あらすじ
警備課に所属し、爆発物探知や自然災害での被災者救助など、警備全般を担う犬、警備犬。その訓練を行う装備第四係に配属された新人警察官の勇作は、刑事になる夢とのギャップに不貞腐れるが、個性的な同僚や優秀な犬たちとの出会いが彼の心を変えていく。そんな中、勇作は生まれつき体の弱い警備犬シロとバディを組み、巷を騒がせる爆弾魔事件に出動して……。話題の映画、原案小説書き下ろし。
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Posted by ブクログ
警察犬ではなく、警備犬の話。
捜査一課に憧れる交番勤務の勇作。
推薦がもらえるようにと、とにかく何かあれば動かずにはいられない。
そんな勇作の前に現れたのが、警備犬の訓練所にいる係長の向井だった。
犬が苦手と思い込んでいる勇作には、逆に犬に好かれる何かがある。一方、人間からは身勝手な行動に付いていけないとさじを投げられていた。
そして、村岡獣医師がとりあげたシェパードのアルビノの子犬を死の淵から呼び戻したことが、勇作と警備犬との絆の始まりだった。
その後、そのアルビノの子犬はシロと名付けられ、勇作のバディとなる。
しかし、アルビノであることは警備犬に相応しくないと、勇作とシロの前に大きな試練が立ちはだかる。
警備犬という存在を知らなかったことと、人と犬の関係性の素晴らしさを改めて感じる作品。
2023.4.11
Posted by ブクログ
刑事志望の勇作が警備犬の訓練を行う係に不本意に配属され、先輩の夏希にしごかれつつ身体の弱いシロとバディを組み、爆弾魔事件に出動する。ヒステリックな夏希が大人しくなるきっかけが疑問。変化自体や無邪気な勇作とシロのコンビは微笑ましい。映画原案として脚本ありき的な文体には慣れた。主演二人が常に重なった。
Posted by ブクログ
刑事もの、公安ものは割と読むけど、警備部ものってのは初めて読んだな。
本書は爆発物探知や自然災害での被災者救助などの警備を担う警備犬とハンドラーの物語。超優秀な血統ながらアルビノとして生まれた警備犬シロの成長物語でもある。
目頭が熱くなる。
どうも、動物ものって涙を誘うよな。
動物を飼ったことはないけども、愛犬がいる人達はきっと胸を打たれるだろう。
映画作品の書下ろし。
こういう警察ものも悪くないな。
Posted by ブクログ
刑事を夢みて今は交番勤務を続ける早川勇作は、手柄をたてれば刑事部に引き抜いてもらえるという思いが先走り、上司の命令に背いて持ち場を離れてまで一人で犯人を追いかけるなどの行動が続いていた。そんな勇作にある日辞令が。覚せい剤所持犯を逮捕した次の日だったので、いよいよ刑事になれると意気込んだ勇作だったが、行き先は思いもしなかった所――【警視庁警備部警備第二課装備第四係】――警備犬を育成する課であった。
映画がおもしろかったし、レビューで小説の方がさらにおもしろいとあったので読んでみた。ノベライズではなく原案小説らしく、ストーリーは半分程映画とは違う。著者の初めての小説らしく、小説というよりは脚本を読んでいる感じではあったが、話自体は楽しめた。警察犬と比べると認知度も低く、その違いさえよく知られていない警備犬。犬嫌いの勇作とシロの出会い~初めての第四係出動。クライマックスはほぼ一緒なので行動や結末はわかっていたのだが、それでも熱いものがこみ上げた。シロと勇作の”親和”はまだ始まったばかり。続編希望。