あらすじ
辞書の中から立ち現れた謎の男は、魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない――。「新解さん」とは、はたして何者か? 三省堂「新明解国語辞典」のページをめくると、あなたは濃厚な言葉の森に踏み込んでしまう。【恋愛】【合体】【火炎瓶】【浮世】【動物園】……数々の、あまりに親切な定義に抱腹絶倒しながらも、「新解魂」に魅せられていく、言葉のジャングル探検記。“紙”をめぐる高邁深遠かつ不要不急、非パソコン的世界からの考察「紙がみの消息」を併録。
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Posted by ブクログ
面白ろ過ぎ!新明解国語辞典の 面白く楽しい解釈に、ニヤニヤ笑っ
数え方や、女性の表現に?この辞書編集者は 一体何者?と 思わず 笑ってしまう 1冊
何度読んでも楽しい!!
辞書が読みたくなります
Posted by ブクログ
ワタシのスマホに大辞林と新明解がある。
試しに「足」を引く。
【大辞林】
「ーを組んで椅子に座る」「ーに合わない靴」
【新明解国語辞典】
「すらりとしたーの長い女性」
ーを取られる(道がぬかるんでいたり、酒を飲みすぎたりなどして、うまく歩けない)
スマホでも実感国語辞典なのだった
Posted by ブクログ
本が好きな人はきっと好きな本。
お腹抱えて笑いながら読んだ。
始めの恋愛の話の所は「下ネタか…」と思っちゃうけど、
その次の「馬鹿」でめちゃくちゃ引き込まれるから、そこまでは絶対に読んで欲しい。
Posted by ブクログ
後半の紙がみも良かったけど、何といっても圧巻はタイトルにもなる前半部分。初赤瀬川作品だったけど、入門作として抜群の掴みでした。新解さん、こんなに面白いとは思っても見なかったです。というか、そもそも最近、国語辞典を引く機会が基本無いので、気付きようがないってこともあるんですが。とはいえ、たとえ受験生時代であっても、ここまでじっくり例文を吟味する習慣はなかったから、まさに驚きの連続。まさかの個人的主義主張の連発は、抱腹絶倒の面白さ。素晴らしかったです。
Posted by ブクログ
面白すぎる、、表現、想像力、感受性の豊かさ、、!
こんなに辞書に対して、愛おしさとか、感情移入とかしたことってあるだろうか。
SM嬢(解説してくれる女性)のコメント。赤瀬川さんの優しさに、もう胸が熱くなる。笑
そこまで新解さんに歩み寄ってあげるの?優しいでしょう!
いろんな楽しみ方ができるし、
元気がないときに読んだら、もう理由なく元気になります。
ただ、ちょっと大人になってからの方が楽しめるかしら。。
10代だとイマイチピンとこないかもな、、20代後半から?おすすめ
Posted by ブクログ
路上観察学でもそうだけれど、日常のほんのちょっとした何かを面白がれるってとてつもなく魅力的。楽しいことは勿論だけど、楽しめる可能性があることに対して貪欲に楽しめるような余裕をもっていたいですなぁ。
Posted by ブクログ
赤瀬川原平という人は,身近にあるものを楽しんでしまう天才だと思う.トマソンをげいじゅつにしたし,中古カメラの趣味に関してはウイルスに感染したことでライカを治療薬としてあてがうなど行動をもおもしろがっていたし.そんな視点で,身近な辞書を読んだらどうなるか.
新明解国語辞典にあふれる,ちょっと変な解説にスポットを当て,おもしろがるのもまたこの人独特の視点で,これまた一緒になっておもしろがってしまう.
この本を読んでからというものの,辞書の解説を読み物として見てしまうようになったのは言うまでもない.
Posted by ブクログ
YouTubeで紹介されていたことで購入。
前半は本当に面白くて、電車の中で笑いそうになった。ここまで自由に辞書を作っている著者に感謝。
後半はダラダラと続くエッセイで、だれてしまった
Posted by ブクログ
新明解国語辞典のおかしなところを、しっかり味わえる。おもしろい。
だけどそれ以上に、赤瀬川原平の文章がいい。好きになった。飄々とした大人のユーモアだ。いや、ヤベェじいさんのユーモアだ。
Posted by ブクログ
新明解国語辞典は第5版を使用しているが、本書に紹介されているように語釈が非常にユニークだ.これらの説明を詳しく読んでいけば、語彙が豊富になると思うので若い人に推薦しよう.後半の"紙がみの消息"では1990年代の事柄がテーマになっているが、たった30年前のことがかなり昔のように感じた.
