイコクジン」が感じる日本を理解できるようにも思いました。
「助ける」と「手伝う」で迷うというのも、私も日本語学習者の間違いを直すことが多いので納得。
「ビーマイフレンド」と言いたいときにビーを日本語でどう言えばいいのか忘れて、「もちろん、これからも友達です!」と言われて、なんだ、「です」だけ付け加えればよかったんだ、と思ったという場面なども共感できました。
全体的にネガティブな感情が続きましたが、主人公が過去の呪縛から解き放たれて、新しい一歩を踏み出せそうなラストに、読んでる方もやっと明るい気持ちになれました。