あらすじ
※本作品は、2020年発売の単行本版『今度生まれたら』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。
70代では人生やり直せない?
人間に年齢は関係ない、なんてウソ。
人生100年はキレイごと。
「今度生まれたら、この人とは結婚しない」70歳の主婦、佐川夏江は自分がやり直しのきかない年齢になっていることにショックを受ける。人生を振り返ると、あの時別の道を選んだらどうなっていたかと思うことばかり。進学は、仕事は、結婚は。少しでも人生をやり直すため、夏江はやりたいことを始めようとあがく。
大好評の著者「高齢者小説」シリーズ。
「元気をもらいました」「自分のことのように読みました」「もっと早く読みたかった」
など読者の声多数のベストセラー!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
率直な感想は自分勝手なおばさんだなぁ、でした笑
親や周りの助言を聞き入れず喜び勇んで専業主婦になったのに、どうして70歳になり急に、能力を活かして社会で活躍しなければ無価値、みたいな思考になったのかわからなかった。時代のせいで仕方なく仕事を辞めた、とかでは無かったから。自分だけでそう思ってるだけなら良いけど、夫を含め、少しでも前向きに生きようとしている人々を小馬鹿にして、講演会で講師にまで迷惑をかける様子が理解できない。
夫を選んだ理由も自分の見栄やプライドを満たすためにしか思えなかったし、口には出さずとも常に周りの人に優劣をつけている感じがして好きになれなかった。
でも、高齢だからと趣味をあてがわれるのが嫌で、社会で活躍したい。この気持ちはわかるかもと思った。自分も歳を重ねたら、必要とされるのだろうか?今の仕事、スキルで大丈夫か?と考えるきっかけになりそういった意味でこの小説を読んで良かった。
時代が違うとこんなに価値観が違うのかな?と思う。共働きが当たり前の自分から見ると、夫が稼いでくれて働かなくて良くしかも能力があり優しい夫なんてすごく恵まれているじゃないかと思う。結婚前に働いたといってもお茶汲みやコピーとりだったみたいで、今働き盛り、子育て世代の女性が読むと共感ポイントは少ない気がする。主人公は社会で生きる、家を経済的に支える大変さを知らないから、70になって急に何かを成し遂げたくなってしまったのではないか?と思ってしまったのは失礼だろうか。更に主人公には仲の良い姉妹もいてなんでも話せる、孤立とも無縁でなんだかんだ楽しそうで幸せそうだなどと思ってしまった。
最後に気になったのは、社会に必要とされたい役に立ちたいという気持ちは素晴らしいけど、根底にあるのは自分が輝きたいという思いで、結局は自分本位なところが強い気がしたこと。