Posted by ブクログ
読み終わった。この著者はトマソンで出会って二度目の本である。トマソンに比べたら勢いは少しないような気がしたが、新解さん、という命名がやはり天才的である。
著者のもとに寄せられた、「新明解国語辞典」の例文がちょっとおかしい、ということでさっそく見てみる、というユーモアエッセイ。
「恋愛」の解説に情熱的な気持ちが込められていたり、まるで小説のワンシーンのような描写がでてきたり、食べものの項目に「おいしい」という個人的な感想めいた説明があったり、「世の中」「読書」などには一家言ある意固地な性格が透けて見えたり、時には辞書ではなく偏見だ!と思わず目を疑うような解説や例文がある。
こんな辞書が存在していいのか?と思うが、そこまで踏み込むゆえに、言葉の意味が「新明解」になる、という逆説でもあり、身をもって言葉の意味や辞書の役割を考えさせる。
また、偏りがあるから辞書として不適切、と一言では切り捨てられない「何か」があり、それを「新解さん」と名付ける。辞書の性格を擬人化して社会の許容度を問う。あとがきでもあったように、実際に新解さんに聞いて終わり、という個人的な話ではない。
その背景にある社会への視点や投げかけ、想像の余地を楽しむという点が重視されていて、それがいかにもトマソン的と言うか芸術的である。
同時収録されている「紙がみ」についても、エッセイとしては軽い読みものだが、「紙」に対して私たちが感じる神聖さ、高級さ、信仰、といったものについて考えさせられるものだった。
お札(さつ)やお札(ふだ)について、軽々しくプラスチックには移行できない「神聖なもの」がつきまとう、という話。今は特に電子マネーが増えて、より神聖なものを遠ざけようとする感じがうかがえるのだと思わされた。
また、写真や映像について、検索したり映し出したりするスクリーンは、いつか「電源を切る」が、紙に印刷した写真にはそういうことをしない、という指摘。印刷する意味、紙(実体)である意味について考えさせられた。きっと絵や芸術作品もそうだろう、どれだけデータとして持っていたとしても、真の所有ではない。
それらは飾られるもの。そして、いかにも、実用ではない。それゆえに存在価値があるという。まさに紙の要不要という視点からトマソン的な社会における「充実」を問う、この著者らしい議論だと思った。
紙が好きな人、紙や実用的でないことにどうしても惹かれてしまう人、そんなアナログな人におすすめ。
Posted by ブクログ
辞典の第五版を横に置き、比較しながら読んだ。
第四版の面白い項目ばかりを取り出して紹介してくれているので、辞典で同じ項目を探して読むのが楽しかった。
彼自身の見解にはだんだん飽きてくるが、この話を書くきっかけとなった、SM君の意見が面白かった。
Posted by ブクログ
面白い!
この本の話はいろんな人から聞いていたし、大筋分かっていた(つもりだ)。
でも、実際に読んでみると、電車の中なのに笑い出しそうになるほど可笑しい。
要所要所に入る妙な写真も、これまた妙な味わいがある。
実際の新明解。
今は七版が出ているんだったかな?
私が使っていたのは六版、七版くらい。
そう面白い語釈や例文がある印象はなかった。
二版、三版あたりが面白いのかな?
今調べたら、金田一京助編集ということだ。
そうか!
それにしても、先日読んだトウェイツの『ゼロからトースターを作ってみた結果』にしても、この本にしても、面白がることが上手な人ってうらやましい。
いや、私も結構な面白がりやだと思っていたのだけど、最近どうもダメ。
もっとこういう本を読んで遊び心を活性化したい。
このおもろいおじさんが、紙の無駄に関してはびっくりするくらい真面目に考えているギャップに驚く。
本書に出てくるオレンジカードも、イオカードも、もうなくなった。
赤瀬川さんは、もういないんだ、と改めて気づいた。
Posted by ブクログ
辞書から飛び出した、というか辞書そのものの新解さん。一つ一つの答えがツボ。挿し絵もツボ。大真面目に語っているところが素晴らしい。
後半の赤瀬川さんのエッセイ集も秀逸。20年前の空気がやって来たようで、なかなか。
Posted by ブクログ
じわりじわりとくる1冊。
私が今まで辞書で見たことがない絶妙におかしい解説&例文のオンパレード!
攻めの姿勢の解説に驚く。それもちょっとやそっとじゃなくガンガン攻めてくる。
形容詞や修飾語の使い方に、ひと癖もふた癖もあって、思わず突っ込んでしまう。
主観が入る解説にも度々クスリ。
着眼点がすごい。よくこんな本を書いたなぁ。まさか「じわる辞書」が存在するなんて………。
何も考えずに読めるじわり系、貴重です。
「新明解国語辞典」
今度本屋に行ったらチェックしてみよう笑
Posted by ブクログ
赤瀬川原平のエッセイ『新解さんの謎』を読みました。
赤瀬川原平の作品は昨年10月に読んだ『老人とカメラ―散歩の愉しみ』以来ですね。
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辞書の中から立ち現われた謎の男。
魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない―。
「新解さん」とは、はたして何者か?
三省堂「新明解国語辞典」の不思議な世界に踏み込んで、抱腹絶倒。
でもちょっと真面目な言葉のジャングル探検記。
紙をめぐる高邁深遠かつ不要不急の考察「紙がみの消息」を併録。
たとえば──[ばか]人をののしる時に最も普通に使うが、公の席で使うと刺激が強過ぎることが有る。
[実社会]複雑で、虚偽と欺瞞とが充満し、毎日が試練の連続であると言える、きびしい社会を指す。
[凡人]マイホーム主義から脱することのできない大多数の庶民の意にも用いられる。
ぼくはまだ新解さんという人物に会ったことはないのだけど、間接的に、おぼろげに、空気を介してその人物に接している。
いちど仲介者を通して会見を申し込んだこともあるのだけど、「まぁ会わない方がええでしょう」というご返事をいただいたそうで、いかにも新解さんらしいなと思った。
お会いしてもどういう会話をしたものか、見当もつかなかっただけに、やんわりお断りされてホッとしたことも事実である。
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1996年(平成8年)に刊行……三省堂の『新明解国語辞典』のユニークな語釈や用例を紹介した作品『新解さんの謎』に、紙をめぐるエッセイ『紙がみの消息』へ併録した作品です。
■新解さんの謎
・第一章 言葉の森の奥へ
・第二章 深まる謎
・第三章 見えてきた新解像
■紙がみの消息
■あとがき
■<対談>原平さんの謎 豊田由美・岡野宏文
辞書の中から立ち現れた謎の男は、魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない……「新解さん」とは、はたして何者か? 三省堂「新明解国語辞典」のページをめくると、あなたは濃厚な言葉の森に踏み込んでしまう、、、
【恋愛】【合体】【火炎瓶】【浮世】【動物園】……数々の、あまりに親切な定義に抱腹絶倒しながらも、「新解魂」に魅せられていく、言葉のジャングル探検記。
“紙”をめぐる高邁深遠かつ不要不急、非パソコン的世界からの考察『紙がみの消息』を併録。
赤瀬川原平のユニークな視点とユーモアが存分に楽しめる一冊でしたね……『新解さんの謎』は、新明解国語辞典の面白い語釈やユニークな用例を解説したエッセイなのですが、読んでいると新解さんは辞書ではなく、人格が与えられた謎の人物のように感じてくるところが魅力ですね、、、
新解さんの独特な人格や、彼が辞書の中でどのように存在しているのか、その謎に迫る……そんな展開でした。
『紙がみの消息』は、紙にまつわるさまざまなエピソードや視点を綴った興味深いエッセイ……お札からチラシまで、日常生活に欠かせない紙の存在を探求し、ユニークな視点で紙の意味や役割を考察し、その由緒や性格、効用を語られていました、、、
トイレットペーパーや千円札、チラシ等、私たちが日常的に目にする紙の裏側に隠されたストーリーや謎に迫る作品でしたね……赤瀬川原平の独特の視点が存分に愉しめました。
Posted by ブクログ
国語辞典のちょっと変わったところをツッコむお話でした。初めて読むタイプで、ジャンルはよく分からなかったです。
新明解国語辞典第4版が特にピックアップされていて、辞典なのに言葉の意味の説明がなんか著者の気持ちが込もっていたり、独特な具体例が書いてあったり、本当にこんな辞典が存在するのかと驚きながら読んでいました。
辞典から滲み出る人間らしさの言い換えとして出てくる「新解さんの解底に棲んでいる新解魚のようなものが見えてくる」という表現はすごい面白くて印象に残っています。
新しい見方、世界が広がるよい本でした。
Posted by ブクログ
辞書にも個性があって、辞書を作る人の見ている世界がじんわりと染み出てくるのだな、と思うといとおしく思えてきた。三浦しをん「舟を編む」の世界ですね。
新明解国語辞典はミスを恐れず、日本語を明解にするためにどんどん解説サービスをする。辞書の読者(?)は実感をもって日本語を理解することができる。
今は辞書を引かずに言葉の意味をネットで検索する時代だけれど、新解さんのような一本筋の通った辞書を使って自分の言葉を形成していくと、ほかの人とは違う自分なりの言語世界ができるかもしれない。
用例で、金周りに困っている内容が多かったり、自分の好きな食べ物の解説にはすなおに「美味い」と言ってみたり、チャーミングな新解さんが好きになる。
女性蔑視の気にはムッとしてしまうけれど…。
Posted by ブクログ
「新解さんの謎」と「紙がみの消息」からなる。「新解さんの謎」は面白すぎ。思わず笑ってしまい、人前では読まない方がいいです。息子の辞典は七版なので、ここで述べられたら面白さは半減しちゃってて残念。四版くらいが面白いのかな?「紙がみの消息」は、平凡な私にはなかなか赤瀬川さんの感覚についていけなかった。
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ゆる言語学ラジオで紹介されていたのをきっかけに気になってしまったコチラ。
赤瀬川原平さんのお名前は存じあげていたものの、詳しくは知らなくて、読売新聞で人生案内の回答してなかったかな…って思ってたけど調べたら出てこなかった。たぶん誰かと間違えてるんだろうな。
さてコチラの本。
大きく前編と後編に分かれていて、前編はタイトル通り新解さん…三省堂から出ている新明解国語辞典の内容、おもしろい用例などに独自の視点で愛あるツッコミを入れていく、というもの。
これがまた本当に面白い。
ゆる言語学ラジオでも紹介されていて、わりと詳細にこの辞典の出来上がった背景などを知っていたので、何も知らずに読むよりはかなりの深さで面白かった。
それにしても今の版にはここまでドラスティックな用例はないのかな。
三版、四版あたりの新明解国語辞典が欲しくなってしまう。
この本の内容についても当時は話題になったようだけど、そらこれをリアルタイムで読んでたら三省堂の辞書買うわって思った。
ちなみにわたしが面白いなーと思ったのは、お魚関係のところと、動物園についてのところ。
さて後編は紙についての考察。
30年くらい前の文章で、その頃の記憶を引っ張り出しながらタイムスリップしてるみたいな気分で読んだ。
赤瀬川さんにとってなのか、この時代特有のものなのか、環境問題の重心が今の時代とズレているのが不思議な感覚でおもしろい。資源の無駄遣いについて、真剣に考えて書いているのか結局のところよく分からないけど、30年後の今振り返ってこの当時の状況を見てみると的外れに感じるところもあるけど、いや逆に意外と的を得てるのかと思えたりもする。
後編は余白の考察が特に興味深かったな。
リズミカルでときに皮肉が効いた文章で、前編とはまた違う魅力ある内容だった。
あとがきの対談を読んだら赤瀬川原平さんについてますます興味がわいたので、機会を見つけてまた他のも読んでみたい。
Posted by ブクログ
前半は新明解国語辞典についてのやりとりで、後半は紙についてのエッセイで、2作を1作にまとめたものである。
1996年頃のの本であるため、古さを感じるが、前半部分は純粋に楽しめると思う。
後半部分は、そういう時代もあったんだなぁと1996年頃の空気感を楽しむことができる人には面白いと思う。
Posted by ブクログ
言葉の説明や用例ももちろん面白いんだけど、ツッコミが絶妙。辞書のあちこちに新解さんの影が見え隠れする。
「新明解国語辞典」は昔持ってたと思うんだけど、こんな辞書だったとは!どうやら大人になって、新解さんが見える人になったらしい。
後半は紙に関するエッセイ。書かれたのが20年以上前だから、あまりにも時代が違ってて、却って面白い。
Posted by ブクログ
前に読んだ夏石鈴子の『新解さんの読み方』よりも面白かったのは書きぶりの差か。
用例を読むと確かに面白いが、この辞書が辞書として適当なのかは少し疑問。
後半の『紙がみの消息』は現代との違いが面白い。
今、まだ手書きでがんばっている作家なんているのか?
Posted by ブクログ
3部で編成。その第1部が、本書タイトルの「新解さんの謎」。新明解国語辞典の中でも、第4版は秀逸。その具体的な事例が満載。新明解国語辞典第4版、手に入れましょう!
Posted by ブクログ
辞書の編集者に対する考察
辞書が出来上がるまでの出版社の編集者の心情、その背景を推測している。
だれもが深く考えていなかった、ある意味、何もないところから最大の想像力を働かせる「トマソン」的な発想。